土曜日手術枠の増設
これが私に与えた影響は(思ってた以上に)大きい。
これで(手術待ちが、解消されて)より多くの方の期待に応えられる。
やはり癌と診断されて(私の感覚では)1か月半以上は長すぎる。(おそらく患者さん自身は「もっと短く!」だと思います)
それに十分応えられる! 無論、それが一番
ただ、このことで自分がいかに手術が好きなのか(自分自身が)気づかされました。
そう、『手術がしたいです』(ワクワクする。そんな感じです)
三井寿の、あの『バスケがしたいです』
そんな有名なセリフと重なるとか、重ならないとか…
そして、私が手術すべき理由を実際に手術した後に「いろいろ」感じています。
その1例)
つい先日(かなり近々です)、他院で術前組織診で「非浸潤がん」→当院で手術した患者さん
術前組織診で非浸潤がん(たとえ、手術標本で最終的に浸潤がんとなる可能性があるとしても)だと、(センチネルリンパ節生検は無論しますが)「おそらく陰性となるだろう」 術前の想定はそうなります。
実際に術前エコーでも「生検しているから、反応性かな?」程度で術前画像診断は 「0期~1期」でした。
それが蓋を開けてみると…
まず「センチネルリンパ節生検陽性(macrometastasis positive)」
これだけでも(結構)意外だな。と感じながらの「追加郭清」だったのですが…
通常は(センチネルリンパ節生検陽性からの郭清は)「腋窩郭清(レベル1+2)」となります。
♯それはレベル2に転移を疑う(術中)所見があることは殆どないからです。
ところが、(術前画像所見とは全く乖離して)レベル2にも明らかに転移所見(硬く蝕知)これが「小胸筋奥(レベル3=鎖骨下リンパ節)まで続いていた」のです!
◎おそらくセンチネルリンパ節生検(の結果も)陰性だろうという予想に反し、腋窩郭清の追加どころか「鎖骨下郭清まで必要な事態」となったのです。
この事態、ほかの医師だったら…
「鎖骨下リンパ節転移を術中に疑っても腋窩までしか郭清できない(鎖骨下郭清ができない)」医師だと、(最近では)管理番号13179「ステージ3 リンパ節転移の取り残し」のケースのようになってしまいます。
♯実際にこの方は受診されて私がエコーで見ましたが「複数のリンパ節転移の取り残し(レベル3どころか2にも)」を確認しています。
私は、(鎖骨下まで転移しているなんて…)とかなり意外に感じながらも、(私にとっては、全く普通に躊躇することなく)小胸筋にテーピングして引っ張り出し(その奥にある)鎖骨下リンパ節を綺麗にとりました。
↑
この「鎖骨下郭清」自体は(計測しているわけではありませんが)おそらく「15分程度」です。
『たかが15分。されど15分』
あなたの「その」手術
本当に(術前画像所見どおり)センチネルリンパ節生検だけで終わるのか?
もしも「腋窩郭清が必要となった場合に」その目の前の医師にそれを託せるのか?(鎖骨下リンパ節まで転移の可能性があったら、その医師は躊躇なくそれができるのか?)
その視点が重要であり、そのために私の土曜日手術枠増設は貢献できるのです。
