[管理番号:12495]
性別:女性
年齢:61
病名:
症状:
投稿日:2025年02月17日
初めて質問させていただきます。
1月(下旬)日に左乳房全摘手術をしました。
病名確定診断時のマンモトームでは、ホルモン陽性HER2陰性タイプの浸潤乳管がんとのことで、しこりも2センチ以下でした。
全摘は私が望みました。
しかし術後病理検査ではホルモン陰性HER2陰性のトリプルネガティブだと診断されました。
術前診断ではプロゲステロンもエストロゲンもプラスだったので本当にびっくりしました。
腫瘍は1.2センチ
Ki67は30% でした。
センチネルリンパ節生検では3つ取っていずれも転移無し。
術前の造影剤CTでも他の臓器に転移無し。
それでホルモン治療だとばかり思っていたのに、再発防止のために抗がん剤治療をしなくてはいけないと言われ、寝耳に水で何も考えられなくなりました。
ネットで調べても、トリプルネガティブは予後が良くないという話が多くて落ち込みます。
そしてドキソルビシンとシクロホスファミドかエピルビシンとシクロホスファミドを2週間クールで4回
その後パクリタキセルを毎週12回
というメニューを提案されました。
どうしてもやりたくないならしょうがないけれど、再発するかもと不安で毎日暮らすより、頑張ってこの治療を終わらせて元気に生活した方が良いよ、との話を聞き納得はしたのですが、本当にこの治療で良いのか、どうしても先生のご意見が聞いてみたくてメールさせていただきました。
お忙しいところ申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
どうしても先生のご意見が聞いてみたくてメールさせていただきました。
⇒やはり「焦点」は術前組織診断(luminal type)と術後標本での組織診断(TN)の解離となります。
考え方として
1.プラスが(標本処理の問題や検査の不備などで)マイナスになることは(稀に)あっても、逆はない。
2.術前組織診の標本の方が「小さくて」かつ「素早く」固定できるので信頼性が高い、一方で手術標本(特に全摘の場合は)は術後「ある程度の時間、ホルマリン固定されずに放置」されている可能性+(標本が大きすぎると)「固定が不十分でERなどが失活するリスク」があるということ
3.ただし、稀に「luminal typeの癌細胞とTNタイプの全く異なった癌細胞が同居し、術前は前者を(たまたま)採取し、癌の大部分は実際は後者」という可能性
つまり1,2からは「本当はluminal type]である可能性、3からは(少数のluminal type癌細胞が存在するが)「大部分はTN]という2つの可能性があるわけです。
担当医は(上記、詳細な可能性も挙げずに)TNと判断してしまっているとしたらそれは不親切と言えるでしょう。
↓
一番確実なのは手術標本でOncotypeDXすることです。
OncotypeDXは「遺伝子の発現レベルの評価」なので(もしも上記2の原因でタンパクが変性しても)正しい結果となることが多い。
♯手術標本がTNとはいえ、(術前組織診でER+、HER2-なのだから)「ER+,HER2-,リンパ節転移なし」としてOncotypeDXを出すことは可能です。(担当医が嫌がる可能性はありますが)
ご検討を
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/5
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