[管理番号:3185]
性別:女性
年齢:26歳
右にしこり2.2センチを6/(中旬)手術をし、今は結果待ちです。
一次結果報告では、非浸潤性を否定できないと書いてありました。
更に免疫染色を加えて最終報告を待っている状況です。
質問なのですが、もし非浸潤性になった場合全摘しなきゃいけないのでしょうか?
手術方法は、しこりのみ取りその周りの細胞は取っていないそうです。
私の知り合いの人はしこり+周りにガンがあるかもしれないから予備?に周りの細胞も取ったそうです。
私と違う方法なのですごく不安です。
また、左の乳首の周りに2つしこりらしきものがあります。
1つは、4.4㎜。
1つは7.8㎜です。
小さい方はおそらく水だろうと点滴注射?みたいので抜き検査に回し報告待ちです。
(6/(下旬)実施)
もう一方はしこりかどうか境界がはっきりできないと言われ経過観察になりました。
7.8㎜もあるのに不明とかありえるのでしょうか?
自分でも2つの物は触ってわかります。
のう胞は抜いたら無くならないんでしょうか?
左右の胸が不安すぎてどうにかなりそうです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「質問なのですが、もし非浸潤性になった場合全摘しなきゃいけないのでしょうか?
手術方法は、しこりのみ取りその周りの細胞は取っていないそうです。」
⇒「しこりのみ取り」という表現からは、質問者が行った手術は「外科的生検(しこりのみ摘出して、病理診断を確定させる手術)」のようです。
「外科的生検」して「癌(非浸潤癌でも浸潤癌であっても)」となれば、そのままではいけません。
(全摘は不要までも)「2cmマージンをつけるような追加切除」が必要となります。
「7.8㎜もあるのに不明とかありえるのでしょうか?自分でも2つの物は触ってわかります。」
⇒触って解るような「8mm」であれば、「針生検すべき」と思います。
ただし、26歳と言う年齢ならば癌の可能性は低いのだと思います。
「のう胞は抜いたら無くならないんでしょうか?」
⇒サラサラの完全な液体であれば「無くなります」が、「またすぐ貯まる」こともあります。
質問者様から 【質問2】
右しこり手術の病理検査が出ましたのでお願いします。
組織学的には、浮腫状の間質が結節状に増殖して腫瘤を形成しています。
間質細胞には異型はなく、分裂像も目立ちません。
結節内にらgynecomastiaに見られるような過形成性変化を示す乳管が散見されます。
免疫組織化学結果→DCISのruleoutを目的に免疫組織化学を行いました。
p63では胞巣内の筋上皮がやや不明瞭な乳管が見られますが、ck5/6
および34BE12ではモザイク状を示しています。
良性の過形成性乳管と考えます。
病理組織診断→Fibroadenoma of the right breast see description
私のしこりは、線維腺腫ですか?
一番心配していた非浸潤性乳管癌だったのでしょうか?
要は良性の過形成性乳管ってなんでしょうか?
癌の心配はありませんか?
左右の胸が何もしなくてもズキズキと痛むのは気にしなくていいでしょうか?
p63やck5/6や34BE12って大丈夫ですか?
多くの質問申し訳ございません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
線維腺腫でしたね。
良かったです。
今回の病理所見を解説すると
線維腺腫の所見ではあるが、一部「乳管が過形成性変化」であったために、「良性の変化か?癌なのか?」鑑別のために免疫染色をしています。
免疫染色についてですが…
筋上皮マーカーであるp63は「やや不明瞭」であったようですが(正常の乳癌が染色されます)
サイトケラチン(細胞骨格の線維成分)の中で CK(サイトケラチン)5, 6, 14が「基底細胞」や「筋上皮」を認識すると考えられており、これらを組み合わせた「CK5/6(CK5,6のカクテル)」「34ベータE12(CK1,5,10,14のカクテル)」が用いられています。
つまり、これら「CK5/6」や「34ベータE12」は正常乳管を認識するので
過形成変化など「良性」であれば染色される(モザイク状になります)し、「癌」ならばこれらで染色されません。
○質問者は「これらの正常乳管を認識するマーカー(CK5/6, 34ベータE12)」が「モザイク状に染色=良性」だったということです。
「私のしこりは、線維腺腫ですか?」
⇒その通りです。
乳管上皮の一部が過形成だったので、「癌との鑑別」で「正常乳管を染色するマーカー(CK5/6や34ベータE12)で確認」したわけです。(結果は文句なしの良性)
「一番心配していた非浸潤性乳管癌だったのでしょうか?」
⇒違います。
もしも「癌」だったら「それらのマーカーは陰性(染色されなかった)」となるのです。
「要は良性の過形成性乳管ってなんでしょうか?」
⇒正に、その通りです。
「癌の心配はありませんか?」
⇒100%ありません。
「左右の胸が何もしなくてもズキズキと痛むのは気にしなくていいでしょうか?」
⇒「乳房痛は癌とは無関係」な症状です。
女性ホルモンによる刺激症状です。
ストレスが関係していそうですね。
「p63やck5/6や34BE12って大丈夫ですか?」
⇒「基底細胞や筋上皮」を認識するもので「正常乳管に存在」するものです。
これが「モザイク状に染色」されることが「良性であることの確定」となるのです。
質問者様から 【質問3】
右胸しこり結果について詳しく教えて頂きありがとうございました。
おかですっきりしました。
良性って書いてあってもなんの良性だったのか、詳しく教えて頂かなかったので不安でした。
本当に先生の説明に安心しました。
左胸のしこりでは、7月上旬に別の病院に行きエコーのみしてもらいました。
そこで質問なのですが、マンモーは絶対やらなくてはいけないのでしょうか?
今回は右胸手術したばかりだったので断念しましたが‥
今回の先生はしこり?に対し無駄に針は刺さないと言ってましたが針は刺さなくてもいいんでしょうか?
念の為左胸二つのしこりの大きさを伝えた所、大きさは関係ないと言われました。
これぐらい大丈夫だと言われ、1年後にまた来なさいと言われました。
左胸しこり4ミリの検査結果が出ましたのでお願いします。
軽度の血性背景に泡沫細胞を少数認めます。
嚢胞様病変が推定されます。
class:ツー陰性でした。
どんな症状なのでしょうか?手術したら良いですか?
8ミリの方はまだ針生検してません。
今後私はどのような検査をしたら
良いでしょうか?また経過観察でその間にガンにならないでしょうか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「そこで質問なのですが、マンモーは絶対やらなくてはいけないのでしょうか?」
⇒そんなことはありません。
質問者は20代なので、基本的には「エコーで十分」です。
マンモは「質的診断」はできないのです。(エコーこそが、質的診断なのです)
「今回の先生はしこり?に対し無駄に針は刺さないと言ってましたが針は刺さなくてもいいんでしょうか?」
⇒画像所見次第です。
「エコーで明らかに良性所見」ならば、不要です。
「軽度の血性背景に泡沫細胞を少数認めます。嚢胞様病変が推定されます。class:ツー陰性でした。どんな症状なのでしょうか?手術したら良いですか?」
⇒嚢胞は「乳管が閉塞」して「内容液が貯まった」だけの「正常乳管」です。
手術は不要です。
「8ミリの方はまだ針生検してません。今後私はどのような検査をしたら良いでしょうか?また経過観察でその間にガンにならないでしょうか?」
⇒画像上「良性と断定できる」ものだとしたら、「気にする必要は無い」のです。
担当医がいうように「1年に1回、エコーで(その他の部位も含め)チェックする」
それで十分です。(勿論癌にはなりません)