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今後について

[管理番号:7554]
性別:女性
年齢:51歳
病名:乳がん
症状:

初めまして。

私の母のことなのですが、3年前に右胸乳がんが発覚し、温存を勧められましたが、再発のリスクを少しでも減らしたくて全摘をお願いし、センチネルリンパ生検は陰性のステージ1でした。

その時のERは90%と高かったのですが、PGRが5%だったことと、 ki67が20、核レベルが2だったことから数%の上乗せでしたが、TC療法をすすめられ、抗がん剤をした後、ホルモン療法ノルバデックス→アリミデックスを2年半ほど飲んでいたのですが、去年の秋に脇のリンパに一つ癌が見つかり、レベル2までのリンパ郭清手術と、今回はトリプルネガティブだった為、抗がん剤のEC療法を行い、今後は半年に一度の血液検査と年に一回のマンモ、エコー、CTだそうです。

ここで質問です。

①脇に再発した癌は、先生が仰っている初回の手術時の取り残しとなるのでしょうか?

②再発したということはTC療法が効かなかったということですか?

③初回ルミナールから今回トリプルネガティブに変わったということは、元々タイプの違う癌が混在していて、ルミナールの癌だけがホルモン療法が効いて無くなったということですか?

④今回トリプルネガティブと判断されておりますが、ERは1%あったようです。
ホルモン療法をトータル2年半しか行っていないのですが、このまま無治療で大丈夫でしょうか?

⑤アリミデックスを飲んでいる時から関節痛が酷く、特に手の指先の関節痛、強張り等が酷かったため、整形外科でリウマチの検査を勧められ、幸いなことにリウマチではなかったのですが、もう半年以上飲んでいないのに、まだ痛みを訴えております。
アリミデックスの副作用はいつ頃無くなるのでしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「今後は半年に一度の血液検査と年に一回のマンモ、エコー、CTだそうです。」
⇒私からみると…

 極めてバランスに欠けている。
 CTを撮る暇があるのであれば(腋窩の局所再発なのだから)半年に1回の血液検査の際に、毎回「腋窩を含めたエコー」をすべきと感じるのは私だけでしょうか?

「①脇に再発した癌は、先生が仰っている初回の手術時の取り残しとなるのでしょうか?」
⇒勿論!

 新しく、リンパ節に癌が転移するなどありえません。(そのルートは手術によって遮断されているのです)
 センチネルリンパ節生検の時点で、その場所に癌が無い限り、起こりえないことなのです(理論的に)

「②再発したということはTC療法が効かなかったということですか?」
⇒不明です。

 TCやホルモン療法が、「何とか2年半抑えていた」とも解釈できます。

「③初回ルミナールから今回トリプルネガティブに変わったということは、元々タイプの違う癌が混在していて、ルミナールの癌だけがホルモン療法が効いて無くなったということですか?」
⇒「タイプの違う癌」というよりは個々の癌細胞の中で、「よりホルモン感受性の高いものが選択的に駆逐され」、ホルモン感受性の弱い傾向の癌細胞が選択された。と考えましょう。

「④今回トリプルネガティブと判断されておりますが、ERは1%あったようです。」
「ホルモン療法をトータル2年半しか行っていないのですが、このまま無治療で大丈夫でしょうか?」

⇒たまたま腋窩に残っていた癌細胞ではホルモン感受性が無くなってしまったが、
(そもそものターゲットである)「全身に潜んでいるかもしれない癌細胞」を抑えるためにホルモン療法を(せめて)残り2年半投与する選択肢もあるでしょう。

「アリミデックスの副作用はいつ頃無くなるのでしょうか?」
⇒不明ですが…

 それなら「無理しないで(この機会に)ホルモン療法を辞めましょう」となってもおかしくはありませんね?
 ただ、上記理由でホルモン療法を行う場合には(強く勧めるわけではありませんが)薬剤の変更がいいでしょう。(副作用をみながら)