[管理番号:8050]
性別:女性
年齢:65歳
病名:
症状:
母の症状について質問です。
母は半年前ごとに検診を受けています。
今年の3月頃から数日に一回ほど乳頭分泌物があり、主治医に相談しましたがエコーで石灰化のみしか見つからなかったため、経過観察となりました。
(こちらのサイトでそれが危険だと先程拝読しました)
そして先日、血性が濃いように思え、分泌物を検査してもらったところ、悪性ではなかったとのこと。
しかし、半年前には石灰化と言われたものが、乳管内に細胞が増殖しているとのこと。
太い針で麻酔をして組織を取って検査するそうです。
12月○日に細胞をとり、その2週間後に結果がでるそうです。
3月からこんなにも経っていますので、12月まで待たねばならないのかと心配しています。
分泌物は大丈夫でも、危険なことがあるのでしょうか。
主治医には、5~30%の確率で癌なのだが、
もし良性ならそのままにしておいて良いと言われたそうです。
乳管内に増殖している細胞が、良性なんてことがあるのでしょうか?
不要な部分に増殖してしまう細胞が癌以外に良性なものであるのでしょうか。
また、細胞を取るときにがん細胞が散って転移したり、針を刺した刺激でより活発になることはないのでしょうか。
どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
診断の仕方が(その医師とは)全く異なるので、(私のやり方に)「だって、主治医は…」みたいな反論はしないようにしましょう。(回答に不満なら「黙殺」してください)
「分泌物は大丈夫でも、危険なことがあるのでしょうか。」
→そもそも「分泌液の細胞診」など、まったく無意味。(私はそもそも行いません)
(分泌液の細胞診がどうあれ)「エコーで新たな所見が出現」したというのは非常に気になります。(100%確定診断が必要)
「乳管内に増殖している細胞が、良性なんてことがあるのでしょうか?」
→完全な勘違いです。
乳管内増殖性病変としては「良性の場合には乳管内乳頭腫」があります。(悪性なら癌ですが)
ただし閉経後(65歳)で新たにできる「増殖性病変は癌を疑う必要あり」です。
(逆に言うと閉経前に、あらたにできた「増殖性病変」は良性もかなり多い)
「また、細胞を取るときにがん細胞が散って転移したり、針を刺した刺激でより活発になることはないのでしょうか。」
→その想像は不要です。
★ただ、もしも「分泌」があるならば、「その乳管系全体を切除(乳管腺葉区域切除)」したほうが確実であることは指摘しておきます。
『今週のコラム 157回目 病理結果によっていろいろなcaseがあるので、一概には言えません』をご参照ください。
分泌を伴うような乳管内病変は(同一乳管内に)多発することが多く、(その中で)エコーで見えるものだけ生検したからと言っても「他の病変(エコーでまだ見えない)も良性とは限らない」のです。
(ご参考に)