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腫瘍計が小さいのにセンチネルリンパ節に転移あり

[管理番号:6066]
性別:女性
年齢:44歳
いつも拝見させて頂いています。
1月下旬に左乳房全摘手術を受けました。
術前の組織診.MRI.CT.骨シンチ.エコーの結果からは
硬癌、グレード1、ER陽性、PR陽性、H er2陰性、ki67:20~30と比較的大人しい癌であるとのことでした。
しかし、実際手術を行った結果センチネルリンパ節4つのうち2つに転移があったとのことでリンパ節の郭清を実施しています。
昨日、術後の病理検査結果を聞きに行きました。
術前の結果と大きな差はなかったのですが、主治医が言われるには腫瘍計が思いのほか1.6センチと小さかったと言われました。
なのにセンチネルリンパ節に転移していることがあまり良くないと…。
その他のリンパ節1.2.3から8個のリンパを取ったのですが、そこには転移はありませんでした。
今後の治療としては、ルミナールBであり抗がん剤TC4クール、放射線5週(25回)、ホルモン療法5~10年とのことでした。
無治療の場合、再発率は50%であり、上記のすべての治療を行って18%まで引き下げられると言われました。
田澤先生にお聞きしたいのは、腫瘍計が小さいのにセンチネルリンパ節への転移があることに対してどのようにお考えですか。
また、治療については適切であると思われますか。
大腿骨のあたりに違和感を感じています。
時には鈍痛のような痛みもあるのです。
夜も眠れず不安で仕方ありません。
いつも先生が言われているように血行性の転移はこのようなタイミングではおこることは少ないのでしょうか。
どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「腫瘍計が思いのほか1.6センチと小さかった」
「なのにセンチネルリンパ節に転移していることがあまり良くない」

⇒??
 全く根拠がない「脅し」です。
 (その)担当医は患者さんを脅して何か得をするのでしょうか?
 それとも「脅す」ことで、(その担当医の考える)「術後治療を全て受け入れさせる」目的でもあるのでしょうか?(私には、想像ができないので、これ以上コメントはしません)
「無治療の場合、再発率は50%であり、上記のすべての治療を行って18%まで引き下げられると言われました。」
⇒??(この数字は、私の考える数値とはかけ離れているようです。 これについてもこれ以上コメントはしません。ただ、本当の数値を知りたい場合にはOncotypeDXしてみましょう)
「田澤先生にお聞きしたいのは、腫瘍計が小さいのにセンチネルリンパ節への転移があることに対してどのようにお考えですか。」
⇒全く「無意味なこと」です。
 「リンパ行性転移」と「血行性転移」に直接の関係はありません。
 単に「リンパ節に近かった」とか「たまたまリンパ管に入った」などの、(予後とは無関係な)理由でしょう。 気にする事自体ばかばかしい。
「また、治療については適切であると思われますか。」
⇒そもそも「ルミナールB」という判断に疑問があります。 ルミナールAの可能性も高そうです。 『今週のコラム101』をご一読のこと
今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
 本当にルミナールBであればTCは妥当ですが…
「大腿骨のあたりに違和感を感じています。時には鈍痛のような痛みもあるのです。」
⇒転移とは無関係
「夜も眠れず不安で仕方ありません。」
⇒担当医の「余計な脅し」に屈しないようにしましょう。
 自分の本当の再発率(かなり低いと思います)を知って安心するためにもOnco
typeDXは有効です。
「いつも先生が言われているように血行性の転移はこのようなタイミングではおこることは少ない」
⇒その通りです。
 
 

 

質問者様から 【質問2 骨転移の可能性】

性別:女性
年齢:44歳
いつも拝見しています。
以前にも一度ご質問させて頂きました。
1月末に左全摘手術を受けました。
術後の病理結果では
硬がん、グレード2、ER+、PR+、Her2陰性
ki67:20~30
センチネルリンパ節転移2/4あり。
リンパ節の郭清しています。
12月末の術前検査、MRI、CT、骨シンチ、エコーでは、
遠隔転移なし。
その後、TC治療を行っています。
現在4回中の3回目を終了しています。
病理結果が2月末に出たのですが、実際抗がん剤をスタートしたのは
子どもの卒業式、入学式など予定が重なっており、3月末よりスタートしました。
前回の質問時にも、大腿骨の違和感を感じていたのですが、
やはり、違和感は治らず、主治医にも確認していました。
前回の検査からまだ4ヶ月であるが、股関節と大腿骨のMRIを撮りました。
その結果、右大腿骨に骨転移を否定できない画像があるとのこと。
整形外科も受診し確認してもらいましたが、はっきり骨転移とは言えない経過観察となりました。
今後、痛みが増してくるなら検査していくこととなりました。
質問ですが、このタイミングでの骨転移は可能性として高いでしょうか。
また、現在はTC治療を4回目まで終了させることになっているのですが痛みが変わらなければ、抗がん剤は4回目までするべきか。
今後、放射線の予定ですが先生としてはどう思われますか?すぐにでもホルモン治療に変更すべきでしょうか。
(もともと、リンパ節転移2個での放射線治療は必要ないのかもわかりませんが)
どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「質問ですが、このタイミングでの骨転移は可能性として高いでしょうか。」
⇒高くありません。
「また、現在はTC治療を4回目まで終了させることになっているのですが痛みが変わらなければ、抗がん剤は4回目までするべきか。」
⇒勿論!
 止める理由がありません。(将来的な再発予防のために行っているのですから)
「今後、放射線の予定ですが先生としてはどう思われますか?すぐにでもホルモン治療に変更すべきでしょうか。」
⇒そもそも放射線とホルモン療法は併用でも構いません。