[管理番号:8526]
性別:女性
年齢:47歳
病名:浸潤性乳管癌(左) 腋窩リンパ節郭清
症状:
投稿日:2020年5月15日
乳房温存手術後の病理検査結果
腫瘍径2.8cm リンパ節転移2個
NG:2 HG:Ⅰ ER:陽性 PGR:陽性
HER2(FISH):陰性 MIB-1:12.8%
サブタイプはルミナールAかBの中スコアなので、MIB-1:12.8%を高値と見て、抗がん剤治療をした方が良いのではと言われ悩んでいます。
(oncotypeDXは高額なので希望しません)
抗がん剤治療を勧める理由としては、MIB-1:12.8%とリンパ節転移2個だからとのことです。
質問
①12.8%は高いのでしょうか?
②抗がん剤治療はした方が良いのでしょうか?
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「①12.8%は高いのでしょうか?」
⇒低値です。
『今週のコラム 220回目 30までは(抗がん剤の対象となる可能性が)十分に低く、OncotypeDXの恩恵を受ける中核は「31-45」だと理解できます。』のグラフを見てみましょう。
「②抗がん剤治療はした方が良いのでしょうか?」
⇒私が抗がん剤を勧めることはありません。
「抗がん剤治療を勧める理由としては、MIB-1:12.8%とリンパ節転移2個だからとのことです。」
⇒①「MIB-1:12.8%」について
⇒これを高値として抗がん剤を勧めているのには、正直「度肝を抜かれ」ました。
乳腺外科医の99.99%は「低値」としますよ。
②「リンパ節転移2個」について
⇒ 『今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」』
及び『今週のコラム 189回目 「リンパ節転移があれば抗がん剤をすべき」という古い考えが完全否定される日も近いのです。』をご覧ください。
質問者様から 【結果2 】
結果
性別:女性
年齢:47歳
病名:浸潤性乳管癌 腋窩リンパ節郭清
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
お忙しい中ありがとうございました。
主治医から結果を聞いた時、「FISH陰性だから抗がん剤しなくていい!」と思ったのに、「した方が安心」みたいな感じだったので、決断できずモヤッとしてました。結果待ちの間、もし陽性だったらと悩んでいる時に、乳がんプラザと出会いました。田澤先生に相談して本当に良かったです。これから放射線療法・ホルモン療法と長い付き合いなので、コラムなども参考にしながらがんばりたいと思います。
<Q&A結果>
質問者様から 【質問3 】
放射線療法について
性別:女性
年齢:47歳
病名:浸潤性乳管癌 腋窩リンパ節郭清
症状:
投稿日:2020年5月16日
おはようございます。
昨日、先生に回答していただき放射線療法に決めたのですが、近くの病院での治療を希望するため、術後か
ら2ヶ月をすぎてしまうかもしれません。
今さらですが、開始の遅れに不安を抱いてるのですが、大丈夫なのでしょうか?
《これまでの流れ》
3/(下旬) 手術
4/(中旬) 病理検査結果
5/(中旬) FISH結果
5/(下旬) 受診予定
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「放射線療法に決めたのですが、近くの病院での治療を希望するため、術後から2ヶ月をすぎてしまう」
⇒5か月以内であればいいのです。
何ら慌てる必要はありません。
ご安心を。