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吸引式乳腺組織生検(VAB)で鑑別困難

[管理番号:11895]
性別:女性
年齢:45
病名:左乳腺腫瘤(鑑別困難)
 疑わしいのは、
 葉状腫瘍(良性~境界悪性)
 線維腫症
 化生癌(紡錘細胞癌)
症状:左乳房 右上部にしこり(痛みはないが、押さえると圧痛のような違和感あり)
投稿日:2024年06月28日

田澤先生
お世話になります。
針生検を受け、結果を待つ間生きた心地がせず、やっと迎えた昨日、確定診断であるはずの組織生検で鑑別困難という結果が出て、ショックを受けております。医師の説明を聞いてもいろいろと疑問点がありましたので、質問させていただきたく。
 
まずは、経緯を簡単に時系列で説明させていただきます。

2024/6/上旬
1年ぶりに乳がん検診を受けるにあたり、乳房の自己チェックをしたところ、左胸右上部にしこりを触知。乳腺外来クリニックに診察予約を入れる。

2024/6/(中旬)
マンモグラフィとエコーともに1年前には見られなかった疑わしい所見あり、1cmほどの腫瘤が見つかったため、即日、吸引式乳腺組織生検を受けました。
ちなみに既往としては、
2019/3月、左乳腺腫瘤→ 針生検(VAB)→良性→経過観察の後、現在消失
2023/12月、右乳腺腫瘤→針生検(VAB)→良性:線維腺腫→半年後変化なし→一年後(今回)も変化なしと診断を受けています。
 
2024/6/(下旬)
病理組織検査結果は
VAB-CNB: 鑑別困難 Indeterminate(Spindle cell lesion)

所見には、『乳腺VAB:小乳管と、線維性の間質が混在増生し、腫瘤を形成しています。上皮はアポクリン化生性ですが異形に乏しく、ニ相性も保持されています。間質は細胞成分に富み、紡錘形細胞の錯綜からなっています。面積的にも豊富で、一方的増生ともみられます。核分裂像は目立ちません。鑑別には葉状腫瘍(良性~境界悪性)や線維腫症が挙がります。また、念のため化生癌(紡錘細胞癌)の否定が望ましいと考えられます。』とありました。

この結果を受けて、医師は、「こんな結果は見たことないです。ここで確定できず申し訳ない。良性の可能性も十分ありそうですが、悪性の可能性もある難しいケースで、これ以上ここで詳しく調べるのは難しいので、大きな病院でちゃんと調べてもらって下さい。その辺の総合病院だとまた曖昧な結果になる可能性もあるので都心の大きな病院をオススメします」とがん研有明病院を紹介されました。
医師に「そこで、もう一度針生検をやることになりますか?」と聞くと、「とりあえず、今回調べた組織をこちらに戻してもらってるので、それをもう一度、紹介先の病理医に見てもらって、それ以上の検査は必要に応じてですかね」ということでした。
7/(中旬)に受診予定です。

質問です。
1. 検査結果が鑑別困難になったのは、医師の生検技量不足によるものなのか、それとも、鑑別が特に難しいケースだったからなのでしょうか? (可能性としてあげられている病名が、どれも希少例のようでしたので)。組織を診る病理医が変われば、
結果が確定する可能性が高いと医師は考えているように思えましたが、組織診断とはそういうものなのでしょうか?新たに生検することなく、同じ組織を見るだけでは鑑別は困難なままのように思うのですが。

2. 線維腫症 とは、どのようなものなのでしょうか?医師は、「右胸と同じもの」
と説明では言っていましたが、線維腺腫とは別物ですよね?良性腫瘍とのことですが、急速に大きくなるという記述も症例論文で見つけたため、治療としては何をすることになるのか、何もせず様子見をしてもよいものなのか教えていただきたく。

3. 大きな病院で再度組織を診てもらっても診断がつかない場合、次のステップとしては、再度針生検?それとも外科的生検になりますでしょうか? 田澤先生でしたら、この状態では、次に何をされますか? 私としては、可能性として挙げられている葉状腫瘍(良性~境界悪性)、線維腫症、化生癌(紡錘細胞癌)のどれも短期間で大きくなりやすく、成長すればするほど再発や転移の可能性が高くなり予後も不良とのことなので、すぐにでも外科的生検、もしくは、それをすっ飛ばしていっそのこと乳房切除をしてしまいたいです。この考えは浅慮でしょうか?

4. 出来れば、田澤先生に確定診断と手術をお願いしたいですが、このようなケースで依頼することは、可能でしょうか?

長々とすみません。
ご回答、どうぞ、よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

1. 検査結果が鑑別困難になったのは、医師の生検技量不足によるものなのか、それとも、鑑別が特に難しいケースだったからなのでしょうか? (可能性としてあげられている病名が、どれも希少例のようでしたので)。組織を診る病理医が変われば、
結果が確定する可能性が高いと医師は考えているように思えましたが、組織診断とはそういうものなのでしょうか?新たに生検することなく、同じ組織を見るだけでは鑑別は困難なままのように思うのですが。

⇒無論「例外はない」とは断言できませんが…

きちんと病変の範囲に応じたMMTEを行えば、確定診断が出来ない例は(少なくとも私には)ありません。
其の意味では「その医師の技量不足」と言えます。但し多くの医師もその程度だという認識は必要です。

2. 線維腫症 とは、どのようなものなのでしょうか?医師は、「右胸と同じもの」と説明では言っていましたが、線維腺腫とは別物ですよね?良性腫瘍とのことですが、急速に大きくなるという記述も症例論文で見つけたため、治療としては何をすることになるのか、何もせず様子見をしてもよいものなのか教えていただきたく。
⇒そもそも、この段階での病理結果に意味はありません。

3. 大きな病院で再度組織を診てもらっても診断がつかない場合、次のステップとしては、再度針生検?それとも外科的生検になりますでしょうか? 田澤先生でしたら、この状態では、次に何をされますか? 私としては、可能性として挙げられている葉状腫瘍(良性~境界悪性)、線維腫症、化生癌(紡錘細胞癌)のどれも短期間で大きくなりやすく、成長すればするほど再発や転移の可能性が高くなり予後も不良とのことなので、すぐにでも外科的生検、もしくは、それをすっ飛ばしていっそのこと乳房切除をしてしまいたいです。この考えは浅慮でしょうか?
⇒きちんとMMTEすれば診断はつきますよ。(余計な心配と言えます)

4. 出来れば、田澤先生に確定診断と手術をお願いしたいですが、このようなケースで依頼することは、可能でしょうか?
⇒無論「そのために」私は存在する意義があると思っています。(大袈裟ではなく)

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2024/7/8
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