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浸潤性乳管癌

[管理番号:8433]
性別:女性
年齢:53歳
病名:
症状:
投稿日:2020年4月3日

はじめまして
先日 健康診断の結果 再検査となり細胞診の結果 クラスⅢb 別の病院で詳しい検査組織診(バネ式)
視触診:右C硬結 MMG:右U/0
spiculated mass c―5
低エコー 腫瘤(19×16×15mm)返縁粗ぞうで若干ひきつれを伴い乳腺前方境界線断裂像を認めます。

右腋窩レベルⅠ リンパ節は丸みを帯びていますが構造は保たれています。

右 カテゴリー5
左 カテゴリー1
CNB 判定区分 検体適正 悪性
推定組織型 scirrhous carcinoma
papillotuburar carcinoma
所見 F(+)in situ(-)
ER:99% PgR:90% HER2:1+MIB-1:30%

この内容で乳房温存は大丈夫でしょか?
出来るなら内視鏡を使ってのop希望なんですが・・転移は考えられますか?
先生の話しだと 内視鏡は ただ取るだけで形などがあんまり的な感じで乳房切除でもあまり変わらない(傷痕)と言われましたが本当でしょうか? 術後はルミナルAかBか?
抗がん剤の治療も考えられますか?
田澤先生から見て どうでしょうか?
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

乳癌の診療は「局所療法」と「全身療法」に明確に分けなくてはいけません。
まずは『今週のコラム 225回目 乳癌治療の実際 「局所治療」vol.1 手術』『今週のコラム 226回目 乳癌治療の実際 「局所治療」vol.2 放射線』『今週のコラム 227回目 乳癌治療の実際 「全身治療(薬物療法)」vol. 1 術後補助療法』までを熟読すれば理解できます。

『この内容で乳房温存は大丈夫でしょか?」
⇒上記コラムを熟読ください。

 「今週のコラム 225回目 乳癌治療の実際 「局所治療」vol.1 手術」の中の一文『温存できるのか?(全摘しなくてもいいのか?)はMRI(拡がり診断)で判断します。』と記載しています。
 今回のメール内容にはMRIの記載がないので「コメントしようがない」のです。
(MRIで温存可能であれば、「大丈夫」です)

「出来るなら内視鏡を使ってのop希望」
⇒乳房内再発のリスクについて十分な検討が必要ですね。

「転移は考えられますか? 」
⇒転移とは?

 1.リンパ節転移:「右腋窩レベルⅠ リンパ節は丸みを帯びていますが構造は保たれています。」という記載からは可能性は低いようです。(術中センチネルリンパ節生検で確認しましょう)
 2.遠隔転移:早期だから考える必要はありません。

「先生の話しだと 内視鏡は ただ取るだけで形などがあんまり的な感じで乳房切除でもあまり変わらない(傷痕)と言われましたが本当でしょうか?」
⇒何が大事なのか?優先順位をつけることが重要です。

「術後はルミナルAかBか? 抗がん剤の治療も考えられますか?」
⇒「MIB-1:30%」はグレーゾーンです。ただし術後の「手術標本でのKi67(MIB-1)」をまずは確認しましょう。(それでもグレーゾーンならばOncotypeDXしましょう)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

浸潤性乳管癌
性別:女性
年齢:53歳
病名:
症状:
投稿日:2020年4月11日

おはようございます。
前回 質問にご回答いただきましてありがとうございました。

その後CT MRを受け結果が出ました。

[MR]
右乳房
masses
区域(C)・shape:irregula
・margin:spiculated
・腫瘍径(腫瘍部):22mm
・internal enhancement :
heterogeneous
・kinetic curve assessment :
fast → washout
・ADC :x10(-3)mm2/sec

score/appearance:4/spiculated,he
terogeneous,washout
・Category:6(5)
腫瘤中枢側にnon mass enhancementを認め、一連の病変を疑います。
この部分を含めた大きさは約31mmと考えます。

左乳房
明らかな異常は指摘できません。

[Impression]
右:カテゴリー6(カテゴリー5)
左:カテゴリー1

[CT]
右乳房c区に約26mmの不整形腫瘤を認め、
既知の乳癌と考えます。
皮膚や筋肉のへの明らかな浸潤は指摘できません。

右腋窩リンパ節に大きさは有意ではありませんがやや丸みを帯びたリンパ節を認めます。
経過観察をお願いします。

左乳房内に特記すべき異常は指摘できません。

肝s5に淡い低吸収結節を認めます。
比較がなく正確な評価は困難です。

その他、撮影範囲内腹部臓器に特記すべき異常は指摘できません。

[Impression]
右 c区乳房
右腋窩リンパ節がやや目立ちます。
経過観察をお願いします。

前回の田澤先生から言われたことを主治医に聞いてみた所、局所治療と全身治療 両方ですと言われました。
手術も乳房温存で大丈夫のようです。
この内容でいくと私はステージ2になるのでしょか?
MR CT検査によって腫瘍の大きさが違うようで、どれが本当の大きさなのでしょうか?
術後 サブタイプは田澤先生から見てどのタイプになるでしょうか?
抗がん剤は抵抗があります。
質問ばかりですが よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「この内容でいくと私はステージ2になるのでしょか?」
⇒ステージは(術前の)「画像診断でのステージ」と(手術後、病理結果が出てからの)「病理学的ステージ(こちらが本物のステージ)」があります。

 質問者は術前なので前者となりますが、MRIで22mm CTで26mmなので、c(clinical)
T2, cN0, cStage2Aとなります。

「MR CT検査によって腫瘍の大きさが違うようで、どれが本当の大きさなのでしょうか?」
⇒画像診断に「本当」はありません。(あくまでも参考なのです)

「術後 サブタイプは田澤先生から見てどのタイプになるでしょうか?」
⇒ 以下、前回のコピペ

⇒「MIB-1:30%」はグレーゾーンです。ただし術後の「手術標本でのKi67(MIB-1)」をまずは確認しましょう。(それでもグレーゾーンならばOncotypeDXしましょう)