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ルミナールAの抗がん剤 リンパ郭清

[管理番号:2144]
性別:女性
年齢:46歳
はじめまして。
10月にしこりを見つけ11月に乳がん確定となりました。
乳がんに対し無知だったのでとても心の支えになっています。
よろしくお願いいたします。
10月下旬に針生検、のちに造影CT、骨シンチ。
こちらは異常ありませんでした。
針生検結果
シコリ1.8センチに繋がって6ミリ
リンパ転移なし
ホルモン陽性
HER2 +1
ki-67 15%
グレード 出ていない
ルミナールA ステージ1
生理はあります。
1月○○日に左胸全摘手術をします。
医師の説明でセンチネル節生検を行い1つでも転移があればリンパを取る、郭清?というような説明でした。
そのときには分かりましたと流してしまいましたが2ミリ以下であれば郭清しなくてもいいんですよね?
それを説明しないのはそれが標準治療だからでしょうか。
改めて確認が必要ですか?
術後ルミナールAですが1つでも転移があった場合抗がん剤も使うとの事でした。
ホルモン剤と月1の注射だと思っていたので質問したところ、乳がんは
全身病なので1つでも転移があればやりますとの事でした。
2センチ以下のki-67 15%で抗がん剤は必要なのでしょうか?
4つ以上の場合適用ではないのでしょうか?
2ミリ以下の転移があった場合放射線が必要ですか?
ホルモン剤だけで叩けますか?
抗がん剤を使った場合の上乗せ効果、再発率を教えてください。
できれば避けたいです。
頭がゴチャゴチャとして整理出来なくなってしまいました。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
cT1c(18mm), cN0, luminalA
「医師の説明でセンチネル節生検を行い1つでも転移があればリンパを取る、郭清?というような説明でした。」
⇒施設により基準にバラつきがあります(統一基準はありません)
 ただし、「微小転移では郭清省略」がスタンダードな考え方です。
 
「そのときには分かりましたと流してしまいましたが2ミリ以下であれば郭清しなくてもいいんですよね?それを説明しないのはそれが標準治療だからでしょうか。」
⇒おそらく、その施設の基準なのでしょう。
 
「改めて確認が必要ですか?」
⇒「施設基準として、変更不可能」としているのか?それとも「患者さんの希望に(有る程度)沿う」ようにしているのか?確認するといいでしょう。
 
「術後ルミナールAですが1つでも転移があった場合抗がん剤も使うとの事でした。」
⇒これも「施設によりバラつき」があります。
 St.Gallen 2015でのvotingでは「luminalAに化学療法を追加する基準」としては
「リンパ節転移4個以上」としていますが…
 
「ホルモン剤と月1の注射だと思っていたので質問したところ、乳がんは全身病なので1つでも転移があればやりますとの事でした。」
⇒担当医の説明では「リンパ節転移が1個以上なら、抗がん剤を行う根拠」が明らかではありません。
 
「2センチ以下のki-67 15%で抗がん剤は必要なのでしょうか?4つ以上の場合適用ではないのでしょうか?」
⇒私も「質問者と同意見」です。
 
「2ミリ以下の転移があった場合放射線が必要ですか?」
⇒「微小転移」では不要と思います。
 
「ホルモン剤だけで叩けますか?」
⇒「微小転移」は摘出しているのです。(体に残っているわけではありません)
 (ホルモン剤を含めた全身療法は)局所のために行う訳ではありません。
 
「抗がん剤を使った場合の上乗せ効果、再発率を教えてください。」
⇒これは「実際に手術」して「浸潤径」や「リンパ節転移の有無(個数)」「核グレード」などが判明しないと出せません。
○術前に考えるべきは「センチネルリンパ節の取り扱」だけです。(これは、是非、術前に担当医に確認すべきです)
◎それ以外は「術後病理組織検査結果が出てから」考えるべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

おつかれさまです。
前回2144で質問させていただきました。
田澤先生が言われたように微小転移があった場合の確認をして、安心して手術を迎えることが出来ました。
ありがとうございました。
術後の病理結果が出ました。
小葉がん 1.4センチ
ホルモン陽性
HER2 1+
リンパ転移なし
グレード 出してない
ki67 15%
ルミナールA
ステージ1
治療はノルバデックスです。
リュープリンも勧められましたが4月には47歳になるので本当に必要か決断出来ずまだ打っていません。
でも小葉がんは局所再発や健側への転移の可能性の高さを考えると必要なのか…
まだ迷っています。
主治医はノルバデックスで生理は止まらないと言ってましたが、やはりリュープリンで止めるべきでしょうか。
2が月ほど待ってもらって、止まってないことを確認してからでも遅くないですか?
あと疑問があるのですが針生検の病理結果を聞くときに先生のパソコンをのぞくと硬がんとありました。
なのでそのつもりでいたのですが、術後の病理結果では小葉がんと全く別のものになり驚きました。
こういうことは普通にあるのですか?
また小葉がんではグレードは出していないとの事でした。
例えばグレード3だったとした場合、ノルバデックスのみとリュープリンを合わせた場合の効果の上乗せはわかるのでしょうか?
診察が終わってからジェネリックのことを思い出し看護師さんに聞いてもらったところ、ジェネリックよりノルバデックスでと却下されました。
いま11日目ですがまだ副作用はでていません。
身体にあってるとしてジェネリックに変更しないほうがいいのでしょう
か?
お忙しいなか申しわけありません。
田澤先生がいてくださることがとても心強いです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
pT1c(14mm), pN0, luminalA
まずは良かったですね。
「治療はノルバデックスです。 リュープリンも勧められましたが4月には47歳になるので本当に必要か決断出来ずまだ打っていません。」
⇒タモキシフェン(ノルバデックス)単独で問題ありません。
 SOFT試験では「35歳未満」のみが有効と言えます。
 
「主治医はノルバデックスで生理は止まらないと言ってましたが、やはりリュープリンで止めるべきでしょうか。」
⇒生理を止める必要はありません。
 ノルバデックス単剤で十分です。
 
「2が月ほど待ってもらって、止まってないことを確認してからでも遅くないですか?」
⇒ノルバデックスには「卵巣への作用がない」ので「生理はとまりません」
 ♯子宮への作用から「めぐりめぐって」生理が止まる事はあります(閉経に近いなど、もともと卵巣機能が衰えていた場合)
 
「あと疑問があるのですが針生検の病理結果を聞くときに先生のパソコンをのぞくと硬がんとありました。なのでそのつもりでいたのですが、術後の病理結果では小葉がんと全く別のものになり驚きました。こういうことは普通にあるのですか?」
⇒結構あります。
 もともと「硬癌と小葉癌は形態的に似て」います。
 更に、「針生検では標本の一部しか見れない」わけなので、「小葉癌を硬癌と見誤る」事もあるのです。
 ○結果として「手術標本で病変全体を評価」すると「あれっ、もしかして小葉癌?」という事になり、最終的に「E-cadherinによる免疫染色」で決め手となるのです。
 
「また小葉がんではグレードは出していないとの事でした。」
⇒形態的に通常の乳管癌よりも「異型が強くみえてしまう」からです。(実際の性質よりもグレードが見掛け上「high grade」よりに評価されがちなのです)
 
「例えばグレード3だったとした場合、ノルバデックスのみとリュープリンを合わせた場合の効果の上乗せはわかるのでしょうか?」
⇒そもそも「35歳以上」では「上乗せ」はありません。(それはグレードに関わらずです)
 
「身体にあってるとしてジェネリックに変更しないほうがいいのでしょうか?」
⇒ジェネリックに変えても「全く同じ」だと思います。