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母(70歳)の左胸のしこりについて

[管理番号:7818]
性別:女性
年齢:70歳
病名:
症状:胸のしこり(球体と紐状)

母の症状について質問したくメール致しました。

母から聞いた範囲の曖昧な情報で、判断が難しいとも思いますが宜しくお願い致します。

母は2年前くらいの乳がん検診で引っかかり、乳腺外科を受診しました。

左胸に7mmの腫瘤があり、細胞診をしたところ「良性」とのことでした。

(細胞診なのか針生検だったのかは不明)

その後、6ヵ月ごとの経過観察をしており、最後に診察を受けたのは昨年12月です。

(毎回、触診・エコー・マンモ)
その際、変化が見られないので、次回から1年おきでよいということになりました。

一昨日、母が左胸に大きなしこりがあることに気づいたそうです。

乳頭の下外側に、3cm大はありそうな球体の硬いころころしたものと、
同じく乳頭下から左脇に向かって横向きに紐状の硬いものがありました。

自己チェックをしておらず、いつからできたのかは分からないとのこと。

突っ張り感や痛み、へこみ、赤み等の他の症状はありません。

関係あるか分りませんが、母は40代のときに子宮筋腫で子宮全摘しています。

大変不安に思い、週明けの今日今までかかっていた病院に電話したところ、
予約が早くて2週間後しか空いていないということでした。

母は心配でその間に悪化して取り返しがつかなくならないか聞いたそうですが、
「それはなんとも言えません」との言葉で取り付く島もなく不安が増してしまいました。

そこでお聞きしたいのは、以下の2点です。

① 2週間待つべきか、もっと早く診てもらえる病院を探すべきか?
② しこりについてどのような可能性があるか?

こちらで過去のQ&Aを拝見し、紐状のものはモンドール病か?
急激に大きくなるしこりは葉状腫瘍か?など素人としては思ったのですが、
他の良性腫瘍も、高齢者には少ないようで不安が募るばかりです。

お忙しいところ恐縮ですが、宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず重要な視点は
1.70歳で新たにできる腫瘍は「悪性」を強く疑う。
 ★2年前から病院でエコーしていたわけだから、「昨年12月には無かった」ことがほぼ確実です(検診を受けたことが無い人とはここが決定的に違います)

2.悪性(悪性葉状腫瘍も含む)を強く疑う以上、2週間待つべきではない。

「① 2週間待つべきか、もっと早く診てもらえる病院を探すべきか?」
⇒無論「後者」です。
 

「② しこりについてどのような可能性があるか?」
⇒上記コメント通り…

 まずは「悪性」を強く疑います。
 そして頻度からは癌>>(悪性など)葉状腫瘍 となります。

★どちらにお住まいか解りませんが…
 「生検希望メール」してもらえば、(生検までの)「日数は一番早くて、診断は確実」です。
  ただし、諸事情がおありでしょうから、強く勧めているわけではありません。

「確定診断(生検)」メールはこちらをクリックしてください。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

pN2での抗がん剤適用について
性別:女性
年齢:70歳
病名:乳癌
症状:

田澤先生、おはようございます。
11月に母の手術をして頂いた者です。
不安に押しつぶされそうな中、乳がんプラザに辿り着き、大切な初期治療を田澤先生にして頂けた
ことが、母や家族の大きな支えとなりました。
心より感謝しております。
そして今後
とも宜しくお願いいたします。

さて、今月に入り術後の病理結果が出て、治療もスタートしたところで、前回の質問からの経過をここを訪れる皆さんにご報告・共有させて頂くつもりでおりましたが、
その前に先生にお聞きしたいことが出てきてしまい、先に質問をお許し下さい。

(前回質問からの結果報告は別途年内目途にさせて頂きます)

術後の病理診断等、以下の通りです。

—————————————–
浸潤性乳管癌
pT2(22mm)、pN2(8/13)、ステージⅢa
ER(陽性)/ PgR(陽性)
HER2(陰性)
Ki67 30%(グレーゾーン)
HG:2  NG:3

上記病理結果より、OncotypeDXを依頼中。

現在ホルモン療法開始、放射線も開始予定。

—————————————–

リンパ節転移の多さと抗がん剤適用の考え方について、頭の中がまとまらずにいます。

今はリンパ節転移=抗がん剤の時代から、リンパ節転移≠抗がん剤の時代への過渡期にあり、特にリンパ節転移4個以上については、エビデンスが確固たるものになっていないもののOncotypeDXの結果には一定の信頼性が認められていると理解していました。

