[管理番号:7802]
性別:女性
年齢:41歳
病名:左乳ガン
症状:右脇のしこり
左乳癌、トリプルネガティブ、ステージ3Cで、術前化学療法後に手術しました。
その後、左鎖骨上・下、胸骨傍リンパ節に放射線治療をしました。
5月に治療を終えたばかりです。
9月再診のエコーで右脇の腫れを指摘され、細胞針をしました。
治療が終わって4ヶ月しか経っていないのに転移かと思うと、不安でたまりません。
先生の経験上、転移の可能性が高いでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「先生の経験上、転移の可能性が高いでしょうか?」
⇒対側の腋窩リンパ節転移のことですね?
それは、普通はありません。(右と左は天と地ほど離れているからです)
ただし、(皮膚浸潤もしくは、皮下リンパ管侵襲が高度の)癌だと、皮下リンパ管を通って「対側の乳腺及びリンパ節に転移(この場合は遠隔転移ではなく、リンパ行性転移です)」することが、「極々稀」にあります。
質問者様から 【質問2 】
右脇のしこり
性別:女性
年齢:41歳
病名:左乳ガン、副乳癌
症状:右脇のしこり、皮膚発赤
左から右脇への転移は天と地ほど遠いと言われて安心していましたが、残念ながら細胞針で癌細細胞がでました。
右乳房にしこりがありますが、画像上悪そうでないけど一応細胞針をされました。
そして、petCTをすることになりました。
気になることは手術した左胸皮膚・脇に発赤が出始めて、主治医も気になると言っていました。
左からの再発、仮に全身のリンパに転移がなく、右脇だけとしたら、先生はどんな治療をしますか?また、右脇以外のリンパにも転移していたら、どのような治療をしますか?術前にEC療法、パクリタキセルをしました。
治療終わったばかりの転移でショックでたまりません。
もう長くはないのではと恐怖です。
宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
どうやら、前回の回答の(以下)
『ただし、(皮膚浸潤もしくは、皮下リンパ管侵襲が高度の)癌だと、皮下リンパ管を通って「対側の乳腺及びリンパ節に転移(この場合は遠隔転移ではなく、リンパ行性転移です)」することが、「極々稀」にあります。』ということみたいですね。
お気持ち、お察しします。
「気になることは手術した左胸皮膚・脇に発赤が出始めて、主治医も気になる」
⇒これが上記「皮膚、皮下を通った」転移経路ではないかと推測します。(実際に見ていないので推測ですが)
「左からの再発、仮に全身のリンパに転移がなく、右脇だけとしたら、先生はどんな治療をしますか?」
⇒右腋窩(鎖骨下もすべき)郭清します。
ただ、対側転移は「対側乳腺」を通っているので、(乳腺内にすでにシコリを形成、もしくは今後形成するリスクが高い)と考え「右乳房全摘+右腋窩郭清(この場合には腋窩鎖骨下郭清とした方がベターでしょう)」としてもいいとは思います。
★実際に最近あったケースでは手術標本で病理検索したら「小さな癌」が見つかりました。
無論、その「小さな癌」が腋窩転移を起こしたわけではなく、やはり「乳腺内(正確に言うと皮膚、皮下)」を通って(対側)転移したケースと言えます。
「★また、右脇以外のリンパにも転移していたら、どのような治療をしますか?術前にEC療法、パクリタキセルをしました。」
⇒リンパ節ならば…
腋窩鎖骨下郭清した後に、放射線で直接狙います。
★リンパ節転移は基本 「局所治療(手術で切る部位は手術、そうでなければ放射線で直接狙う)」⇒(その後に)「全身療法(抗がん剤) 因みにBRACAnalysisはやってますか?」となります。
もしもPETで他の臓器に見つかったら(縁起ではありませんが、過程として)
⇒「全身治療」⇒「局所治療」の順番とします。
質問者様から 【質問3 】
右脇のしこり
性別:女性
年齢:41歳
病名:左乳ガン、副乳癌
症状:右脇のしこり、皮膚発赤
1週間経っていないのに、質問して申し訳ありません。
まだpetCTの結果も出ていないし、今後の治療方針も決まっていませんが、先生にセカンドオピニオンするとしたら、どれくらい待つことになりますか?
先生からの返事で先生に診てもらいたいという気持ちが大きくなりました。
四次元放射線治療があると聞きましたが、
普通の放射線治療の所を四次元放射線治療に替えたらどうなのでしょうか?あと、陽子線治療はどうなのでしょうか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「先生にセカンドオピニオンするとしたら、どれくらい待つことになりますか?」
⇒それは私の権限ではないので、即答はできませんが。10月中には大丈夫では?
