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ホルモン療法について

[管理番号:7038]
性別:女性
年齢:49歳(手術時年齢:43歳)
病名:浸潤性乳管癌(硬癌)右側
症状:

はじめまして。

田澤先生のご意見をお聞きしたく、よろしくお願いします。

診断結果は以下の通りです。

ステージ1
腫瘍の大きさ 1.9cm
ER +(0~8段階の7)
PgR +(0~8段階の8)
HER2 -(IMC法で2+だったためFISH法で-)
ki67 20%程度
グレード2
リンパ節転移 なし
脈管侵襲 血管0 リンパ管1
切除断端 陰性

温存手術後、放射線治療を経てホルモン療法であるリュープリン注射とタモキシフェン内服を始めました。

リュープリン注射は3年間で終了、現在はタモキシフェン単独で丸6年が経ちました。

主治医は、後1~2年はタモキシフェンは続けましょうと言っています。

(閉経はしていません)

タモキシフェンは、計約8年間続ける予定ですが、中リスクの私の場合10年間続けた方が良いのでしょうか?

当初主治医は、抗がん剤をするかどうか悩んでいました。

グレード2、 脈管侵襲あり、ki67=20%、腫瘍の大きさ1.9cmが迷う因子だったようです。

田澤先生でしたらどう判断されますか?

それから、ホルモン療法を始めてから更年期症状に悩まされています。

ホットフラッシュ、発汗、疲労感、イライラしたり落ち込んだりと。

リュープリン注射中は特に酷く、日常生活にも支障をきたすくらいでしたが、現在はまだ症状はあるものの軽くなっています。

そこで、更年期の症状を軽減したく、プラセンタ注射を考えています。

主治医に相談したところ、成分がよくわかってないのでコメントできないとのことでした。

乳癌診療ガイドラインにも同じような事が書いてありました。

次に、更年期に対してプラセンタ療法を薦めている婦人科の医師に相談したところ、プラセンタは体の機能を正常にする良い状態にする働きがあり、タモキシフェンは敢えて正常でない状態を作り出している。
そこに多少は影響するかもと言うような見解でした。

直接女性ホルモンに作用するとは言っていませんでしたが、体の機能が元気になることで間接的に影響するのかな?とも思えました。

田澤先生は多くの同じような質問に対して、ホルモン療法中のプラセンタ注射or服用は影響ない、問題ないと回答されています。

先生によって考えが違うので悩んでしまいます。

影響がない根拠はなんでしょうか?

また、ホルモン療法終了後、プラセンタ注射or服用は、再発リスクを上げませんか?

田澤先生は更年期症状を軽くするものとして、お勧めはなんですか?
やはり、エクオールとかでしょうか?「今週のコラム 74回目」拝見しております。

今週のコラム 74回目 エクオールの乳癌リスク低減効果は証明されていないが、(ホルモン療法による)エストロゲン欠乏症状に対する「安全な対症療法」として期待している。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「タモキシフェンは、計約8年間続ける予定ですが、中リスクの私の場合10年間続けた方が良いのでしょうか?」
→5年でいいと思いますが、(ご本人が希望なら)10年でもいいでしょう。(基準など存在しません)

「当初主治医は、抗がん剤をするかどうか悩んでいました。」
「グレード2、 脈管侵襲あり、ki67=20%、腫瘍の大きさ1.9cmが迷う因子だったようです。」
「田澤先生でしたらどう判断されますか?」

→ルミナールAです。(私なら1秒も迷いませんが…)

「影響がない根拠はなんでしょうか?」
→(悪いという)エビデンスがないからです。

「また、ホルモン療法終了後、プラセンタ注射or服用は、再発リスクを上げませんか?」
→あげません。

「田澤先生は更年期症状を軽くするものとして、お勧めはなんですか?やはり、エクオールとかでしょうか?「今週のコラム 74回目」拝見しております。」
→その通り。