[管理番号:1290]
性別:女性
年齢:50歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
はじめまして。
2年前に検診で右胸に石灰化が見つかり、エコーを使った細胞診(バネ式)で、異常無
し。経過観察の1年前も同じ細胞診で異常無しでした。
今年9月に3年目の経過観察の検診で、同じ右胸の他の部位に癌が見つかりました。
ステージ1、最大径1.1㌢、ルミナルA型、リンパ節や多臓器に転移なしと診断されました。
石灰化の部分も同時に細胞診をしたのですが、うまくとれなかったとのことで、マンモトーム生検を試みましたが、石灰化の部分が皮膚にかなり近いところにあり、太い針を入れると皮膚を突き破って大きな傷を残す可能性があるとのことで、撮影までしましたが採取は出来ませんでした。
多分かなりカップが小さくAカップ弱なので、そのこともあったのではと自分で思っています。
しかし、癌の部分のMRIの像影でも、石灰化の部分が以前よりかりはっきり大きく像影されているということで、再度、エ
コーを使った細胞診を試みました。かなり的中させるのに難しい検査のようで(本の知識)、12回(個?)採取して、2個しか石灰化の部分が取れませんでした。
結果は疑わしいものは見つかりませんでした。
こうして結局、手術は、癌の部分のみの部分切除にするか、もしくは、今後も石灰化の部分が検査しにくいことを考慮して全摘にして再建をするか、選択を迫られました。
自分としては、2/12だったとしても、何も悪いものが無いのに全摘にしてしまうのは、決断が行かず、部分切除を希望し、来週の金曜日(9日)に手術が決まりました。
ただこの期に及んで、石灰化の部分の検査が2/12という少ない判断で、癌の疑いが全
く白で無い中、部分切除の選択で本当に良かったのか、不安が残ります。
ご回答を切に希望します。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ステレオガイド下マンモトームには経験が必要です。
私の経験では「マンモグラフィーに写っている以上、取れないものはない」と確信し
ています。
回答
「石灰化の部分の検査が2/12という少ない判断で、癌の疑いが全く白で無い中、部分
切除の選択で本当に良かったのか」
⇒やはり、術前に確定診断しておくべきだと思います。
ステレオガイド下マンモトーム生検ができないのであれば、外科的生検でもいいのです。
質問者様から 【質問2】
ご回答ありがとうございました。
手術前の説明も受けこの期に及んでやはり止めるとは言えないので、9(金)に温存手術を受けることになると思います。
そこで、手術後、石灰化の部分のフォローとしては、どんなことが可能でしょうか?
外科的生検は温存手術と同時に行うことは無理のようてすが、術後どのくらいの時間を開けたら可能でしょうか?
その場合はまた全身麻酔になりますか?
マンモトーム生検が皮膚の近くのため大きな傷を残す可能性があるとの主治医の判断ですが、傷を覚悟にマンモトーム生検をお願いすることは可能でしょうか?
それとも、今回の温存手術は思いきって先伸ばしして、石灰化の部分の外科的生検を先にした方がするべきでしょうか?
自分としては、癌と確定診断されている部分を先伸ばしせず、早く治療したいという気持ちもあります。
あと、2年前から現在に至るまで、石灰化の部分の針生検(超音波での)は2度受けて、2度とも異常無しだったのに、今回癌になっていることってあるのでしょうか?
色々質問させていただいてすみません。よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「手術後、石灰化の部分のフォローとしては、どんなことが可能でしょうか?」
⇒マンモグラフィーでのフォローしかありません。
「術後どのくらいの時間を開けたら可能でしょうか?」
⇒いつでもできます。
「その場合はまた全身麻酔になりますか?」
⇒「局所麻酔で十分」です。
前回のメールで「多分かなりカップが小さくAカップ弱なので」という記載があり
ましたが、「ステレオガイド下マンモトームにはやや不利」ですが、逆に「局所麻酔
下の外科的生検には有利」なのです。
「今回の温存手術は思いきって先伸ばしして、石灰化の部分の外科的生検を先にした
方がするべきでしょうか?」
⇒私であれば、当然そうします。
「せっかく手術」した後に、「やっぱり、ここも癌だった。また手術が必要!」な
どという事は、あってはならないと思います。
「2年前から現在に至るまで、石灰化の部分の針生検(超音波での)は2度受けて、2度
とも異常無しだったのに、今回癌になっていることってあるのでしょうか?」
⇒「良性が癌になる」ことはありません。
単に「石灰化の診断」には「ステレオガイド下マンモトーム生検しか信頼できな
い」ということなのです。(勿論外科的生検は信頼できます)
質問者様から 【質問3】
何度も申し訳ございません。
「術後のフォローはマンモグラフィーのみ」とのご回答が気になりますが、フォローとは検査方法は?という意味で尋ねました。
温存手術後、検査出来るとしたら、マンモグラフィーのみということでしょうか?そ
れとも外科的生検も出来ると言うことでしょうか?