「四次元放射線治療があると聞きましたが、普通の放射線治療の所を四次元放射線治療に替えたらどうなのでしょうか?あと、陽子線治療はどうなのでしょうか?」
⇒どこに照射?
前回回答したように…
局所療法として「手術で切る部位は手術すべき」だし、「手術できない部位には照射も検討(特にリンパ節の場合には感受性が高いので)」となります。
その場合には普通にトモセラピーがいいでしょう。
★陽子線は通常の治療が出来ない際に、選択するものです。
質問者様から 【質問4 】
右脇のしこり
性別:女性
年齢:41歳
病名:左乳ガン、副乳癌
症状:右脇のしこり、皮膚発赤
petCTの結果、右脇リンパ以外にも手術した左鎖骨下、新たに上縦隔リンパに転移がありました。
臓器には転移がなくホッとしています。
左鎖骨下、縦隔には術後放射線をあてているため、あてれないと言われました。
治療としては、エリブリンをすると言われ、手術はしないとのことでした。
右乳房のしこりは乳腺炎で、右脇リンパは左からの転移と思われます。
左の皮膚のただれが仮に皮膚転移だとしても、治療として何もないからあえて生検して調べなくてもいいとのことでした。
以上が結果ですが、先生なら治療として以前にも回答されていたように、右脇、右鎖骨下までのリンパ郭清をされますか?
抗がん剤の第一選択は何でしょうか?ちなみにバルカの検査はしていて、マイナスでした。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「右腋窩、左鎖骨下、上縦隔、左皮膚の爛れ」
⇒一番気になるのは「左皮膚の爛れ」です。
これは、制御できないと最もQOLを損なう原因となります。
その意味で「左皮膚の爛れ」が手術できない状況なのであれば、まずは主治医の言うように全身療法(eribulinはいい選択だと思います)⇒局所療法(左胸壁切除+右腋窩郭清)がいいように思います。
質問者様から 【結果5 】
右脇しこり
性別:女性
年齢:41歳
病名:左乳癌 、副乳癌、多発リンパ節転移
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
回答ありがとうございました。私も皮膚の爛れは気になります。私自身は手術可能と思いますが、主治医は皮膚の爛れはそのまま、手術の選択はないと言われています。
私自身、手術出来るならしてほしいと思いがあるので、先生のセカンドオピニオンを予約しました。
その時はどうぞ宜しくお願いします。
<Q&A結果>
質問者様から 【質問6 】
皮膚転移
性別:女性
年齢:41歳
病名:左乳ガン、副乳癌
症状:右脇のしこり、皮膚発赤
先日、セカンドオピニオンさせていただきました。
先生の今がターニングポイントというお言葉が胸に突き刺さっています。
そして、局所の延長という表現にすごく救われた思いで一杯です。
二度とやりたくないと思ったEC療法をしようと気持ちが奮い立ちました。
エピルビシンは残念ながら、効果が期待出来ていないように感じます。
皮疹が広がりつつあり、主治医にEC療法を申し出ました。
その日はエピルビシンの副作用で白血球が1100まで下がっており、治療は出来ませんでした。
日に日に広がりつつある皮疹を目の前に思うように治療が出来ないことが歯がゆく、もし遠隔転移でもしたらと不安でたまりません。
EC療法の効果を願うばかりです。
EC療法の効果がないと判断するには何回様子をみた方がいいですか?皮疹が小さくなり、手術をしてもらいたいです。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「エピルビシンは残念ながら、効果が期待出来ていないように感じます」
⇒eribulinの間違いですね?
「EC療法の効果がないと判断するには何回様子をみた方がいいですか?」
⇒2回が限度ですね。
効果がなければ(セカンドでもお話ししたように)bevacizumab + paclitaxelがいいと思います。
質問者様から 【質問7 】
皮膚転移
性別:女性
年齢:41歳
病名:左乳ガン、副乳癌
症状:右脇のしこり、皮膚転移
現在、1回目のEC療法後でもうすぐ2回目をする予定です。
転移した右脇しこりが小さくなっている感じがしますが(エコーで確認はしていません。2回目前にする予定です)皮膚転移の部分は発赤が広がっています。
この場合、効果をどう判断されますか?
エコーでもしこりが小さくなっていることが確認されたら、ECを続けてもいいのでしょうか?
しこりは小さくなって、皮膚には効果がないことってあるのでしょうか?
癌の性質が変わったということはないのでしょうか?
皮膚転移する確率は骨、肝臓などに比べると低く、転移したらQOLにも関わるやっかいなものということでたまりません。
まだ皮膚転移が小さいときに手術をしてもらいたかった、これ以上広がる前に手術をと思ってしまいます。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
「現在、1回目のEC療法後でもうすぐ2回目をする予定」
→評価には少し早いような…
2回目終了後の、3回目に改善するのか?が評価基準だとは思います。