その上でOncotypeDXを依頼したのですが、こちらのQ&Aやネット上の医師の発言を見ると、ルミナールAかBか問わず、リンパ節転移4個以上であれば抗がん剤を勧める医師が
現状多いようで、NCCNのガイドラインでも化学療法→内分泌療法がカテゴリー1となっており、もし低リスクの結果が出ても、抗がん剤をしない選択をすることは怖いなと思ってしまいます。

自分自身のことであれば、積極的に抗がん剤治療を受けただろうと思うのですが、母とは体力も抗がん剤に対する抵抗感も違いますし、家族の心境としては非常に複雑です。
今後データが積み重なっていく中で、もしN2以上のケースでOncotypeの信頼性を裏付ける結果が出なかったら…と思うと、今行う一つの判断が母の予後を大きく変えてしまうかもしれないという怖さを強く感じてしまいます。

そんな中、今日アップされた田澤先生の[管理番号:8137]での回答で、『私はpN2以上(リンパ節転移4個以上)では(現時点では)「リンパ節転移4個以上だから抗がん剤しなくてはいけない」という考え方に対しては肯定はしませんが否定はしきれない。』とおっしゃっているのが気になりました。
「否定しきれない」というのは、エビデンスの不確実性という点なのでしょうか。
この点について、もう少し詳しくお聞きしたいです。
OncotypeDXの結果で低リスクと出ても、現時点では「抗がん剤の上乗せなし」と言い切るには躊躇する状況なのでしょうか。

またOncotypeDXの結果、高リスクで抗がん剤適用となった場合、以下の2つの情報を目にし、不安の種になっています。
細かい質問で恐縮ですが、母が望むように、私も母にはまだまだずっと長生きしてほしいと思っているので、できる限り後悔のない選択をできるよう疑問をクリアにしておきたいと思います。

① 「乳がん患者で化学療法の開始が遅れると全生存が低下」

<リンクURL省略>

「手術から91日以降に化学療法を開始した場合、5年以内に死亡する可能性が34%上昇した。
TNBC患者にかぎれば53%の上昇だった。」という研究結果です。
これと矛盾するような「ホルモン受容体陽性患者あるいはHER2陽性患者では、治療開始遅延による有意な影響はみられなかった。」との記載もあり、よく分かりません。

母の場合、年末年始があるので放射線が年明けスタートとなったため、抗がん剤適用となった場合は、術後91日以降になることは確実です。

この情報の信頼性はどの程度のものなのでしょうか。
抗がん剤が術後4ヵ月後以降となっても、主治療であるホルモン療法を先行しているので問題なしと考えて大丈夫でしょうか。

② 「ホルモン療法は、腫瘍の化学療法感受性を低下させることが知られている」

<リンクURL省略>

上記の記事内にさらっと書かれたこの文言が引っかかりました。
ホルモン療法を先行することで、抗がん剤の効果が多少なりとも落ちるというエビデンスがあるのでしょうか?

以上、まとまりのない長文となり失礼しました。
宜しくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「「否定しきれない」というのは、エビデンスの不確実性という点なのでしょうか。
この点について、もう少し詳しくお聞きしたいです。

OncotypeDXの結果で低リスクと出ても、現時点では「抗がん剤の上乗せなし」と言い切るには躊躇する状況なのでしょうか。」
→単純に…

 『今週のコラム 189回目 「リンパ節転移があれば抗がん剤をすべき」という古い考えが完全否定される日も近いのです。』に記載したとおりです。(あくまでもエビデンスがあるのはpN1なのです。)
 
 ★ただ、今週のコラム190回目にも出したように、①「リンパ節転移とRSは無関係(リンパ節転移を起こしたとしてもRSには変化はない≒抗がん剤の感受性には変化がない)」と②「リンパ節転移無、もしくはpN1ではRSと化学療法感受性は相関している」から、
  3段論法として『pN2でもRSと化学療法感受性は相関しているのではないか?』と考えても決しておかしくはないでしょう。

今週のコラム 190回目 RSを用いれば、(今まで「リンパ節転移が陽性だから」という理由で抗がん剤治療されてきた)かなりの数の患者さんを無駄な抗がん剤から解放できるのである

