Site Overlay

術後治療について

[管理番号:11885]
性別:女性
年齢:48
病名:
症状:
投稿日:2024年06月21日

はじめまして、いつもこちらのサイトを見て勉強させてもらっています。今回は術後治療について相談させてください。

30代中頃より両乳房の乳腺症を指摘され、毎年検診をうけてきました。高濃度乳腺ということで、マンモグラフィーは2,3年に1回、エコ―は毎年受けていました。昨年4月右乳腺の固さ、しこり?を感じたたため主治医に相談したところ、触診とエコーで乳腺症と言われました。その後大きな変化はないように感じたため様子をみていました。今年の4月に定期受診の際、3㎝大の腫瘤、マンモグラフィーで石灰化の集積を指摘され、針生検でホルモン陽性、HER2陽性のDCISと診断されました。術前MRIで広範囲の広がりを指摘されたため5/(下旬)右乳房全摘術をうけました。
術前CTで明らかな転移はありませんでした。術後乳管内進展が75×20mmと広範囲だったこと、微小浸潤が多発していたと聞いてぞっとしました。またD領域にもADHが疑われる病変がわずかにみられたようです。リンパ節転移はありませんでした。主治医にステージを確認したところ、全てがDCISならステージ0だけど、浸潤があったため、強いて言うならステージⅡAといわれて大変がっかりしています。術後はホルモン治療を(文字化け)・u條ゥめられリュープリン、タモキシフェンを開始しました。HER2陽性だったためHER2療法の適応について確認しましたが、微小浸潤だからやりすぎかな…と言われました。
また、術前MRIで左乳房にも怪しいところがあったようですが、嚢胞が多数あり、どれを刺せばいいかわからない状態だから経過観察と言われました。
乳管内進展が広範囲だったこと、微小浸潤が多発していたこと、HER2陽性、ステージⅡAだったことが頭から離れず、HER2療法は再発、転移を優位に抑えると聞くと、本当にやらなくていいのか不安でなりません。
また、左乳房も本当に経過観察で良いのか…。お忙しいところ大変申し訳ありませんがコメントいただければ幸いです。

以下病理のレポートです。
【術前病理】DCIS
 Nuclear grading:2 Nuclear atypia 2,Mitotic counts 2    Allred
score (TS=PS+IS)
ER:8=5+3、PgR:0=0+0、 cf,HER2(IHC):3+ Ki-67約30%  CK5/6:(-)

【術後病理】Microinvasive carcinoma 浸潤径<1㎜(多発)、乳管内進展巣 約75
㎜×20㎜ pT1mi,Ly0,V0,g,pN0
Nuclear grading,Grade1:Nuclear atypia 2,Mitotic counts 1 Histological grading,Grade1:Tubular formaton 2,Nuclear atypia 2,Mitotic counts 1  リンパ節0/2

右(R)の切除検体です。A領域の広範囲に乳管内を充実性ないし篩状に増殖する乳管内病変を認め、一部は面皰壊死を伴います。複数個所で浸潤を疑う微小病変を複数個所で認め、微小浸潤癌と考えます。脈管侵襲は見られません。リンパ節転移は見られません。またD領域にもADHが疑われる病変がわずかにみられます。背景乳腺は拡張と硝子様物質の充満がみられるCystic hypersecretory hyperplasia様の乳腺もあります。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

無論、微小浸潤ではanti-HER2 therapyは適応外であり、(私だったら)そもそもホルモン療法もしません。
全摘で「微小浸潤」なのだから「ほぼ根治」 (私の患者さんならば)無治療で年に1回の経過観察とします。
無意味な心配は止めましょう。

対側に関しては、きちんとエコーしてもらい「少しでも疑わしいならば生検してもらう」という姿勢が望まれます。(近々公開予定のfundamental 6 生検参照のこと)

(7/2頃に公開予定です。)

YouTubeチャンネル「乳がんプラザ」

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/7/8
***