部位は癌の方が、右胸上部の胸骨寄り。石灰化のグレーの方が、右胸上部、乳頭上よ
りやや脇寄り。と、かなり近いのですが、術後の外科的生検は出来ますか?
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「術後のフォローはマンモグラフィーのみ」という意味は、
「超音波でフォローしても仕方がない」ということです。
回答
「温存手術後、検査出来るとしたら、マンモグラフィーのみということでしょうか?
それとも外科的生検も出来ると言うことでしょうか?」
⇒もちろん「外科的生検」はできます。
ただ、「今回 (外科的)生検前に手術する」以上、「石灰化は良性の可能性が高
い」ことが前提ですよね?
それであれば、まずは、石灰化にかんしては、「外科的生検ありき」ではなく、ま
ずは「半年後、マンモグラフィー」という方針なのでしょう。
○もしも「必ず外科的生検をしなくてはならない」ものだとすれば、「温存手術
前」に行うべきなのです。
診療の流れからすれば、「石灰化は良性と判断、一応経過観察は必要」というスタ
ンスのようです。
それであれば、そのフォロー(経過観察)は「半年後、マンモグラフィー」となる
のです。
★その上で(万が一、石灰化が増加などの変化があった)場合には「いよいよ、外
科的生検」となるのです。
「かなり近いのですが、術後の外科的生検は出来ますか?」
⇒問題無くできます。
手術部位に「近いとか遠いとか」は無関係です。
質問者様から 【質問4 石灰化の診断について】
度々、申し訳ありません。
いつも丁寧にお答え頂きありがとうございます。
温存手術後、やはり石灰化の部分が悪性なのではという不安が拭いきれず、主治医に外科的生検をしてもらえないかお願いしましたが、術後の傷がまだ十分治っていないので、治すことが先決であるといわれました。
確かに触ると、まだカチカチに固い状態です。
同じ理由で放射線治療もまだ予定が決まっておらず、ホルモン療法のみ行っています。
石灰化の部分の検査は半年後の予定と言われましたが、半年放っておくことに不安を感じます。
やはり、術後の傷(硬化)が治ってからでないと、生検は出来ないのでしょうか?
このあと、放射線治療が始まると、その途中で生検をすることは出来ないならば、それまでにと思ってしまいます。
主治医の判断で良いのでしょうか?
先生のこのHPによると、石灰化の悪性度は、ある程度マンモグラフィーで分かるということですが、そもそも石灰化の部分の見立てを詳しくは聞いておりません。(カテゴリーとか?)
関西在住ですが、本当は遠くても先生の病院で、マンモグラフィーとマンモトーム生検をお願いしたい気持ちですが、そうなると転院ということになってしまい、毎日の放射線治療に通うことは困難です。
納得の行くようにセカンドオピニオンなどを考えた方が良いでしょうか?
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「主治医の判断で良いのでしょうか?」
⇒石灰化を見ていないので「私には判断」できません。
担当医は「癌のリスクは低い」と考えていると(私は)思うので「信頼してみては」いかがでしょうか?
「やはり、術後の傷 (硬化)が治ってからでないと、生検は出来ないのでしょうか?」
⇒術後の状態を見ていないので、「判断不能」です。
ただし、放射線もできない状態であれば、そうかもしれません。
「納得の行くようにセカンドオピニオンなどを考えた方が良いでしょうか?」
⇒「担当医が十分な説明をしない」もしくは「説明内容に信用できない」のであれば、それしかありません。
質問者様から 【質問5】
田澤先生、いつもお忙しい中、丁寧にご回答頂きありがとうございます。
石灰化の部分が癌なのではという不安が拭いきれないままでいます。
このまま半年後のマンモグラフィーでのフォローを待っても結局はマンモトーム生検をしてもらえず、また白黒はっきりしないかと考えると、不安が増すばかりです。
田澤先生に診察をお願いしたいと思います。
まだ予約はとっておりませんが、診察していただけるとして、その場合なのですが、お尋ねしたいことがあります。
放射線治療が1月○○日から始まる予定ですが、その治療中でも、マンモトーム生検は出来るのでしょうか?