  だから、私は「pN2だから(Ki値やOncotypeDXにかかわらず、抗がん剤をする」という考え方は「現時点では」否定できない=抗がん剤に積極的な人には勧める。
  ただし、「本当に(抗がん剤に)意味があるのか?」自分を納得させる手段があるのであれば、それを行ってから(納得して)抗がん剤をするのか?決断したい。という人にはOncotypeDXを勧めているのです。
  
  〇質問者は後者だったのです。

「抗がん剤が術後4ヵ月後以降となっても、主治療であるホルモン療法を先行しているので問題なしと考えて大丈夫でしょうか。」
→勿論、その通りです。

「抗がん剤の効果が多少なりとも落ちるというエビデンスがあるのでしょうか?」
→エビデンスレベルは高くありません。
 気にする必要はありません。

 
 


 

質問者様から 【結果3 】

感謝を込めてのご報告
性別:女性
年齢:70歳
病名:浸潤性乳管癌
田澤先生の診察:[診察あり]
田澤先生の手術:[手術あり]

「がんかもしれない」という恐怖に襲われながら、情報収集する中で辿り着いた乳がんプラザ。思い切って質問を投稿した日から3ヵ月が経ちました。怒涛の3ヵ月でした。年が暮れる前に、今日までの経過をご報告させて頂きます。何の知識も持ち合わせていなかった私にとって、乳がんプラザの存在はとても大きいものでした。私たち家族の体験が、これからここを訪れる誰かの参考になれば幸いです。

● 江戸川病院に決めたこと
病院を選び、一度レールの上を走り始めると、途中で乗り換える決断をすることは容易ではないと思うので慎重になりました。江戸川病院は自宅から片道2時間かかる為、両親の体力を考え最初は少し悩みました。しかしがんであった場合、まずは「確実な診断」と「確実な手術」をと考えたとき、乳がんプラザを読み進めるうちに田澤先生しかいないと確信するに至りました。

地元の大病院となると誰が執刀するかも分からない、チーム医療だと執刀医の正確な経験値を測る術もない、大切な家族の命を預けるのに相応しいとは思えませんでした。ネット上に乗る数字や、限られた診察時間でのやり取りだけでは知り得ない患者にとって必要な情報(知識だけでなく、医師としての考えや方針、術技、経験、人柄など)を授けてくれた乳がんプラザは、「最大限の確信を持って医師を選べた」という、治療を受ける上で土台となる大きな安心感を与えてくれました。

● 診断~手術まで
最初のQ&Aで確定診断メールのご案内を頂いてから、診断申込をし、田澤先生に手術して頂きました。以下の経緯で最初の診察から1ヵ月以内での手術となりました。

10月初旬 診察・CELERO生検
 ↓ この間、①MRI検査 ②術前検査 ③手術説明及び入院案内の計3回通院
11月初旬 手術(3泊4日入院)
12月初旬 術後病理結果・治療方針決定

エコー画像からがん確定(腫瘍径1.9cm、リンパ節転移あり)との診断。生検結果を待つ間にMRI等の検査を同時進行で進めましょうと言われ、後日秘書の方からMRIの予約案内(ほぼ1ヵ月後の日程)の電話を頂き予約しました。

手術日はMRI検査を受けてから決めると言われていたのですが、MRIが思っていたより先の日程であったこと・そこからの手術待機期間を考えると、その間に進行しないか不安が増しました。できるだけ早く手術日を押さえておきたいとの気持ちが高まり、思い切って「手術申込メール」を送ったところ、最短スケジュールでMRIや術前検査、手術までの日程を組んで下さいました(手術までの通院回数が多いのは、そのためです)。不安な気持ちを汲み取って対応して頂けたことに感謝しかありません。

<術式:全摘・リンパ節郭清(レベルⅡまで)>
MRIで腫瘍は限局していたが、離れたところにもう1つ腫瘍があり(これが前医で経過観察していたしこりと思われるが、前医の良性診断を鵜呑みにできない)全摘を勧められました。局所再発リスクや再発した場合の再手術を避けたい気持ちから全摘にしようと話し合っていたこともあり、全摘に決定。リンパ節はエコー上、レベルⅠに3つあり、レベルⅡまでの郭清となりました。

