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今週のコラム 502回目 究極の乳腺外科医であるために 診断vol. 1

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戴き物です。

「激旨!」

スパイシー(まんまやんか)

 

 

 

 

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かなり(雨降りそうで)ギリギリ感でしたが…

オクラ+ほうれん草たちもスパイスでいい感じに美味しい。

 

セブンイレブンに「金の食パン」がなくて、こんな薄いものしか…(それが唯一残念)

最近はアルコールにリアルレモンスライス、嵌ってます。

ビール(無糖)にも、グレープフルーツ酎ハイ(無糖)にもウメ酎ハイ(無糖)にもレモンが合います。是非お試しあれ。

 

○本文

この金曜日も、放射線科N先生とコラボBNCTの第2弾を撮影してきました。(第1弾は公開されました! 第2弾の公開は少々待ちください)

手術どころか乳癌そのものから逃避して、数年後「大変なこと」に。

今までなら「自業自得(言葉はきついですが…)」でかたずけていた問題に江戸川病院にある(というか、江戸川病院にしかない)BNCTで救い上げる

今まで、私自身が蓋をしてしまっていた暗部に光をあてるような、そんなイメージです。

全国でそのような方は相当いる筈なので、その数%だけでも運命を変えたい。

そんな思いが届いてほしい。

 

と、BNCT(特にprimary tumorへの)に最近は頭と時間を割いていたわけですが、昨朝(6/14土曜日)QAを回答していて、やはり私の本業?は標準治療を究極まで極めることであり、最も重要なのは「早期発見」そのための「組織診の精度」

患者さんが、本来あった筈のチャンスを逃し(というか、チャンスそのものを踏みにじられ)、それが故に「数年後の禍」に曝されるとしたら…

 

『Q&A 浸潤性乳管癌 硬性型 術前RI検査、MRI検査と予後について 6/13 08:02』より一部抜粋

【これまでの経緯】

  • 2021/4/28健康診断エコーにより右乳房に腫瘤発見、乳腺外来を受診 超音波検査にて右乳房Careaに径5.7x3.8mmのやや抜けの悪いcystic lesion(+)conc. Cyst susp.にて穿刺吸引細胞診施行、クラス2,conc. cyst内容物の細胞診診断にて経過観察中。
  • 2025/4/28超音波にてsize up(先生からは直径11mm程と聞いています)及びborderのirreguralityができた為、caの可能性あり、穿刺吸引細胞診施行。Class IIIの細胞診断。
  • 2025/5/27 針生検 2本採取

 

 

なんと、発見から(癌の)診断まで4年かかっている!

 

 

 

 

でも、4年で「倍(5.7mm⇒11mm)」って大人しいってことじゃない?

 

 

確かに、それは幸いだと言える。

でも結局問題なのは、「それが半年だろうが1年だろうが、倍になるまではこの医師は診断しない(できない!)」とも言える。

 

 

でも、11mmでみつかったのも結構早いと言えるんじゃない?

十分な早期発見じゃん!

 

 

 

勿論!

君の言いたいことは解る。

だけど、6mmの時点で手術していれば術後無治療で「ほぼ」100%再発はないと断言できるけど(早期とはいえ)11mmとなると術後の補助療法をやった上で「2~3%位かもしれないけど」再発のリスクは存在する。

≒0%  vs  2~3%

大した違いじゃないって思うかい?

私は数々の「5mm以下」を診断してきて、やはりその違いについては明確に感じている。

究極に言えば、術後補助療法は一切必要無くそれでいて実際に「根治」と確信している。

 

パラレルワールド

もしも…このQAの患者さんが、「2021/4/28健康診断エコーにより右乳房に腫瘤発見」された際にこの乳がんプラザをみつけていたら…

(おそらく、凄く怪しいエコー所見ではなかったかもしれませんが)当然、私がCELEROして乳癌の診断がついていたわけです。(それは100%間違いありません。自分で言うのも何ですが…)

5mmの嚢胞みたいな乳癌⇒手術 術後はそれこそ「無治療」で乳癌とは永遠に「おさらば」できた。

それが(現実とは並行に存在するという)パラレルワールドなのです。

 

リアル 大門未知子が居た』

つい最近ですが、術後退院時(この方は術翌々日退院でしたが♯1)涙目で私にかけて頂いた言葉です。

♯1 退院日については(それまでの)年齢術式にかかわらず『一律2泊3日(術前日入院、術翌日退院)』だったのを2024/9 病院経営上の要請により(術式により)以下のように改正しました。

(患者さんがご希望であれば)最大入院日数

①(部分切除、全摘にかかわらず)センチネルリンパ節生検 最大5日間(4泊5日)

②   〃       腋窩郭清(腋窩鎖骨下郭清も同様) 最大8日間(7泊8日)

③ 上記以外(郭清のみ、葉状腫瘍、乳管腺葉区域切除など)最大4日間(3泊4日)

★勿論、あくまでも「希望があれば最大」という意味で(今まで通り)術翌日でもOKです

 

と、横道にそれてしまいましたが…

地元(関西)で「手術はできない」頸部リンパ節に転移があるから根治はできない。

(一生?)抗癌剤

 

