[管理番号:12564]
性別:女性
年齢:45
病名:浸潤性乳管癌(ステージⅡA) 右乳がん
症状:しこりの大きさ:4.6センチ 女性ホルモン受容体:陽性 HER2:陰性 核グレード:2 Ki67:62% PETにて、リンパ節転移、遠隔転移無し。脈管侵襲無し。生検、PET、超音波の検査は既に受けました。
投稿日:2025年03月18日
二年に一度の乳がん検診ではマンモグラフィのみを受け、異常なしでした。当時はエコーでしかうつらない癌があるとは知らず、安心しきっていました。しこりの存在に自身で気づいた時には4.6センチとサイズが大きく、気が動転してしまいました。
今勧められている治療は、①手術(全摘)→②抗がん剤(オンコタイプDX)→③放射線療法→④ホルモン薬です。
質問①:手術まで2ヶ月待ちの状況です。癌のサイズが大きいため、このまま待っていると転移が心配なのですが、転移する可能性は現状から見てどれくらいなのでしょうか。
一ヶ月前からきっかけもなくぎっくり首になったり、左肩甲骨内側から左肩関節の付け根あたりにかけて、痛みが出たり消えたりしています。現在もこの症状は続いています。PETでは転移なしとのことでしたが、転移しているのではないかと不安です。
(整形外科を受診し、MRI検査を受けたのですが、原因が不明だと言われました。)小さなサイズだとPETにはうつらないと聞いたことがあるのですが、乳がんの骨転移と何か関係があるのでしょうか。
稚拙な文章な文章で申し訳ないです。ご多忙のことと思いますが、ご回答頂けますと嬉しいです。よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
肩甲骨~鎖骨周りの痛みは極めて「典型的な」ホルモンの刺激症状です。
もともと年齢的に卵巣が不安定となっているのに加えて、(乳癌告知による)ストレスがホルモン分泌が不安定となり、かなり「しばしば」出てくる症状です。
もしも質問者が、過去のQAを1時間?位読みあせれば、「相当数の」同様の症状で「これって、転移?」と心配しているケースを見ることでしょう。
①:手術まで2ヶ月待ちの状況です。癌のサイズが大きいため、このまま待っていると転移が心配なのですが、転移する可能性は現状から見てどれくらいなのでしょうか。
⇒ほぼ(確率的に)ありません。
ご安心を。
一ヶ月前からきっかけもなくぎっくり首になったり、左肩甲骨内側から左肩関節の付け根あたりにかけて、痛みが出たり消えたりしています。
⇒冒頭に記載した通りです。
きわんて「典型的な」ホルモン刺激症状ですよ。
無駄な心配はしないようにしましょう。
現在もこの症状は続いています。PETでは転移なしとのことでしたが、転移しているのではないかと不安です
⇒違います。
(整形外科を受診し、MRI検査を受けたのですが、原因が不明だと言われました。)
小さなサイズだとPETにはうつらないと聞いたことがあるのですが、乳がんの骨転移と何か関係があるのでしょうか。
⇒100%無寒腋です。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/4/2
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質問者様から 【質問2】
放射線治療について
性別:女性
年齢:46
病名:浸潤性乳管癌(ステージⅡB) 右乳がん
症状:しこりの大きさ:右の内側に4.6センチ 女性ホルモン受容体:陽性 HER2:陰性(2+) 核グレード:2 Ki67:62%
投稿日:2025年09月28日
田澤先生、前回の質問にお答え頂きありがとうございました。先生のお言葉のおかげで、安心して手術に臨むことができました。
4月に右乳房を全摘し、6月よりTC療法(タモキシフェン、エンドキサン)を4回終了。
現在胸壁(内胸リンパ含む)、腋窩、鎖骨上窩に放射線治療中です。術後のセンチネルリンパ節生検にて2.1mmのリンパ節の転移あり。郭清はしておらず転移している個数は分かりません。オンコタイプDX再発スコアは21でした。
術前にタモキシフェンを服用し、Ki67は62%→23%に低下しました。
私は過去に別の病気によりPET、血管造影、CTを短期間に立て続けにに行っており、
また自己免疫疾患(橋本病)や喘息があることから、数%の確率で起こり得る放射線肺臓炎や肺線維症が心配です。
抗がん剤の副作用が辛く、終わったかと思えばあっという間に放射線治療が開始となり、十分勉強ができず、覚悟が持てないままTrueBeam(リニアック)で一度だけ放射線治療を受けてしまいました。田澤先生の過去の回答が頭をよぎり、トモセラピーに変えるべきか迷っています。(地方のため、県内には遠方に一カ所だけトモセラピーを受けられる病院があります)
そこで質問ですが、
◯肺への副作用を極力避けたいのですが、トモセラピーに変更した方が良いのでしょうか。
◯リニアックとトモセラピーは、それぞれどのような場合に適しているのでしょうか。
◯治療については現在主治医より術後TC療法4回、放射線治療の後、ホルモン剤服用10年とTS-1服用1年を提案していただいています。以前田澤先生のコラムでTS-1服用について拝見しましたが、腫瘍のサイズが大きい為、今後どのような治療が自分に合っているのか教えていただきたいです。
◯放射線肺臓炎は起こす方と起こさない方がいると思いますが、どういった場合に引き起こしやすいのでしょうか。また、放射線肺臓炎になった場合、治療が早期に開始されれば肺線維症を防ぐことは可能なのでしょうか。
稚拙な文章で分かりにくいと思いますが、よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
私は放射線医ではないので、簡単に記載します。
トモセラピーは360°らせん状に回転しながら標的を狙うものです。
「それが固定されている」リニアックでは不可能な方向から照射ができるので極力「照射したい部位にのみ選択的に」照射が可能です。
乳房照射の場合には(すぐ裏にある)肺にかかることによる放射線肺臓炎が(実際に)問題となりますが、実際の差について(繰り返しますが)私は放射線科医ではないので詳しいデータなど持ち合わせていません。
ただ事実として
東〇公〇病院での10年間(通常のリニアック)では年に1人くらいは放射線肺臓炎で入院していた経験が、ここ江戸川では11年を超えましたが「ただの1例もない」
(放射線科医は、人によっては「あまり変わらないよ」と言っているようですが)私にとっては、これで十分です。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/10/15
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