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非浸潤性と言われました

[管理番号:2164]
性別:女性
年齢:34歳
10年程前から検診を受けていました。
年1回のマンモグラフィーと半年に一度のエコーです。
結婚して不妊治療を始めた2年ほど前から石灰化が増えましたがこのくらいなら大丈夫と言われ経過観測しましたが、去年の11月に気になる形があると言われてマンモトームで非浸潤性乳癌と言われました。
範囲が広いため(4分の1)乳頭を含めて全摘と言われてました。
今手術すれば根治すると言われましたが、毎年検診に行っていたにもかかわらず全摘するのがショックでした。
念のためにセカンドオピニオンに行くと、マンモトームでは一部分しかとってないし、広範囲のため浸潤癌があるかもしれないと言われて怖くなり毎日不安で眠れません。
主治医には、MRIではよくわからないと言われましたがセカンドオピニオンの先生には淡い造形範囲はおそらく癌の広がりと言われました。
最初の検診の先生が早めに判断していれば広範囲になる前に見つけることができたんでしょうか?
もしも浸潤性の癌があれば転移することがあるんでしょうか?
最初の検診から2ヶ月ですがその間に癌は広がりますか?
この一年で石灰化がかなり増えたので進行が早いのか不安です。
最近は咳が出始めて肺に転移しているのか不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「2年ほど前から石灰化が増えましたがこのくらいなら大丈夫と言われ経過観測」
⇒この辺りが問題と言えます。
 私のように「数多くの石灰化にステレオガイド下マンモトーム生検(ST-MMT)をしている」と「積極的にST-MMTをすることの重要性」を肌で感じます。
 
「セカンドオピニオンに行くと、マンモトームでは一部分しかとってないし、広範囲のため浸潤癌があるかもしれない」
⇒広範囲の場合には(あとは非浸潤癌のタイプですが、「形が気になる」とあるので
コメドタイプ 壊死型石灰化なのだと思います)浸潤部分が存在する可能性は確かにあります。
 但し、私のST-MMTのデータでは、その可能性は「僅か8%」程度に過ぎません。
 しかも、かなり「殆どが微小浸潤」です。
 有る程度の「大きな浸潤癌」があれば、ST-MMTで(最初から)「浸潤癌の診断となる」のです。
 
「主治医には、MRIではよくわからないと言われましたがセカンドオピニオンの先生には淡い造形範囲はおそらく癌の広がりと言われました。」
⇒MRIよりは「マンモグラフィーでの石灰化の範囲」が「本当の病変の拡がり」だと思います。
 
「最初の検診の先生が早めに判断していれば広範囲になる前に見つけることができたんでしょうか?」
⇒そう思います。
 もしかすると「自分の家族」であれば「経過観察ではなく、積極的に精査(ST-MMT)を勧めた」かもしれません。
 
「もしも浸潤性の癌があれば転移することがあるんでしょうか?」
⇒そういう段階ではありません。
 ご安心を。
 
「最初の検診から2ヶ月ですがその間に癌は広がりますか?」
⇒それ程のスピードはありません。
 
「この一年で石灰化がかなり増えたので進行が早いのか不安です。」
⇒「乳管内を拡がり、(結果として)石灰化が増加する」ことと、癌として進行する(浸潤やリンパ節転移)ことは「別次元」の話です。
 
「最近は咳が出始めて肺に転移しているのか不安です。」
⇒それは、ありえません。
 ご安心を。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はありがとうございました。
今月末に全摘手術+センチネルリンパ節+同時再建手術をします。
術前検査は行いましたが、マンモトームの検査結果を詳しく聞いておりません。
みなさんの質問を見るとホルモン受容体、悪性度など把握して
おられる方が多いと思いました。
私はただの非浸潤性癌とした聞いてません。
それにマンモトーム生検前に撮った造形MRIは撮りましたがCTは撮ってません。
MRIも1ヶ月以上前のものです。
また、手術は午後からとしか教えてもらえなくて、午前中の外来があるのではっきりした時間はわからないとのことで、入院も当日入院と言われました。
自分なりに色々調べると少し適当な気がして不安になりました。
この検査の流れで大丈夫でしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「みなさんの質問を見るとホルモン受容体、悪性度など把握しておられる方が多いと思いました。私はただの非浸潤性癌とした聞いてません。」
⇒非浸潤癌の場合は、「サブタイプ」は不要です。
 ただ「low / intermediate / high」などのgradeだけでも教えてもらいましょう。
 
