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浸潤径3㎜の場合の術後補助療法について

[管理番号:9508]
性別:女性
年齢:45
病名:右浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年6月23日

田澤先生、こんにちは。

こちらでいつも勉強させていただいています。

大変お忙しい中、このような場を設けて下さり、本当に感謝しております。

術後補助療法について悩んでおりますので、相談させてください。

先日、右胸の全摘およびエキスパンダー挿入手術を受けました。

術後の病理検査結果は

・浸潤性乳管癌
・Stage1
・浸潤径 3㎜
・リンパ節 0/1個
・Grade2
・リンパ管侵襲なし
・ER 50%
・PgR <1%
・HER2 陽性(3+)
・Ki-67 22% 

でした。

主治医からは術後補助療法の第1案として
・ウィークリーパクリタキセル 12回
・ハーセプチン 1年
・タモキシフェン 5年
を出されましたが、浸潤径が3㎜ということもあり、主治医も抗がん剤+抗HER2療法をするかしないか悩ましい、私の方でよく考えて決めるようにとのことでした。

(第2案として・タモキシフェンのみの案も出されております。)

私と似た状況の他の患者さんに対する先生のご意見を拝見しておりましたが、いくつか質問させてください。

①江戸川病院では浸潤径5㎜以下は無治療にしており、再発は見たことないとの回答を拝見しましたが、遠隔転移も含まれますでしょうか。

私の場合は全摘ですので、再発ではなく遠隔転移が該当すると思うのですが、「再発」の表現しか見つけきれず、気になっております。

②主治医は、「浸潤径5㎜以下ガイドラインで抗がん剤と抗HER2療法が「プラスマイナス」になっているので、世界的に無治療を勧めているわけではない、と言っておりました。

最初は、田澤先生がよくあげられているガイドラインと別のものかと思いましたが、私も、NCCN
Guidelines Version 4.2020を拝見し、主治医が言っている意味がわかり、また、田澤先生と同じものを指していると理解できました。

私が該当する「術後内分泌療法±術後化学療法+トラスツズマブを考慮(カテゴリー2B)」の記載に対し

主治医は、「プラスマイナスなので、抗がん剤と抗HER2療法をしないことが勧められているわけではない」
田澤先生は、「無治療で大丈夫」
とのことですが、これは先生ごとの解釈の違いによるものでしょうか。

それとも他に何かエビデンスがあるのでしょうか。

③また、同じく

「術後内分泌療法±術後化学療法+トラスツズマブを考慮(カテゴリー2B)」

この記載をを拝見すると、術後内分泌療法は必須のように見えてしまうのですが、先生のご解釈とご経験上、浸潤径3㎜(私の場合は、ER 50%, PgR <1%)では、5年間のタモキシフェン服薬は必要と思われますでしょうか。

ご回答いただけましたら大変嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「①江戸川病院では浸潤径5㎜以下は無治療にしており、再発は見たことないとの回答を拝見しましたが、遠隔転移も含まれますでしょうか。」
⇒質問者は勘違いしています。

「再発は見たことない」という文章の中の「再発」とは(そもそも)「遠隔転移再発」のことです。

★治療には「効果と副作用のバランス」があります。 3mmならば(私は)無治療としています。(その主治医がどう考えているのかは私には無関係)