● 入院中の癒し
「江戸川病院の楽しみ方」をご紹介下さった[管理番号:919 江戸川病院へのエール]を読み、参考にさせて頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。屋上には絶対行ってみようと思っていたのですが、秋晴れの中、太陽の光をたっぷり浴びて深呼吸!キラキラ光る江戸川の景色に大変癒されました。

屋上から見えた、江戸川病院の隣にあるお寺が気になり調べてみると、「善養寺」という寺院でした。ちょうど菊花展が開催されており、手術日当日に立ち寄り、父と参拝しました。「影向のマツ」という国の天然記念物があり、横に大きく枝を伸ばしたその姿は見事で一見の価値ありです。ゆっくりと境内を歩いてお参りし、緊張した心がすーっと落ち着きました。母も退院した足でお礼参りに伺いました。もしお時間があれば足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

● 術後の経過
手術直後の痛みを10とすると退院時7、術後2ヶ月弱の現在3くらい。噂の腕上げは、入院中には耳に付くまでは上がらなかったようですが、退院後もらったペーパー通りリハビリをし、現在は上がるようになっています。

母は痛みや傷に非常に弱い性質で、退院後は傷の痛みに加え、帯状疱疹になってしまい、そのダブルの痛みで気持ちも弱ってしまったようです。また、傷痕は縦の傷と垂直方向にしわがたくさん寄っていて、自分だけなのかと落ち込み、傷も直視できずにいたようです。聞けばこのしわも切られた傷だと思っていたらしく、それを聞いたこちらがその勘違いに驚きました(笑)。同じような経験談をネットで探しては、こんな人もいたよ、痛みも傷跡も日にち薬だよと伝えています。今後も一緒にケアの方法を考えながら寄り添っていきたいと思っています。

● 病理結果について
術前にサブタイプの結果が出ず、術後1ヵ月の診察の際に術後病理検査の結果と合わせて、初めてサブタイプを伝えられました。
————————————
浸潤性乳管癌(硬癌)
pT2(22mm)、pN2(8/13)、ステージⅢa
ER(陽性)/ PgR(陽性)
HER2(2+ → FISHで陰性)
Ki67 30%(グレーゾーン)
HG:2  NG:3
————————————
祈りは通じず、転移の数の多さに本人も家族も大変ショックを受けました。しかし、ようやく色々なデータが出揃ったことで、分からないことからくる不安から解放され、やっと少しすっきりして前向きになれたような気もします。この結果を受けて術後補助療法については、リンパ節転移の数とサブタイプから放射線治療とホルモン療法は決定。抗がん剤については、田澤先生から以下の選択肢を提示されました。

① (年齢を考慮して)やらない
② OncotypeDXをやる
③ (積極的に)やる

これについては、前回の質問に書いた通り②を選択し、放射線・ホルモン療法を先行して行うことになりました。抗がん剤はやることになるんだろうなと漠然と思っていたのですが、病理結果に決定的な根拠がなく、自分たちの意思で決めるしかなく、非常に難しく苦しい選択でした。まずはオンコの結果を待ちたいと思います。

また、経過観察していたしこりについて、前医の診断が正しかったのか不信感が募っていたのですが、これは良性であったことが分かり、小さな後悔のトゲが取れたようで少しほっとしました。

● 田澤先生の印象
実際に会った田澤先生は、「あらゆることにおいてムダがない」という、乳がんプラザで受けた印象通りの先生でした。以前ブログで紹介された患者さんの感想に、「第一印象は正直、あまり良いものではありませんでした」とあって笑ってしまったのですが、乳がんプラザを知らずに近くに住んでいるからというような理由で来院された方は、そんな印象を持つかもしれないと納得。

こんな風に書くと、事務的で冷たい印象のように伝わってしまうかもしれませんが、決してそうではありません。たどたどしい質問も最後まで耳を澄ませて聞いて、丁寧に答えて下さる誠実な姿勢に安心感を覚えました。そして患者を不安にさせるような物言いをしないということは、とにかく精神面で折れてしまわないようにサポートしたいと思っている家族としても、絶対的な安心感・信頼感を持っています。

「ムダがない」というのは、会話においてもそうであり、病院で緊張してしまうタイプの母は、元来おしゃべり好きのおばちゃんなのですが、先生の前では委縮してしょんぼりしてしまうこともあったようです。ただ、乳がんプラザを熟読した私は知っているのです!笑顔など想像できない(失礼?!)田澤先生が、radikoを聴いて笑っていることも、昭和炸裂の冗談を言うことも・・・(同世代の私には全て伝わります!)。そんな話をすると、母の緊張もほぐれるようです。もしかしたら、コラムにプライベートなネタをはさむのも、先生なりの狙いがあるのかもしれません(考えすぎ?)。そして何より、乳がんプラザを読めば、先生の言動の裏にある意図もよく理解できる(気がする)のです。