「それにマンモトーム生検前に撮った造形MRIは撮りましたがCTは撮ってません。」
⇒不要です。
 CTは何のために撮影するのか? 全身検索の為です。
 非浸潤癌で「遠隔転移などありえません」
 どこかの病院で「非浸潤癌の診断でPETをしている」とありましたが、呆れるどころか怒りを感じます。
 ♯是非、トップページの「今週のコラム 6回目 無駄どころか有害なのです」を参照してください。
 
「MRIも1ヶ月以上前のものです。」
⇒MRIも「そんなに頻回に撮影」する意味がありません。
 特に「全摘」と決めているのであれば、「乳腺内の拡がり」はあまり意味がありません。
 
「この検査の流れで大丈夫でしょうか?」
⇒いいと思います。
 余計な検査をすることは「自分の体のためにも良くない」という認識をもってください。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

いつもご丁寧なご回答ありがとうございます。
先週、皮下乳腺切除術+センチネルリンパ生検+同時再建を行いました。
リンパの転移はありませんでした。
今は退院して自宅療養中ですが脇の痛みがかなりあります。
色んな方のブログを拝見しておりますが皆様リハビリの指導があるようですが、私が先生に相談したところリンパをとったわけではないのでリハビリは必要なく、痛みもそのうち消えるとの事でした。
エキスパンダーが入っていますが腕を上げたりリハビリはした方がいいですか?
また想像以上に皮膚が残っていた事に驚きました。
マンモトームの跡もそのまま残っていました。
そこから再発するリスクがあるのか不安です。
手術当日も麻酔科医の先生もいなくて、外科と形成外科の先生のみで行われました。
外科の担当の先生は非常に若く不安でしたが当日言われたので変更して下さいとは言えませんでした。
麻酔科医のいない手術は大丈夫でしょうか?
宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「私が先生に相談したところリンパをとったわけではないのでリハビリは必要なく、痛みもそのうち消えるとの事でした。」
⇒そのとおりです。
 「センチネルリンパ節生検のみ」であれば「リハビリは不要」です。
 
「エキスパンダーが入っていますが腕を上げたりリハビリはした方がいいですか?」
⇒ゆっくり上げてみてください。(リハビリなどしなくても)上がる筈です。
 
「また想像以上に皮膚が残っていた事に驚きました。マンモトームの跡もそのまま残っていました。そこから再発するリスクがあるのか不安です。」
⇒皮下乳腺全摘を選択した以上、有る程度は仕方がないことです(ただ、可能性はかなり低いです)
 
「麻酔科医のいない手術は大丈夫でしょうか?」
⇒今時珍しいですね。
 ただ20年前には「自家麻酔(各科で麻酔をかけること)が普通のこと」でした。
 「無事に終了」しているわけなので何ら心配ありません。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

いつも大変お世話になっております。
先月手術して、本日最終病理結果が出ました。
最初の診断通り非浸潤性乳管癌でした。
範囲は2センチ
核グレードは1
ホルモン受容体は100%と書いてありました。
以上の事しか聞くことができませんでしたが、今後は無治療で浸潤性の癌がないのでホルモン剤は必要ないとの事でした。
ホルモン受容体が100%でも無治療でいいんでしょうか?
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「最初の診断通り非浸潤性乳管癌でした。」
⇒大変良かったです。
 これで「皮下乳腺全摘とはいえ」ほぼ「根治」と言えます。
 
「今後は無治療で浸潤性の癌がないのでホルモン剤は必要ない」
⇒私も全く同意見です。
 
「ホルモン受容体が100%でも無治療でいいんでしょうか?」
⇒それでいいのです。
 ほぼ根治なのです。