[管理番号:6760]
性別:女性
年齢:47歳
病名:乳がん(浸潤性入管ガン)
症状:
初めまして。
よろしくお願い致します。
ステージ2aで主治医は温存を進めてくださりましたが、温存の場合の放射線治療が嫌だったので左胸全摘を希望し、8月中旬に手術が終わりました。
術後の説明ではガンの大きさは4cmで、クリニックの評価2cmの倍の大きさでした。
手術ではセンチネルリンパには移転がなく、少し奥のリンパを一つとり手術は終わったんですが、1週間後の病理検査でセンチネルリンパに5ミリの転移がありステージ2bの評価に変更となりました。
9月中旬から抗がん剤TC療法4クール&放射線5週間、ホルモン療法10年間の提案を受けています。
お聞きしたいのは
1.術後にリンパ節転移が発覚しましたが、再度手術でリンパ郭清をしなくて大丈夫なのか?
2.当初、抗がん剤EC療法を提案されていましたが、もともと心臓に心室性期外収縮があり術前検査でも認められた為、TC療法を再提案されています。
TC療法はEC療法より効果が下がりますでしょうか?
また他にも期待できる療法などございますでしょうか?
3.細胞診検査をしたクリニックではki67 75%とかなり高い数値の評価でした。
手術した病院の検査では2%の評価でかなり差があります。
この場合、値の悪い方を採用するのが普通なのでしょうか?現在の治療計画は悪い方を採用していると説明を受けています。
4.放射線が年末年始にかかる予定で、主治医に休診日をはさむことになるが大丈夫なんですか?と聞いたらところ、放射線の医師が調整するから…という説明だけしか頂けませんでした。
間を空けても充分な治療効果は期待できるのでしょうか?
私の乳がん情報は
硬がん
腫瘍 4cm
リンパ 2個とり1個(センチネル)に5ミリ転移
ホルモン ER+
PGR+
ハーツ 0
悪性度 2
切除部分 ー
脈管侵襲 +
ki67 最初の病院での細胞診では75%
手術した病院では2%
主治医は最初の細胞診の方が信頼できるとの事
お忙しいとは思いますが、現在非常に術後治療に悩んでおりアドバイスいただけたらと思います。
どうぞご返答よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
今回は
1.センチネルリンパ節生検の取り扱い
2.ルミナールタイプでの抗がん剤の適応
以上、2点となります。
「手術ではセンチネルリンパには移転がなく、少し奥のリンパを一つとり手術は終わった」
「1週間後の病理検査でセンチネルリンパに5ミリの転移があり」
→最終的に「5mmの転移」があったのは、(術中に転移が無かった筈の)「センチネルリンパ節」なのでしょうか? それとも「少し奥のリンパ節」なのでしょうか?
これで多少意味合いが異なります。
もしも前者(術中には転移無とされたが、実際にはセンチネルリンパ節に転移があったが、追加で摘出したリンパ節には転移が無かった)であれば、「残っているリンパ節には転移はなさそう」に思えるし、
後者(術中にセンチネルリンパ節だと判断したリンパ節ではなく、少し奥のリンパ節に転移があった)であれば、「更にその奥のリンパ節にも転移がある可能性もある」ように思えます。
★質問者の文面では上記が不明です。
「1.術後にリンパ節転移が発覚しましたが、再度手術でリンパ郭清をしなくて大丈夫なのか?」
→『今週のコラム 144回目 肉眼的転移では 追加郭清>郭清省略なのです』をご参照ください。(ちなみに肉眼的転移とは2mm以上です)
ガイドラインの内容で言えば「強く推奨」されるのは追加郭清です。
〇「転移が2個以内」の場合は追加郭清をせずに「術後照射+薬物療法」も「弱く推奨」されますが、質問者の場合には「本当に2個以内なのか?」という問題があります。
もしも「その奥」とやらのリンパ節に転移があった場合には「その奥に本当に無いのか?(もしも、あれば3個以上の可能性もある)」となるのです。
「TC療法はEC療法より効果が下がりますでしょうか?また他にも期待できる療法などございますでしょうか?」
→TC>ECです。(心室性期外収縮を理由としてアンスラサイクリンをしないことには、少々??ですが、結果としてTCの方が適切です)
「3.細胞診検査をしたクリニックではki67 75%とかなり高い数値の評価」
「手術した病院の検査では2%の評価でかなり差」
→全く信頼できない。
これは、OncotypeDXすべきでしょう。
「放射線が年末年始にかかる予定で、主治医に休診日をはさむことになるが大丈夫なんですか?」
→大丈夫です!
スケジュール的に「ゴールデンウィーク」や「年末年始」にかかる患者さんは「五万と」いらっしゃいます。(それを日本中で避けようとしたら)「年末が無駄に空いて、年始が異常に混む」という大混乱を招いてしまいます。