頸部リンパ節と言ったって、後頚部リンパ節(posterior cervical lymph node: PC)だから、鎖骨上リンパ節(suplaclavicular lymph node:SC)の創を後ろへ(実際は外側へ)延長すれば、PCもSCも手術で取れますよ。

久しぶり?に結構手ごたえのある手術でしたが、それ故私はこの患者さんに感謝しています。

何故ならこの成功体験の積み重ねこそ、次の患者さんを救うことになるからです。

 

『リアル大門?』

乳腺外科は手術だけではありません。

やはり患者さんの予後を大きく左右する「診断」 ここにも「神は宿る」のです。

 

診断

①拾い上げ

⇒所見として拾い上げる(見逃さない)

 

ここは非常に重要

ただ、(そもそも)自分でエコーしない乳腺外科医

私が知っている限り「都内の(特に)大病院」は、全て技師エコー。再発しても(結局)主治医が全くエコーしないのには本当に呆れます。

「検診チェック」とか「シコリを自覚」だと、そもそも自分自身で「拾い上げる」という操作が無いので、実際には(術後などで無症状の定期エコーを)医師自身が行うのか?が鍵となります。

術後の定期フォローでの発見

症例1

 

今週のコラム 496回目より

術後経過観察エコー 4mmで発見

最近の手術の方ですが、(チェックしてみたら、手術病理結果がでていて)何と浸潤径「1.5mm」

術後薬物療法は要りません。根治です。

♯放射線も病変自体が小さいから省略十分ありです。

 

症例2

 

この方も対側術後、1年毎通院

6mmですが(70歳以上で)1年間で新たに出現している

IDC

 

症例3

 

扁平で一見FA様ですが…

対側術後、1年毎通院

この方も(症例2同様に)70歳以上で新たにFAは無いでしょう。

やはりIDC

 

②評価

⇒生検すべき対象として評価できるかどうか?

 

生検されずに、無駄に経過観察されてしまうかどうか?

 

 

症例1

 

この方は「1cmのシコリを自覚」して前医受診

前医では「嚢胞性?」所見として半年で経過をみられるところでしたが、心配して当院を受診。

所見は「非典型的」嚢胞のように液体が貯まっているところもあるが、「やや」不整形に見える「低エコー(つまり液体では無い部分)」が集簇している。

しかも、この部分が「まさに」患者さんが「シコリとして自覚」している部分

これ、当然生検すべきでしょ?

 

ちなみに…

画像的には「腫瘤非形成性病変」の範疇なのでMMTEで広範囲に…

とも考えましたが、ただ範囲が比較的狭いし「低エコー部分」がはっきりしているのでCELEROで複数個所(病変の全ての領域を網羅)IDCの診断となりました。

 

症例2

 

11mm 不整形 勿論IDCですが…

前医での経過 1年半前 7mm⇒1年前6mm⇒そして11mm 診断

前医は過去の画像は添付せず、「癌と診断した画像のみ」提供しているので、1年半前の7mmのエコー像は見ていませんが… (皆さん、…ですよね??)

 

 

③確定

⇒実際に生検して100%診断を確定させる

 

⇒絶対に外さないこと、「それが大事」

負けないこと♫ 投げ出さないこと♫ それが一番大事

 

 

診断の③としましたが、この「生検の精度」ここが一番のポイントと言えます。

どんなに(たとえ、それが検診での技師さんでも)せっかく拾い上げた所見を、ここで外してしまうと「全てが台無し」となります。

 

私はQAをやっているので、(そのような)

前医で良性⇒(患者さん自身が心配し)⇒当院で生検、癌の診断

このような症例を(皆さんが想像するよりも)遥かに多く経験しているので、どうしても「他人の(特に良性という)生検を信用することができない

皆さん、察してください。

 

症例1

 

これは最初のクリニックで細胞診クラス5

で、紹介された地元の大病院でのCNBで良性

⇒(関西からでしたが)当院でCELEROして(当然)IDC

 

症例2

この方は(他院)術後、定期エコーでlevel Ⅰに5mmの「怪しい形だけど、5mmだから生検できない。経過見るしかない」と言われ

当院受診、無論(私から見れば)何でこれを狙えないのだろうか?(永遠の謎です)と思いながらCELEROでmetastatic nodeの診断

 

 

問題は、それだけではなかったのです。

実際には(levelⅠだけではなく)これはlevelⅢですが、これも明らかな転移(こちらはlevelⅠより大きい10mm!)を見逃していたのです!(技師エコーなのか、主治医のエコーなのか不明ですが)

 

levelⅢまで転移が拡がっている状態で、もしも経過を見ていたら…

この方の人生を変えたのは(当院を受診するという)その一歩でした。

腋窩鎖骨下郭清術施行

levelⅠ+Ⅱ(3/8 max 3mm, extrainvasion+), levelⅢ(1/4)

 

症例3

 

これは13mmありますが、前医で良性として「経過観察」とされたが、本人が心配して当院を受診

私はエコー像を見て(文字通り)たまげました!

『これ、どう見ても癌だろ!』何で外すのだろう

 

生検の精度

その闇はどこまでも深い。

 

究極の乳腺外科医であるために、まず必要なのは…

 

リアル大門?

いえいえ、その(手術の)前に大事なことがあるのです。

 

 

リアル ゴルゴ13 だったのです…