[管理番号:791]
性別:女性
年齢:43才
初めまして。乳がんとわかってから幾度となくこちらを拝見させていただいております。今回初めて質問させていただきます。よろしくお願いします。
今年1月、マンモグラフィーで右乳房に石灰化が見つかり、エコーで8mmの腫瘍を確認、針生検後、浸潤性乳管癌とわかりました。3月に右乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を行ないました。リンパ節転移は見られませんでした。
病理結果は、管状癌、ER(3+)、PgR(3+)、Her2(-)、Ki-67(10%)、核グレード(1,1,1)でした。この切除した腫瘍と乖離して非浸潤癌(low grade)がありました。また、管内進展が広くありましたが、断端は陰性でした。
6月に、放射線治療を2Gy×25回を行ないました。
その後の治療について、主治医からは、「ホルモン治療の薬は、飲まなくてもいいし、飲んでもいい。飲む場合は、タモキシフェンを2年間ぐらいかな」と言われました。
飲まなくていいという選択肢があることに驚きました。
そのように言われたため、副作用(日常生活への影響)があるかもしれないと思うと、とても迷っています。
飲むと飲まないのとでは、再発転移のリスク、また左側への発症の可能性は変わるのでしょうか?
どうかアドバイスをよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN0, luminalA
「管状癌のような大人しい癌で、しかも8mm」ホルモン療法も不要ではないか? という担当医の判断のようです。
回答
「ホルモン治療の薬は、飲まなくてもいいし、飲んでもいい。飲む場合は、タモキシフェンを2年間ぐらいかな」
⇒管状癌で、しかも8mm、担当医の言う事も解りますが…
やはり標準療法としては「ホルモン療法」、それもタモキシフェン5年間でしょう。
「飲まなくていいという選択肢があることに驚きました」
⇒私も驚きました。
いくら大人しいからと言って「浸潤癌」である以上は、ホルモン療法の適応となります。
「飲むと飲まないのとでは、再発転移のリスク」
⇒Adjuvant!Onlineで計算すると、転移再発リスクを5.7%低下させます。
「左側への発症の可能性は変わるのでしょうか?」
⇒低下させます。
対側乳癌発生には「40~50%低減効果がある」と言われています。
○確かに、「再発低リスク」であることは間違いありませんが、「効果と副作用のバランス」からは「ホルモン療法は推奨」されます。
質問者様から 【質問2 薬の効果】
早々にご丁寧な回答を下さりありがとうございました。
転移再発、対側乳癌発生を考えると、やはり薬の治療は大切だと思いました。
主治医とも相談し、前向きに治療にしていこうと思います。
ただ、正直あるかどうかわからない副作用に不安もあります。
万が一、副作用がひどい場合、途中でやめることもありなのでしょうか?
どれ位の期間のんでい高にもよると思いますが、少しでも飲んでいれば、薬の効果はあるものでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「ただ、正直あるかどうかわからない副作用に不安もあります」
⇒ホルモン療法は、乳がん患者さんの7割以上が受けている治療です。
通常、副作用で「治療を継続できない」方は多くはありません。
まずは初めて見ましょう。
「どれ位の期間のんでい高にもよると思いますが、少しでも飲んでいれば、薬の効果はあるものでしょうか?」
⇒ホルモン療法の場合には効果がでるまでに3カ月位かかります。
予防として行うのであれば、1年以上は継続した方がいいです。