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ki67の高値による抗がん剤の選択

[管理番号:7095]
性別:女性
年齢:51才
病名:
症状:

去年の10月に胸の痛みから受診して乳がんが発覚しました。
30才から2年おきのマンモでは異常はなく1年前のマンモも異常なしでした。

術前検査で1.5センチのしこり、リンパ節転移なし、ki67は40%のトリプルネガティブ。

12月中旬に全摘手術し1月から抗がん剤開始、早期なのでトリプルネガティブを恐れず前向きにと思っていたのですが術後の病理結果が悪く不安でたまりません。

病理結果
breast cancer,areaB,3cm,invasive,ductal carcinoma with intraductal spread,gf,Nuclear grade3,Ly1,V0,surgical
margin(-),pT2,pN0(sn),ER(0)PgR(0)HER2(0)ki67 97.5%
組織学的にB領域では乳管内で核腫大、核小体、クロマチン増量、核形不整など核異
形の目
立つ上皮が増生しておりcomedo necrosisをよく伴い、石灰化もみられる。
DICSで
DICS周辺で癌細胞が索状に浸潤する像が散見。
DICSを介した多発浸潤ですが、小浸潤巣
の連続性を否定できない部分もあり浸潤癌が分布する領域を浸潤径とした。
Nuclear
grade3。
断端部への腫瘍の露出はなし。
センチネルリンパ節に腫瘍細胞なし。

病理結果の半分ほど出た(3センチでリンパ節転移なし)ところで抗がん剤はTCで行けそうという話でしたが、最終的にki67の値が倍以上の結果と判明しddのEC療法+Weeklyパクリタキセルをで始めます。
主治医は、リンパ節転移がないのは良かった、増殖度が高いので一気に叩く形で頑張りましょうと励ましてくれました。

①多発で領域の浸潤径でのステージ2aですが1に近いと希望を持ってもいいものでしょうか?
②これほど高値のki67で5年、10年の無再発率はどれくらいでしょうか?
③ddDC療法は早期のリンパ節転移の患者に有効とエビテンスがあるのですが、私はリンパ節転移がないけれどリンパ節転移ありと同等の再発高リスクなのでしょうか?増殖度の割にはリンパ節転移がない、こういうことは良くある状況なのでしょうか?

うまくまとまらず一方的な質問ばかりになってしまい申し訳ありません。

どうかよろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①多発で領域の浸潤径でのステージ2aですが1に近いと希望を持ってもいいものでしょうか?」
→勿論です。

「②これほど高値のki67で5年、10年の無再発率はどれくらいでしょうか?」
→Ki67を予後と関連付ける必要はありません。

 シンプルに「抗ンガン剤が(上乗せ)効果ありそう!」という理解としましょう。
 ステージから推測すれば(抗がん剤をすれば)90%位になるでしょう。

「③ddDC療法は早期のリンパ節転移の患者に有効とエビテンスがあるのですが、私はリンパ節転移がないけれどリンパ節転移ありと同等の再発高リスクなのでしょうか?」
→違います。(②の回答参照)

「増殖度の割にはリンパ節転移がない、こういうことは良くある状況なのでしょうか?」
→当たり前!
 全く別の話です。

 考えすぎないように、しましょう。