素人考えなのですが、マンモトーム生検で皮膚が傷つくので、そこに放射線を当てることは出来るのでしょうか?
それならば、放射線治療が終わる2月半ばに診察を予約させて頂いた方がいいでしょうか?
私としては、放射線治療の予約を先伸ばししても、先にマンモトーム生検をして頂きたいという気持ちが強いですが、放射線治療をあとにまわしても大丈夫なのかなという心配もあります。
田澤先生に主治医を信じてみてはとアドバイスをいただき、もちろん信頼できる部分も多いのですが、皆さんへの回答を読んでみると、自分もそうだと不安に思う部分があります。
一つは、石灰化は2年前からあるのに、1年前の針生検ではあいまいな結果。
経過観察中の今年の2月も、針生検に失敗して、造影剤を入れてエコーでの針生検も12回も細胞を取って2つしか石灰化の部分が取れなかった点。
二つ目は、今回マンモトーム生検が出来ないと言われましたが、田澤先生によるとマンモグラフィで映っているものに、マンモトーム生検で取れないものはないとおっしゃって頂いた点。
主治医にはその技術が無いのかなと思ってしまいます。
3点目は、実は今年の2月の時点で、今回癌である部分はすでにマンモグラフィで「黒い影がある」と言われているのです。
でも主治医が「まだ小さすぎて検査(針生検)出来ない(取れない)から様子を見ましょう」と言われていました。
そのときは、田澤先生のこのホームページも知らず、乳がんの知識も全くなかったため、そうなんだと思い込んでいましたが、2月の時点で生検をして手術をしていたら、リンパ節に転移するまで進行しなかったのではと思ってしまいます。
また、4点目は、質問番号1477「リンパ節転移について」に書いた癌の部位ですが、右胸上の左の部分で、腋下リンパ節からは遠く、むしろ石灰化の部分が右胸上の腋下リンパ節に近い部分にあります。
リンパ節に転移したのは、実は今回手術した部位からの転移ではなく、石灰化の部分が実は癌でそこから転移したのではないかと考えてしまいます。
以上の点から、やはり田澤先生に診ていただいて不安をなくしたいという気持ちです。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「放射線治療が1月12日から始まる予定ですが、その治療中でも、マンモトーム生検は出来るのでしょうか?」
⇒治療中は、さすがに無理です。
「放射線科医」が嫌がると思います。
また、「ステレオガイド下マンモトーム生検」をするには「乳腺を挟む」必要があるので、「放射線治療終了後」すぐでは痛いかもしれません。
「素人考えなのですが、マンモトーム生検で皮膚が傷つくので、そこに放射線を当てることは出来るのでしょうか?」
⇒「マンモトームによる傷」が落ち付くまで「放射線照射はできない」ことになります。
「それならば、放射線治療が終わる2月半ばに診察を予約させて頂いた方がいいでしょうか?」
⇒「照射終了後すぐ」では「乳房をマンモの器械で挟むのが痛い」かもしれません。
その意味では、「1カ月は余裕をみた」方がいいでしょう。
「私としては、放射線治療の予約を先伸ばししても、先にマンモトーム生検をして頂きたいという気持ちが強いですが、放射線治療をあとにまわしても大丈夫なのかなという心配もあります。」
⇒そういう方法も有りますが…
「ステレオガイド下マンモトーム生検も予約が混んでいる」のが実情です。
○放射線照射開始を「あまり遅らせたくない」と考えれば「放射線照射先行」させた方が現実的です。
「今回マンモトーム生検が出来ないと言われましたが、田澤先生によるとマンモグラフィで映っているものに、マンモトーム生検で取れないものはないとおっしゃって頂いた点。主治医にはその技術が無いのかなと思ってしまいます。」
⇒これは仕方が無いとは思います。
私は「ステレオガイド下マンモトーム生検」を「非常識な数」行っています。
その中で「どうやったら、この難関を突破できるのか?」という事態にも「幾度も遭遇」しています。
その経験の中で培ってきたノウハウなのです。
「主治医が「まだ小さすぎて検査(針生検)出来ない(取れない)から様子を見ましょう」
⇒このような「診療」をする医師は多いです。
日頃から「小さいものを診断」するようにしていなければ「いつまで経っても」できるようにはならないのです。
○ステレオガイド下マンモトーム生検を希望される場合には(遠方で何度も受診できない事情であえば)「火曜日午前に受診」⇒(そのまま)「2時以降の検査」という予約の取り方をしています。
秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。
質問者様から 【質問6】
2月○○日に25回の放射線治療を終えて、皮膚がかなり赤黒く、痒みや痛みなどの炎症反応が出ています。
自分としては想定範囲内と思っていたのですが、放射線医と技師から「かなり炎症反応がきつく出ている」と言われたことが、帰宅後から今日まで気になっています。
自分の場合、乳房がAカップもないくらい小さく、その上部分切除したため、手術後更に小さくなり、普通の人と比べて、照射がきつく体内に入り込んだのではないかと心配になりました。
そういった場合、照射の強さが普通以上の大きさの人と同じで大丈夫だったのでしょうか?
