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ホルモン療法について、アロマターゼ阻害薬かタモキシフェンか

[管理番号:8668]
性別:女性
年齢:45歳
病名:粘液がん (混合型)
症状:アロマターゼ阻害薬の副作用と思われる手足のこわばり、皮膚炎、腱鞘炎
投稿日:2020年6月22日

田澤先生よろしくお願いします。

このような質問の場所を設けていただきありがとうございます。

先生のお言葉に救われるとともに、自分以外にも真剣に病気と向き合っている方々の言葉も聞くことができ、大変勇気づけられております。

私は海外在住の45歳の主婦です。
42歳のとき乳がんを患い、温存
手術、抗がん剤FEC-T6クール、放射線治療を経てからホルモン療法を継続しています。

<病理検査>
粘液がん(混合型)
ステージ3
グレード3
ルミナールB(HER2陰性)
Ki67 35%

お忙しいところ大変恐縮ではありますが、ホルモン療法について是非とも先生のご意見をお聞かせくださいませ。

抗がん剤治療の途中から生理が止まっていたのですが、タモキシフェンを服用し始めてから約1年後の2019年4月に出血があり、8月にも出血。
主治医に相談したところ、血液検査の結果から生理が再開したのだろうと、LH-RHアゴニスト薬(ゴセレリン)を勧められ、8月末から月1で注射開始。
注射を打った数日後は、腰が砕けるほどの腰痛が突然始まり、それが約1週間続いていました。
身体がどうなってしまうんだろうとかなり怖かったです。
この腰痛が今後も続くのかと心配しましたが、11月には生理も止まり腰痛にも解放されました。
生理が止まったことにより、約1年半タモキシフェンを服用していましたが、主治医の指示により、閉経後に適用されるアロマターゼ阻害薬のレトロゾールに変更されました。

ですが副作用と思われる、関節痛、手足のこわばりが出始め、子どもの頃からの皮膚炎も悪化し、非常に日常生活が辛くなったため主治医に相談したところ、お薬を変えてみましょうと言われました。
レトロゾールを3週間ほど休薬して、今年2020年3月からステロイドタイプのエキセメスタンに変更。
レトロゾール休薬中は、痛みも炎症も回復していましたが、やはりエキセメスタンが始まってからは同じように副作用発症、さらには頭皮にも違和感が出てきて抜け毛が増え、5月からは手首の腱鞘炎も出始め、ペットボトルの蓋さえ開けることが困難になってしまいました。
自分なりに薬のことを調べ、閉経が認められた患者にはタモキシフェンよりアロマターゼ阻害薬の方が再発抑止効果があると理解しています。
私の場合、副作用に耐えながらもアロマターゼ阻害薬の治療を継続すべきでしょうか?その場合レトロゾール、エキセメスタンは試みたので、アナストロゾールに変更して副作用の出かたを知るのも意味がありますでしょうか。

それと、私の場合、LH-RHアゴニスト薬(ゴセレリン)で作り出された閉経状態ですが、アロマターゼ阻害薬は機能しているのでしょうか。
副作用は辛くとも、男性ホルモンであるアンドロゲンからエストロゲンが作られる過程があり、アロマターゼの阻害作用によりアンドロゲンからエストロゲンへの変換を抑える効果が確実にあるのなら、どうにか頑張るべきかとも思うのです。

ですが、主治医は副作用が辛ければ、タモキシフェンとLH-RHアゴニスト(ゴセレリン)の併用に戻るのもありだと言っています。
副作用が緩和されれば、私にとっては有り難いですが、再発防止率が低くなると思うと踏み切れないでいます。
戻すにあたりタイミングはありますでしょうか。
(例えば、今服用中のエキセメスタンを1
カ月くらい休薬してからとか、月一のLH-RHアゴニスト薬の注射の日に合わせて再開するなど) そして、現在45歳ですが、どこの先何年ほどタモキシフェンとLH-RHアゴニスト薬(ゴセレリン)の継続が可能でしょうか?タモキシフェンに戻って生理が再開してしまったらどうしたらいいのでしょうか?いずれはアロマターゼ阻害薬に戻ることになるのでしょうか?

田澤先生が私の主治医であったら、どのようなホルモン療法をご提案くださいますか?

<ホルモン療法経緯サマリー>
2017/3月 タモキシフェン服用開始
2019/8月 LH-RHアゴニスト薬(ゴセレリン) 月一で追加
2019/11月 血液検査にて閉経と判断、タモキシフェンからアロマターゼ阻害薬(レトロゾール)に変更
2020/3月 副作用が酷いので、アロマターゼ阻害薬(エキセメスタン)に変更し継続中。
手首腱鞘炎にもなり副作用は変わらず辛い。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「田澤先生が私の主治医であったら、どのようなホルモン療法をご
提案くださいますか?」
⇒当然「タモキシフェンとLH-RHア
ゴニスト(ゴセレリン)の併用に戻るのもあり」という主治医に賛成します。

 タモキシフェンとアロマターゼ阻害剤の再発率の違いは(あるとしても)、現在の
質問者の感じている苦痛を埋めるほどには到底なりません。