乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:7469]
性別:女性
年齢:53歳
病名:乳癌
症状:

現在レトロゾールの休薬中です。

ホルモン療法の薬の選択枝として、先生なら次に何を選択されるか教えていただれば幸いです。

<経緯>
2016年6月 乳がんと診断され右乳房全摘手術(ステージⅠ)を受けました。
閉経前でタモキシフェン+リュープリンの治療開始。
1ヵ月で薬剤性鬱となり治療中断。
半年ごとの経過観察。

2019年1月 右腋窩のリンパ腫脹。
穿刺吸引細胞診の結果を踏まえリンパ郭清の手術。
3領域から9個郭清し、癌は穿刺吸引したI領域の1個のみ。
術後、鎖骨上下と腋窩に放射線治療25回を実施。

2019年4月 最終生理から8か月経過、1年経っていませんでしたが血液検査の結果女性ホルモンの値(LH,FSH,E2)は閉経を示していたためレトロゾール服用開始。
服用23日目で生理が戻ってきたため休薬。

薬剤性鬱の経緯がありタモキシフェンは使わない。
また、現時点での予防的な抗がん剤治療も勧めないと言われています。

生理再開は1度だけでした。

レトロゾールによる生理再開がなければ、8月で閉経一年を迎えます。

もう一度レトロゾールを試したいと思っています。

他のアロマターゼ阻害薬も生理再開の可能性があって使えないとなるとフェソロデックス一択になるのでしょうか。

フェソロデックスを一定期間使用して、その後完全閉経している時期にアロマターゼ阻害薬に戻ることも出来ますか?

<病理の結果>
2016年6月
硬癌(E領域)
腫瘍径1.4×1.7cm
核異型スコア:2 核分裂スコア:1 核グレード:1
ER:大多数陽性(75%以上)
PgR:部分的に少数陽性(5%未満)
HER2:Score1
Ki-67:部分的にやや高値(15%程度)

2019年1月
ER:Score5+1=6
PgR:Score3+2=5
HER2:Score2+
Ki-67:15%(不均一に分布 平均5%)

HER2の精査(FISH法)
シグナル比 1.0
HER2遺伝子 増幅なし

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず指摘したいのは、(皆さんに抜けがちな)「薬剤適応」という問題です。
Fulvestrant(フェソロデックス)は「転移再発」に限定された唯一のホルモン療法です。
 『ホルモン療法の基本  薬剤には厳格な「適応」があることを、まずはご理解ください。』をご一読を。

「レトロゾールによる生理再開がなければ、8月で閉経一年を迎えます。」
「もう一度レトロゾールを試したいと思っています。」「他のアロマターゼ阻害薬」

→試すのは、「レトロゾールによる生理再開から1年以上」空けてからにしましょう。(どのアロマターゼインヒビターでも一緒です)

「フェソロデックス一択になるのでしょうか。」
→適応外です。(使用不可)

「フェソロデックスを一定期間使用」
→使用不可(上記)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

今後の治療について具体的なアドバイスをお願いいたします。
性別:女性
年齢:53歳
病名:乳癌
症状:

田澤先生 こんにちは 迅速に回答をいただきありがとうございます。

レトロゾール休薬後、最初の診察が近いです。
間をおかずの質問をお許しください。
自分なりに治療内容のイメージを持って診察を迎えたいと思っています。
お力を貸していただけると幸いです。

「レトロゾール再開から1年以上空ける必要がある。」との回答ありがとうございます。

“薬には厳格な適応がある”コラムは勉強していました。
あえて適応外のフェソロデックスについて質問したのは、私の現状だと今使える薬の選択枝がゼロになってしまうと考えたからでした。

①今回レトロゾール休薬を続けるということは、3年前にタモキシフェンが休薬になった事に続いて、2度目の無治療での経過観察になります。
その間、腋窩局所再発を経験しているので、次の再発転移はどうしても防ぎたいです。

リュープリンもしくはゾラデックスを併用してレトロゾールを再開することには可能でしょうか。
お考えを聞かせてください。

②サブタイプについて
初発の右乳房全摘、および再発腋窩の病理の結果について、先生のお考えをお聞かせください。

私は初発術後の治療として全く抗がん剤を提案されませんでした。

おとなしい癌だから、ホルモン療法だけで行けますとのことで
サブタイプについてルミナルAと思い込んでいたかもしれません。

右腋窩リンパ節局所再発し、過去の値を見直すなかでPgRが低値なこととKi-67が15%ということから、ルミナルBで本来抗がん剤治療の対象であったのに、やらずに過ぎて来たのではないかと不安に思うようになりました。

腋窩リンパ郭清も済み、現段階で目に見える多臓器への転移なし、レトロゾールの休薬というこのタイミングで無治療経過観察ではなく、再発転移を防ぐ手立てが欲しいです。

③抗がん剤を試す必要があると思いますか。

あるとすれば候補の抗がん剤を挙げることは可能ですか
無治療+半年ごとの経過観察で対応しても良いでしょうか。

回答するに当たり、情報不足で答えようがない点がありましたらご指摘いただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「リュープリンもしくはゾラデックスを併用してレトロゾールを再開することには可能でしょうか。」
→「これもまた」適応外
 『今週のコラム 136回目 決して適応外診療を勧めることはありません。今回のガイドラインの記載には正直、迷惑であり驚いています』をご参照のこと(私は「適応外」は決して勧めません)

「Ki-67が15%ということから、ルミナルBで本来抗がん剤治療の対象であったのに、やらずに過ぎて来たのではないかと不安」
→Ki67=15%であれば、普通はルミナールAと考えます。

 ただ、どうしても不安なら(今からでも)OncotypeDXできますよ。

「③抗がん剤を試す必要があると思いますか。」
→上記通り。





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