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MRIにより乳癌悪性の可能性あり→その後の検査、治療について

[管理番号:1067]
性別:女性
年齢:31歳
7月末より左胸に痛みがあり、マンモ・エコー・MRI検査を経て、本日5mmほどの悪性腫瘍の可能性がありと診断されました。小さいので断定はできないとのこと。
通院していた病院では針生検を行っておらず、3ヶ月程度経過観察をするしかないため、確定診断のためには他病院での検査を勧められました。
癌であったならば、乳がん治療で実績のある病院で治療をしたいと思っており、担当医にも勧められた病院があります。ですがネットでその病院の口コミを調べたところ、紹介状があっても2ヶ月待ち…と書かれていました(まだ電話で確認はしていません)。
とりあえず現在癌なのか良性のものなのかわからない状態が不安で、早く針生検を行って確定診断がほしいと思っています。
会社の近くに乳腺外科専門の病院があり、そこは検査・診断がスピーディなようなので、自分の気持ちを落ち着けるためにもまずそこで検査をし、そのあと癌と診断された場合はその病院で治療方法について相談した上で、さらに上記の2か月待ちの病院でもセカンドオピニオンをしていただくという進め方で大丈夫でしょうか?
とりあえずまだ診断はグレーではありますが、癌かもしれないという状況にパニックになっています。ご助言いただけると助かります。よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 まず気になったのは、「通院していた病院では針生検を行っておらず」という点です。
 それで「乳腺外科を名乗っている」のでしょうか?
 そんな事では「無駄な画像診断だけ」が行われるだけで、「時間の無駄」です。
 乳癌診療をする以上、「最低限、針生検で組織診断ができる」必要があります。
 何故かと言うと「診断手技がない」とどうしても「無駄な経過観察へ傾く」のです。
「癌が疑わしいけど、5mmだから3カ月経過観察?」
⇒全くばかばかしい。
 何のための「早期発見、早期治療」なのでしょうか?
 そのために「不利益を被っている患者さんが少なからず存在する」ことは間違いありません。 小さいから放っておくなど「ナンセンス」です。
 いい例は「石灰化」です。
 石灰化は「ステレオガイド下マンモトーム生検でしか診断できない」ため(多くの病院ではステレオガイド下マンモトーム生検は行われていないため)無駄にフォローアップされています。
 私のところにも「しばしば、(他院で)石灰化経過観察されていたのだけれど大丈夫ですか?」という方が来院されますが
 私からみれば「これをフォロー? どうみても癌を疑うべきで、早くステレオガイド下マンモトーム生検すべきだ」という方が結構いらっしゃいます。
○診断手技の限られた病院では「どうしても、経過観察とされがち」となることに注意が必要です。
 
 2カ月待ちの、その「乳がん治療で実績のある病院」という中身はどうなのでしょうか?
 「沢山の医師」がいて、その「教育や修練の場」となっているだけではないでしょうか?
 「若い医師の修練のため」に是非協力したいという訳でなければ
 本当に自分の体のことを考え、「早期発見、早期治療」を目指すのであれば、「そんな大病院」ではなく、「少数精鋭で症例数をこなしている病院」を探すべきだと思います。
○病院選びがいかに大変かは承知しているつもりですが、敢えて言わせてもらいました。