[管理番号:5579]
性別:女性
年齢:39歳
はじめまして。
どうしても田澤先生のご意見をお聞かせ頂きたく、メール致します。
今年の7月頭に左乳房に乳がんが見つかり、8月末に温存手術+センチネルリンパ節生検を行ないました。
術後病理の結果、
浸潤性乳管癌、腫瘍サイズ約9~10mm、ホルモン(ER,PR共に)陽性、
HER2陰性、Ki67 60、癌の顔つき3(3要素全て3点の9点)、リンパ節転移1で、ルミナルBという診断になり、
主治医からは、TC療法(ドセタキセル+エンドキサン)の3週間毎4コース→放射線1.5ヶ月→ホルモン療法10年間 を提示されました。
ただ、化学療法が本当に必要か迷ったため、主治医から「マンマプリントをして、本当に抗がん剤が必要なのかどうかを納得した方がいいのでは?」と提示され(オンコタイプdxだと、中間リスクの時迷うので、マンマプリントを勧められました)、検査を行ないました。
結果、High Risk-0.052 という結果でした。
マンマプリントによるハイリスクでの化学療法上乗せ効果は、5年後生存率が76%→88%であり、12%の上乗せ効果があるので、やはり化学療法はやった方がいい、という結果に至り、それには納得できたのですが、
ここにきて、主治医から、化学療法は「TC療法を考えていたが、癌のサイズは小さいが、それでもリンパ転移が1あること、Ki67の値や顔つきも悪く、悪性度が高くて飛ばす力が強いということを考えると、やはりEC療法(エピルピシン+エンドキサン)の3週間毎4コース→ドセタキセル(3週間毎4コース)orパクリタキセル(毎週12コース)を行った方が
いいと考え直した。
ただ、3ヶ月治療が延びるので、どうするかは考えて判断してください」と言われました。
主治医曰く、ECT療法の場合で5年後再発リスク12%、TC療法なら15%くらいの差があるとのことです。
治療中の副作用がどれだけしんどいのか、また副作用による二次感染や合併症、後遺症の可能性などが分からないため、
3%の生存率を上がるために、ECT療法6ヶ月をすべきなのか、
TC療法3ヶ月で十分なのか、の判断ができません。
ぜひ田澤先生のご意見をお伺いしたく、何卒よろしくお願い申しあげます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「3%の生存率を上がるために、ECT療法6ヶ月をすべきなのか、TC療法3ヶ月で十分なのか、の判断ができません」
⇒TCでいいでしょう。(本当に3%の上乗せがあるのかも、そもそも不明ですが…)
「癌のサイズは小さいが、それでもリンパ転移が1あること、Ki67の値や顔つきも悪く、悪性度が高くて飛ばす力が強いということを考えると」という主治医のコメントそのものが「全く意味をなしていない」ことにも注意が必要です。
質問者様から 【質問2】
術後抗がん剤の療法について
性別:女性
年齢:39歳
先日は迅速なご回答、本当にありがとうございました。
本来ならば再質問に間を空けるべきところ申し訳ございませんが、改めてご意見をお伺いできればと思います。
田澤先生のご意見などを踏まえて考え、TC療法に傾いてきていたところ、主治医からTAC療法(3週間毎6サイクル)を追加提案されました。
「TAC療法は発熱性好中球減少症が他の療法より副作用として多い。
ただジーラスタを予防的に使うので大丈夫なはず。
日本ではジーラスタが最近保険適用になったので主流ではなかったが、海外ではTACが主流」とのこと。
TACは薬を一気に3種類使うので、副作用がキツイのでは…という懸念があります。
色々ネットなどで情報を集めてみると「TACは有毒性が強いので若い人にしか勧めない」といったようなコメントも見受けられ、それってつまりは副作用がキツイということではないのだろうか?とも思えます。
よく分かりませんが、主治医の話を聞いていると、TC療法とEC→T療法との折衷案としか思えず、どれほどTC、TAC、EC→Tに再発リスク低減の差があるのだろうか…と悩んでいます。
私は仕事に通いながら治療を行う予定です。
また、乳がん手術入院前に、発熱&輪状紅斑が急に出たため、手術後に
別の病院の膠原病科を受診し血液検査を受けたところ、抗核抗体値が
160倍、抗SSS-A値が1090倍という数値が出、膠原病(シェーグレン症候群)の疑いありと診断されています。
ただ、輪状紅斑以外に、膠原病特有の症状がないため、現時点では「疑いあり」の範疇を出ず経過観察となっています。
上記を踏まえると、副作用・後遺症がどうしても気になります。
必要な抗がん剤は受けたいと思いますが、不要な抗がん剤は避けたいと思っています。
でも再発・転移は絶対に避けたいという思いとの間で、判断に揺れています。
田澤先生であれば、どの治療を推奨されますでしょうか。
ご意見いただきたく、よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
回答は前回と微動だにしません。
担当医が「アンスラサイクリン+タキサン」に拘るのは(前回、回答したように)
『「癌のサイズは小さいが、それでもリンパ転移が1あること、Ki67の値や顔つきも悪く、悪性度が高くて飛ばす力が強いということを考えると」という「極めて無意味な思い込み」からくるのでしょう。
アンスラサイクリンを用いる理由になっていません。(当然TCです)