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肉芽腫性乳腺炎について

[管理番号:8893]
性別:女性
年齢:45歳
病名:肉芽腫性乳腺炎
症状:最初は2cmほどのしこりに気がつき、受診。
超音波でいくつか腫瘤があるといわれ、マンモ。
マンモには写りにくく異常なし。
針生検、MRIしましたが、癌細胞は出ず。
針生検後、しこりの部分に炎症起こし、刺したところから膿も出始め、炎症の部分は切開、ドレーン留置の処置。
現在は落ち着いたので外しました。
ミノマイシンを服用継続して様子を見ています。

投稿日:2020年9月23日

肉芽腫性乳腺炎と診断がついて一か月になります。
切開排膿し、
炎症が収まっていますが、硬く触れる部分が1か月ほどで広がりました。
熱も出ず、痛みも押すと少し痛いくらいですが、本当に肉芽腫性乳腺炎でしょうか?

また主治医の先生がステロイドは使いたくないという方針です。

自然に治るものなのでしょうか?

また、癌細胞が刺したところ以外にいる可能性も否定できないと言われて不安です。
このままで大丈夫か不安です。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

要点は2つあります。
1.診断の確実性
「癌細胞が刺したところ以外にいる可能性も否定できないと言われて不安」
⇒これが、最も(私の)嫌いな診療です。

 「癌かもしれない」などと脅されながらの診療など、とんでもない!
 MMTEで広範囲に削り、診断を確定させるべきです。(結果、肉芽腫性乳腺炎であれば、治療効果も兼ねます。)

2.治療
診断が肉芽腫性乳腺炎だとすれば、完全に誤った治療です。(抗生剤など無意味だし、切開は最終的に「無駄な傷」をつけるだけです)

「また主治医の先生がステロイドは使いたくないという方針」
⇒ステロイドの使い方を知らない医師(特に外科系)は多く、これで悩んでいる患者さんはもっと多い。
 
 『乳癌手術のブログ 2020/9/3 肉芽腫性乳腺炎の処方箋(お節介?)』『乳癌手術のブログ 2020/9/7 肉芽腫性乳腺炎2』をご参照ください。

 ★一つ、付け加えておくと、上記「処方箋」を(紹介状の)返事としたその医師から、患者さんに後日電話が来たそうです。
  患者さんから改善していることを告げられると、(その医師も)大変興味をもったようです。

 医師とは言え、人間(当たり前) 普段使わない薬(治療法)を行うのには勇気がいるのでしょう。ただ、困るのは患者さん。
 よく考えてもらいたいものです。

〇 結論
 とにかくMMTEでまずは診断確定すること(これで「癌かも?」みたいな潜在的な恐怖から完全に開放されます)
 治療はステロイド(抗生剤はすぐに中止しましょう)