● 不安の対処と乳がんプラザの使い方
私は家族という立場でしたが、ネガティブで心配性な性格で、色々調べては逞しい想像力を働かせて不安の沼に沈みこみ、体調を崩したりもしました。そこで、闇雲に情報を探すのはやめ、以下のことを心がけました。

・ 確定したことにだけ対処する(確定しないことに「もし」の想定・想像はしない)
・ 自分でコントロールできないことは考えない(想像しだしたら考えを遮断する)

まずは乳がんについての基本的な知識をガイドライン等で押さえ、情報を整理。各検査の目的、各検査で分かること、手術までのタイムスケジュール、術後の補助療法などについて、ノートに表やフローチャートの形でまとめました。自分たちがいる位置、結果によって判明すること、判断することが整理され、心が落ち着きました。この際、先生のコラムやブログ、タブになっている基本情報が非常に役立ちました。Q&Aは見ているうちに、不確実なことへの不安や想像を掻き立てて精神的に不安定になったので、ランダムに見るのはやめました。(病理の結果が出てから、同じ状況の方の投稿をキーワード検索で利用するようにしました)

※ Q&Aへのリクエスト
可能であれば投稿日等の日付情報があると助かります。時間の経過と共に新しいエビデンス等により先生の回答にも変化がみられますが、キーワード検索したときに、何時時点の情報に基づいた回答か一発で確認できるといいなと思います。

以上、恐ろしく長文となってしまい申し訳ありません。「がんかもしれない」と思った日からの不安、「がんと確定」したその日から、「がんがある」という事実が突き付ける恐怖や苦しみは、あえて語るまでもなく、ここを訪れる皆さんと同じだったと思います。そんな私たちの声全てに答えてくれる現役医師がいることは、いまだに信じられないような気持ちです。田澤先生を心から尊敬しています。今年もあと3日。先生も、秘書の方も、ここを訪れる皆さんも、どうぞよいお年をお迎え下さいませ。

<Q&A結果>

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

抗がん剤投与量について
性別:女性
年齢:70歳
病名:
症状:
投稿日:2020年2月26日

田澤先生、こんにちは。

母がお世話になっております。

昨日、EC療法の初回投与を受けました。

投与量について疑問があり、質問させて頂きました。

EC療法の標準投与量は、ガイドラインや過去のQ&Aでの回答から以下と理解しておりました。

 エピルビシン:90mg/㎡
 エンドキサン:600mg/㎡

母の身長:153.5cm、体重:57kgから体表面積は「1.54㎡(デュポア式)」となるでしょうか。

これが正しいとすると、実際の投与量は以下の計算になるのかなと思います。

 エピルビシン:90×1.54=138.6mg
 エンドキサン:600×1.54=924mg

ところが帰宅後に何気なく「診療明細書」を確認したところ、それぞれ以下の記載でした。

 エピルビシン塩酸塩注射用50mg 2瓶
 エピルビシン塩酸塩注射用10mg 1瓶
 
  → エピルビシン110mg(上記計算では138.6mg)

 注射用エンドキサン500mg 1瓶
 注射用エンドキサン100mg 2瓶

  → エンドキサン700mg(上記計算では924mg)

この診療明細書の数字=実際の投与量であれば、RDIが85%を大きく下回っていて心配です。

先生から減量などの話はなかったので、当然標準量の投与を予定していると思っておりました。

当日は、化学療法センターで手術前から現在は体重が大きく変動していることを指摘し、
急遽、用意されていた抗がん剤が減量となり、再準備して頂いた経緯もあり不安になってしまいました。

私の理解が間違っているのか、診療明細書の問題なのか分からないのですが、
母にとっては抗がん剤をやるという重い決断をして臨んでいるので、疑問をクリアにしたく、宜しくお願いします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

質問者の理解は正しいです。

私の予想では(正規投与量の)80%として、その端数を切り捨てしているようです。
70歳以上は「8割投与」という方針なのかもしれませんね。(主治医に真意を確認してみましょう)