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只今治療開始まで待機中です

[管理番号:6206]
性別:女性
年齢:28歳

浸潤性乳管がん 1、7ミリのしこりがあり、2月下旬に左胸全摘しました。
 
先日、病理検査の結果が出ました。
リンパ節転移 0/2
病理的腫瘍径 19×10ミリ
グレード3
脈管侵襲 リンパ管1 血管0
HER2 1
ER+80 ~ 90 % PR+80~90%
ki-67 65% でルミナールBとのことでした。
 
今後の治療として、TC療法4クールその後
ホルモン療法と言われております。
*先生でしたら、この様な場合、どんな治療をおこないますか?
*グレード3 ki-67 65%の値が凄く気になっています。
年齢と数値は関係あるのでしょうか?
転移再発率はステージ1でも高いと考えた方が良いのですか?
完治出来ますか?
 
*将来子供を望んでいるので、受精卵凍結も考えております。
(抗がん剤開始は5月中旬がタイムリミットなのでそれまでに…と言われてます)
凍結が上手く出来た場合、戻す時期はホルモン療法が終わってからが良いのでしょうか?
 
*叔母が、51才で卵巣がんで亡くなっています。
遺伝子検査、オンコロタイプDXは、
したほうが良いと思われますか?
色々と質問して申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 「*先生でしたら、この様な場合、どんな治療をおこないますか?」
⇒全く同様です。
 
「*グレード3 ki-67 65%の値が凄く気になっています。年齢と数値は関係あるのでしょうか?」
⇒ありません。
 
「転移再発率はステージ1でも高いと考えた方が良いのですか?」
⇒無関係です。
 単に、「抗癌剤が効きそうだから、術後再発予防としてすべき」というだけです。
シンプルに考えましょう。
 
「完治出来ますか?」
⇒再発率は10%以下でしょう。
 
「凍結が上手く出来た場合、戻す時期はホルモン療法が終わってからが良いのでしょうか?」
⇒当然、抗癌剤が終わってからです。(ホルモン療法の5年―10年を待つなんてナンセンス)
術後の妊娠出産と治療についてお悩みの方は、管理番号5903『術後の治療と妊娠、出産について』をまずはご一読ください。
関連質問のページ
 
「*叔母が、51才で卵巣がんで亡くなっています。」「遺伝子検査、オンコロタイプDXは、したほうが良いと思われますか?」
⇒さすがに…
 質問者がルミナールタイプだとはいえ、(20代で、ご家族に卵巣癌があれば)
BRCA検査してもいいとは思います。(したからといって、治験に参加でもしないかぎり治療に変更はないので無意味かもしれませんが)
 OncotypeDXはKi67=65%では勧めません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

遠隔転移
性別:女性
年齢:30歳
病名:乳がん
症状:腹部の圧迫感あり
投稿日:2020年3月2日

只今治療開始まで待機中です
[管理番号:6206]

こちらで上記2年ほど前に質問させて頂きました。

今回は再発したのでお知恵をお借りしたいです。

2018.2.(下旬)に左乳房全摘手術

その後抗がん剤治療をして、ホルモン療法に移行しました。

ホルモン療法は3ヶ月に1回ゾラデックスと毎日タモキシフェンの服薬です。

ホルモン療法を1年9ヶ月程していたのですが、
2020.2.(上旬)に鎖骨上にリンパ節肥大があるとされ、
2020.2.(下旬)にPET-CTを受けました。

結果をそのまま書きます。

【画像診断】
左乳房癌術後再発
・肝転移および腹部リンパ節転移
・骨転移:第7胸椎
・左鎖骨上・頸部リンパ節転移の疑い

【所見】
肝S4に不均一な造影効果を示す径3.2cmほどの腫瘤があり、PETではこれに一致する以上集積を認めます。

乳がんの肝転移再発と診断します。

肝右葉にも小結節が散見され、同じく転移が疑われます。

低容積病変であるためPETでは評価ができません。

腫大した総肝動脈幹リンパ節や腹部大動脈周囲リンパ節への集積も、転移を示唆する所見です。

また第7胸椎体の径0.5cmほどの溶骨性病変にも集積を認めます。

転移性骨腫瘍と見做されます。

左鎖骨上窩から頸部にかけて小さなリンパ節が散見されます。

PETでは高集積を認めませんが、微小転移巣が偽陰性を呈している可能性があります。

左肺門リンパ節には病的意義の不明な軽度の集積が認められます。

質問ですが、
●治療の変更として
 ゾラデックス+フェソロデックスの注射とイブランスの内服とされました。
それが効果なければ抗がん剤へ移行するとの事です。

先生でも同じ治療方針でしょうか?
他にも治療法があれば教えて頂きたいです。

●肝臓と骨への転移のみ言われましたが、このPET-CTの所見ですと他にも転移してますか?

●肝臓のがんの部分の切除は可能ですか?しても意味がありませんか?

●この状態からの寛解はありえますか?

