[管理番号:976]
性別:女性
年齢:53歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
再度、お世話になります。
ホルモン感受性のエストロゲンの数値の確認なんですが、6から4に下がったということは、
一体どちらを信用するべきなんでしょうか?こういった数値の違いは、病理医のミス?でよくあることなんでしょうか?ホルモン治療は、私には関係ないかも・・と思っていたら、やる、やらないによって、再発率が35%から20%までおとせて15%も変わるとはびっくりです。6や4というのは6%、4%という意味でしょうか?もしそうだとしたら、多い方は70%とか80%の方もいるのに、こんな微小な数値でもその方たちと同等の効果は期待できるんでしょうか?
先生がおっしゃるように感受性が1%でもあれば必須ということは、やはりやるべきとは思うんですが、長い期間飲み続ける副作用と効果を比較して、どちらがいいのかがどんどんわからなくもなってきています。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
私の経験では、「手術標本はホルマリン固定が不十分となり易い」ため、「ER, PgRに関しては針生検の標本の方が信頼できる」と考えています。
ただ、担当医が「手術標本を優先している」理由を聞いてみた方がいいと思います。
何故なら「針生検の組織が上手く採取されていなくて、少数での評価」と言う可能性があるからです。(十分な組織量での評価ならば、針生検で感受性が解っていればやはりそちらを優先と思います)
回答
「一体どちらを信用するべきなんでしょうか?こういった数値の違いは、病理医のミス?でよくあることなんでしょうか?」
⇒冒頭でコメントした通り、「針生検標本」で感受性が証明されているのであれば、そちらを信用すべきです。
また、病理医のミスではなくて、「術後、摘出標本をホルマリンに付けるまで時間が空いてしまった」とか、「ホルマリン量が不十分だった」とかの可能性もあります。
この場合は病理医というよりは「担当医の不手際」となります(真相の解明はかなり困難ですが…)
「6や4というのは6%、4%という意味でしょうか?もしそうだとしたら、多い方は70%とか80%の方もいるのに、こんな微小な数値でもその方たちと同等の効果は期待できるんでしょうか?」
⇒%という表記を用いていない事から、(%ではなく)恐らくallred scoreだと思います。
Allred scoreであれば、%表示とは(そのままでは)比較できないのです。
(参考までに)
「染まっている割合」と「染まっている濃度(強度)」の組み合わせがAllred scoreです。
Allred score
染色細胞割合(PS) 1:染色される細胞が0~1/100
染色細胞割合(PS) 2:染色される細胞が1/100~1/10
染色細胞割合(PS) 3:染色される細胞が1/10~1/3
染色細胞割合(PS) 4:染色される細胞が1/3~2/3
染色細胞割合(PS) 5:染色される細胞が2/3~1
染色強度(IS)
0:全く染まっていない
1:弱く染まっている
2:中間程度に染まっている
3:強く染まっている。
♯判定基準 染色細胞割合(PS)+染色強度(IS)=TSとして3以上を陽性
○allred scoreでの6は十分に高値であり、4でも陽性なのです。
質問者様から 【感想2】
田澤先生、ご丁寧な答え本当に感謝しています。専門的に文字と数字で比較してくださって、素人である私にもようやく理解できました。ホルモン治療も前向きにがんばっていこうと思っています。ありがとうございました。