Site Overlay

鎖骨上、胸骨傍、縦隔リンパ節」再発

[管理番号:8804]
性別:女性
年齢:47歳
病名:
症状:
投稿日:2020年8月11日

 
 
*******

質問者様の別の質問

新たな管理番号としました。

質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。

管理番号:8692「再発
*******
 
 

こんにちは。

前回はこちらからのしっかりした判断材料がない質問からお答え頂きありがとうございました。

現在、ホルモン陽性の再発との最終検査結果が出たので
イブランス、フェソロデックス注によって治療をすすめて頂いてます。

お薬の効果か外側に出てる頚部の腫瘍は手で確認できる感じで小さくなっているように思え、効果が出ているように感じます。

先日の外来で自分の腫瘍箇所を改めて画像で見せて頂き胸骨の辺りのリンパに沿って胸の真ん中辺り、鎖骨、頚部にわたり、確認できるだけて11個の腫瘍があるとの事でした。

そこでおうかがいしたいのですが
そのうちの1つが局所再発の範囲(表面側)より奥、又はリンパを外れてる?のでは?との事で奥にあることと、広範囲なことで放射線治療が無理なのでは?
それと抗がん剤治療と放射線治療を同時に行うのは乳がんではない。
と言われました。

私としてはなるべく早くこれ以上広がらないように
お薬を服用しながら放射線治療も受けたいと思ってます。

田澤先生のお話でも放射線治療と仰られていたのですが
私のような腫瘍箇所だと放射線治療は無理なのでしょうか?
局所箇所より奥の場所にある腫瘍には放射線は照射できないのでしょうか?
もし、放射線治療を行った場合何かリスクなどありますか?
それと、もし放射線治療ができる場合はお薬の服用と注射でもう少し腫瘍を小さく又は数が減るまでにしてから行った方がいいのでしょうか?

ご多忙の所申し訳ございません。

少しでも早く広がりを抑えたく手遅れにならないような治療を受けたいので御教授頂きたいと思います。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

再発治療には所謂スタンダードはありません。
(画像上)「完全緩解」⇒「維持」を狙いましょう。

まずは、是非『今週のコラム 244回目 再発(再発と言われた方へ) vol.1 局所再発』『今週のコラム 245回目 再発(再発と言われた方へ)vol.2 遠隔転移再発』を熟読することをお勧めします。

(以下、引用)
「何をしても同じ」というvisionのない「消極的治療」ではなく、「病勢奏功⇒維持
⇒(その先に)根治かも?」という「積極的治療」の選択肢があるのです。

「胸骨の辺りのリンパに沿って胸の真ん中辺り」
⇒胸骨傍リンパ節

「鎖骨、頚部にわたり」
⇒鎖骨上及び頸部リンパ節

「そのうちの1つが局所再発の範囲(表面側)より奥、又はリンパを外れてる?のでは?との事」
⇒縦隔リンパ節では?

「奥にあることと、広範囲なことで放射線治療が無理なのでは?」
⇒トモセラピーなら全く問題ありません。

「それと抗がん剤治療と放射線治療を同時に行う」
⇒勿論!

 「併用」というのは「同時」併用ではなく「逐次」併用(抗がん剤⇒放射線もしくは放射線⇒抗がん剤)のことですよ!

質問者は『今週のコラム 230回目 リンパ節再発 あなたは諦めますか?』のcase.1に近いようです。
その当時(5年以上前)には分子標的薬CDK4/6阻害剤(palbociclib,
abemaciclib)は無かったので、「放射線(トモセラピー)」⇒「抗がん剤」⇒「ホルモン療法」となっていますが、
今だったら(上記の中に)CDK4/6阻害剤も加えていました。
 順番はいろいろ考えられますが

(質問者のように)現在CDK4/6阻害剤を使っているのであれば、その後「抗がん剤」⇒「放射線」⇒「ホルモン療法単独」(パターン1)
もしくは、「放射線」⇒「抗がん剤」⇒「ホルモン療法単独」(パターン2)
のどちらでもいいと思います。

★ 抗がん剤抜きで、CDK4/6阻害剤⇒「放射線」⇒「ホルモン療法単独」も
「あり」ですが、広範囲なのであれば抗がん剤も組み込むべきと思います。

「私としてはなるべく早くこれ以上広がらないようにお薬を服用しながら放射線治療も受けたいと思ってます。」
⇒勘違いに気付きましたか?

 「服用しながら」(同時併用)ではなく、上記のように「逐次併用」です。

「私のような腫瘍箇所だと放射線治療は無理なのでしょうか?」
⇒とんでもない!
 当然、考えるべきです。(あとは順番の問題です)

「局所箇所より奥の場所にある腫瘍には放射線は照射できないのでしょうか?」
⇒とんでもない!

 おそらく、それは「縦隔リンパ節」を指しているのでしょうが、「そここそ、まさに、放射線すべき部位」と言えます。

「もし、放射線治療を行った場合何かリスクなどありますか?」
⇒どんな治療にも有害事象はありますが、十分許容範囲内です。

「それと、もし放射線治療ができる場合はお薬の服用と注射でもう少し腫瘍を小さく又は数が減るまでにしてから行った方がいいのでしょうか?」
⇒順番に拘る必要はありません。(どのタイミングでも問題ありません)

★ 「あるあるQ]の71『リンパ節再発と言われたら、是非『2020年08月11日6「鎖骨上、胸骨傍、縦隔リンパ節」再発 』を参照ください。』を最後に読みましょう。