●もし寛解が望めないようでしたらこれからどう癌と付き合うことになるのでしょうか?

●余命はどれくらいでしょうか

●今の私の状態を教えて下さい
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

遠隔転移とのこと。
お気持ちお察しします。

まず前回コメントしたように
(以下、前回の抜粋)

『質問者がルミナールタイプだとはいえ、(20代で、ご家族に卵巣癌があれば)BRCA検査してもいいとは思います。』
⇒今回(こそ)BRACAnalysisをしていますか?

『(したからといって、治験に参加でもしないかぎり治療に変更はないので無意味かもしれませんが)』
⇒(術後補助療法ではなく)今回は再発だから、治療に使えます。(BRACAna
lysis陽性ならば、Olaparibの適応となります)

「先生でも同じ治療方針でしょうか?
他にも治療法があれば教えて頂きたいです。」

⇒冒頭でコメントしたように…

 BRACAnalysisしていますか?(していなければ、しなくてはいけません)
 もしも陽性ならばOlaparibの適応となります。

 もしも陰性ならば、(肝転移があるから)palbociclibより先に抗がん剤を行います。
 ☆抗がん剤の選択について
  術後補助療法としてTCを行っているので
  Anthracycline(EC/ACなど)が第1選択となります。
  Bevacizumab + paclitaxelも十分な期待ができるので、先にこれを用いる選択もあります。

 ☆☆私であれば(抗がん剤投与により病勢を削いでから)palbociclibへチェンジします。

「●肝臓と骨への転移のみ言われましたが、このPET-CTの所見ですと他にも転移してますか?」
⇒リンパ節転移(鎖骨上や傍大動脈リンパ節)にも可能性がありますが、優先順位が落ちるので(敢えて)コメントしなかったのでしょう。

「●肝臓のがんの部分の切除は可能ですか?しても意味がありませんか?」
⇒もしも切除するにしても(標準治療ではありません)
 まず「全身治療が優先されるべき」です。

 ☆全身治療でコントロールされた際に、(はじめて)局所治療(手術や放射線)の検討がなされます。

「●この状態からの寛解はありえますか?」
⇒「画像上の」緩解=clinical complete responseであれば、可能性があるし、まずは「そこを目指すべき」です。

 最終的に「根治」するかは、まずcCRを得てから「その先」の話となります。
(可能性は常にあります)

「●もし寛解が望めないようでしたらこれからどう癌と付き合うことになるのでしょうか?」
⇒まずはcCRを目指しましょう。(話はそれからです)

「●余命はどれくらいでしょうか」
⇒治療効果によります。

「●今の私の状態を教えて下さい」
⇒「肝転移があり、治療をしなければいけない状態」です。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

治療について
性別:女性
年齢:30歳
病名:乳がん、転移再発
症状:
投稿日:2020年3月4日

先日は回答いただきありがとうございます。

1週間空いていないのですが、治療開始しているためどうしてもお尋ねしたく、質問フォームに投稿させて頂きます。

先生でしたら抗がん剤で全身を叩いてからイブランスの服薬、とのことでしたが、すでに服薬とフェソロデックスの追加治療が始まっている状況です。

●先生のおっしゃった抗がん剤をしてイブランス、というのは治療が始まった現状から変更しても効果がありますか?

●癌は抗体が出来たら次の薬へ変えていくようですが、今イブランスとフェソロデックスを始めている状況で、抗がん剤に移ったら移行イブランス、フェソロデックスは効かなくなりますか?

●また、子どもを授かりたいのですが現状諦めるしかありませんか?

●別の方から肝生検をして、ほかの遺伝子検査をすることも勧められましたがこれはしても問題ないでしょうか?

●取れるようだったら肝臓ながん切除も提案がありましたがどうなのでしょうか?

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

『BRACAnalysisしていますか?(していなければ、しなくてはいけません)
 もしも陽性ならばOlaparibの適応となります。』
を再度、ださせていただきます。
★もしも、今後同じような質問をするのなら、まず上記に回答してからにしてください。

「●先生のおっしゃった抗がん剤をしてイブランス、というのは治療が始まった現状から変更しても効果がありますか?」
⇒勿論、影響はありません。

「●癌は抗体が出来たら次の薬へ変えていくようですが、今イブランスとフェソロデックスを始めている状況で、抗がん剤に移ったら移行イブランス、フェソロデックスは効かなくなりますか?」
⇒短期間なら、影響はありません。

「●また、子どもを授かりたいのですが現状諦めるしかありませんか?」
⇒まずは緩解を狙うべき状況です。(優先順位を考えましょう)

「●別の方から肝生検をして、ほかの遺伝子検査をすることも勧められましたがこれはしても問題ないでしょうか?」
⇒(リスクの割には)得られる情報は多くはないでしょう。(もっと簡単な部位なら、やってもいいですが)

「●取れるようだったら肝臓ながん切除も提案がありましたがどうなのでしょうか?」
⇒全身療法によるコントロールが先だと思います。