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トリプルネガティヴの乳癌について

[管理番号:6693]
性別:女性
年齢:64歳

わたしの母が乳癌になりました。

乳癌の状態は以下です。

ステージI
1.4cm
リンパへの転移なし
トリプルネガティヴ
ki67=23
乳房全摘術をし、今のところ腫瘍は取り除けています。

主治医の先生はトリプルネガティヴだが、ki67の値はそんなに高くないので、アポクリン癌に該当するとのことでした。

トリプルネガティヴだと通常、化学療法適用で抗がん剤をすると思うのですが、私の母は間質性肺炎と皮膚筋炎を患っているので、ki67もあまり高くないこともあり、抗がん剤はせずに様子を見ていこうとなりました。

このまま、何もせずに様子見で大丈夫なのでしょうか?
何もしないと転移、再発の危険性はやはり高いのでしょうか?
何もしないとやはり不安になってしまいます。
再発、転移の危険性はどのくらいなのか、予後はどうなのか、知りたいです。

教えて下さい。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「主治医の先生はトリプルネガティヴだが、ki67の値はそんなに高くないので、アポクリン癌に該当する」
→?

 「数値が○○だから、組織型は○○に相当」というのは一般的な考え方ではありません。
 そうではなく「実際の、(病理の)組織型」を教えてもらいましょう。

「トリプルネガティヴだと通常、化学療法適用で抗がん剤をすると思うのですが、私の母は間質性肺炎と皮膚筋炎を患っているので、ki67もあまり高くないこともあり、
抗がん剤はせずに様子を見ていこう」

→これは妥当な判断です。

 術後補助療法はあくまでも再発予防という位置づけなので「合併症を持っていて、化学療法が生命を脅かす可能性がある」場合には、当然行ってはいけないのです。

「このまま、何もせずに様子見で大丈夫なのでしょうか?」
→それしか選択肢はありません。

「何もしないと転移、再発の危険性はやはり高いのでしょうか?」
「再発、転移の危険性はどのくらいなのか、予後はどうなのか、知りたいです。」

→まず「転移、再発」を誤解なく解釈するように「遠隔転移再発」としましょう。
(再発というと局所再発も含んでしまうからです)

 「局所再発」は全摘している以上無いと考えてください。
 「遠隔転移再発」のリスクは早期だから、(無治療でも)10%以下だと想像します。