普通以上の人に比べて肺などへの放射量が多すぎるのではと心配です。
あともう一つ質問なのですが、先生に3月、初めての診察とマンモトーム生検をお願いしているのですが、万が一、石灰化の部分に癌があったとして、放射線治療によって小さくなり、細胞を採ることが困難になってしまったということはないのでしょうか?
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「普通の人と比べて、照射がきつく体内に入り込んだのではないかと心配」
⇒考え過ぎです。
きちんと計算して計画されているので問題ありません。
「そういった場合、照射の強さが普通以上の大きさの人と同じで大丈夫だったのでしょうか?普通以上の人に比べて肺などへの放射量が多すぎるのではと心配です。」
⇒大丈夫です。
考え過ぎです。
「万が一、石灰化の部分に癌があったとして、放射線治療によって小さくなり、細胞を採ることが困難になってしまったということはないのでしょうか?」
⇒石灰化の部分を取ることには「何ら影響」ありません。
採取されたものが(仮に)癌だったとしても、「放射線で影響をうけたとしても」見わけがつくので大丈夫です。
質問者様から 【質問7】
乳がんプラザで質問させていただいて、
3月22日に先生に診察していただくことになっている者です。
現在までに受けた検査結果を、その時までに現在の主治医からデータでもらって、
田澤先生に見ていただきたい気持ちでいますが、主治医に言い出せずにいます。
もし石灰化の部分が癌であったとたら、田澤先生に手術をお願いしたいですし、
癌でなかったとしても、今後の検査やフォローも田澤先生にお願いしたいと考えています。
そうなるとやはり今までの経過はあった方がいいでしょうか。
マンモグラフィーのデータが無くても、
江戸川病院で診察とマンモトーム生検前に撮影していただけるということですが、
何度も撮影することによる被爆の問題も気になります。
それとも術後もうすぐ半年になるので、そろそろマンモグラフィーを一度受けてもよい頃でしょうか?
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
【質問3】部位は癌の方が、右胸上部の胸骨寄り。石灰化のグレーの方が、右胸上部、乳頭上よりやや脇寄り。と、かなり近いのですが、術後の外科的生検は出来ますか?
「現在までに受けた検査結果を、その時までに現在の主治医からデータで
もらって田澤先生に見ていただきたい気持ちでいますが、主治医に言い出せず」
⇒とりあえず、(術後の治療ではなく)純粋に「ステレオガイド下マンモトーム生検を施行するだけ」であれば、紹介状は不要です。
「今後の検査やフォローも田澤先生にお願いしたいと考えています。
そうなるとやはり今までの経過はあった方がいいでしょうか。」
⇒「手術後のフォロー」という意味であれば、「必須」となりますが…
その場合には、「私の方から、診療情報提供依頼」しても大丈夫です。
「何度も撮影することによる被爆の問題も気になります。」
⇒全く問題ありません。
むしろ、重要な事として「術後」であるため、そもそも「石灰化が手術範囲にふくまれてしまっていて、今現在既にない。もしくは減少している」可能性さえあります。
○つまり「ステレオガイド下マンモトーム生検をするのであれば、術後のマンモグラフィーは必須」です。
「それとも術後もうすぐ半年になるので、そろそろマンモグラフィーを一度受けてもよい頃でしょうか?」
⇒そもそも「石灰化のフォロー」であれば「術後半年は妥当」です。
それに加えて(今回はST-MMTを予定している訳ですから)マンモグラフィーは必須なのです。
○ と、いうことで(前医での過去のマンモの有無にかかわらず)当院で事前にマンモグラフィーを撮影してもらいます。