乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:5767]
性別:女性
年齢:38歳
初めて質問させていただきます。
よろしくお願いいたします。
【既往歴】
20歳 慢性甲状腺炎(未治療:治療対象ではない)
34歳 子宮頸がん(微小浸潤がん)→円錐切除術後、再発なし
【経過】
今年7月、シャンプーをしている時に、鏡に映る乳房下半分で若干陰影に左右差がありました。
触診してみましたが、はっきりとはわからず、
乳腺のようにも感じ、左胸も少し張っていたので、しばらく様子を見ました。
8月、もう一度万歳の姿勢で鏡を見ると、やはり若干陰影に差が
あるように感じ、万歳のまま触診してみると、しこりが触れました。
右乳房内側下の部位です。
9月○○日初診
・マンモグラフィー検査
・超音波検査
 所見: 18㎜ 乳がんが疑われる。
リンパ節転移はなさそうだ。
9月○○日
・造影MRI
・針生検(4個)
9月○○日
・PET  ※ビジネス志向の強い病院なので、当たり前のように、PET。
診察(結果説明)
病理:浸潤性乳管癌 ER→90% PR→95% HER2蛋白→2+ ※Fish 追加検査
PET:集積あり、転移なし。
右甲状腺にも集積あるが、乳がんとは色調が異なる。
頚部エコー予約。
MRI:部分切除は可能だが、場所が下側だけに、変形が強くなる可能性がある。
術式は、形成外科医師のお話を聞いてから、自分で決める。
同時に、術前検査開始。
9月○○日
心電図異常あり。
心エコー後、内科受診。
手術に問題ないといわれる。
9月○○6日
頚部エコー
検査後、診察あり。
医師より「甲状腺に関しては、預からせてください。」と。
10月○○日
乳房全摘出術+センチネルリンパ節生検、乳房同時再建術
術中迅速→陰性(0/2)
※9月○○日に出した、HER2の結果はまだ出ていないとのこと。
11月○○日 再診
病理結果説明
組織型:硬癌(18㎜)
免疫染色:ER→95% PR→95% HER2→2+ ki67→18%
脈管浸潤:ly→+ v→-
Grade: 3 (核異型スコア→3 核分裂スコア→2)
センチネルリンパ節→陰性
※ずーっと、待っていた、Fish検査は、実は出していなかったとのことで、手術検体で提出しているとのこと。
結果は、まだ先になります。
【質問】
長々失礼いたしました。
上記を踏まえて、お伺いしたいことがあります。
①グレードの考え方について
悪性度という呼び方が、やはり心を乱します。
Q&Aを見ていると、先生はグレードはあくまで、見た目の問題で、病理医の独断でもある、といったような表現が多くみられます。
しかし、gradeを伝えるときに、主治医は言いにくそうにしていました。
医師の中にも、gradeに重きを置いている方もいらっしゃるのはなぜですか?人間でしたら、見た目が悪顔でも、心の優しい人はいます。
そのように考えてもよいものでしょうか?病理の結果としては必ず登場します。
それが心中穏やかではいられなくなります。
②gradeとki67について
私の場合は、グレードは3ですが、ki67は18と、素人感覚では乖離があるように思います。
別の方のQ&Aで、実体数という言葉を使われていましたが、理解ができませんでした。
要するに、ポイントで見ているか、全体でみているか、ということでしょうか?分裂の強い場所で見るから、その部分ではスコアは高くなるけれども、全体でみると、それほどでもないよ!ってことなのでしょうか?
③Fish結果を待ちすぎて、もう待てなくなりました。
待っている間は、
本当につらい。
先生が常々おっしゃる通り、望まない結果であったとし
ても、前進している方が、よっぽど心が落ち着きます。
そこで、次の受診の時に、効率よく主治医と相談したいので、教えていただきたいことがあります。
・Fish陽性の時に、抗がん剤+分子標的薬治療をした場合としなかった場合(ホルモン療法のみ)、私の場合は、転移再発率、および生存率はどのくらいですか?局所ではなく、転移再発です。
標準治療をしている医師に対し、このようなことをお聞きするのは申し訳ないのですが、今後を決断する時には、非常に参考になりますし、何があっても納得できると思います。
④甲状腺のことが気になっています。
最近胸や喉につかえ感があります。
しかし、ティッシュエキスパンダーに水をれてからなので、その刺激の可能性もあるのかとも思いますが、そのような合併症はどこにも記載がありません。
PETで甲状腺に集積することは珍しくはないと聞きますが、右側だけというのが気になっています。
先生のご意見をお伺いしたいと思います。
このような質問の機会を与えていただき、感謝いたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「医師の中にも、gradeに重きを置いている方もいらっしゃるのはなぜですか?」
⇒物事を「より複雑」に見せたがる人は(時々)居ます。
 たとえば、「ステージ1で喜んでいる人」を見つけては(難しそうな顔で)「でも、あなたはグレード3だから…」みたいな事を言う人です。
 「ステージ1だから喜んでもいいですよね?」と、その患者さんが聞いた際に、その「複雑好き」医師はこう答えるでしょう。「ステージが1だからと言っても、そんなに単純ではない。私のような専門家はグレードという言葉を知っているのだよ!物事は素人が考えている様に単純ではないのだよ」と。
 ☆私は物事は「よりシンプルであるべき」と考える性質なので、その手の人達には全く興味がありません。
「病理の結果としては必ず登場します。」
⇒病理医には病理医の立場があるのです。
 
 (我々、臨床医とは異なり)「標本でしか勝負できない」わけですから、(何とか頭を振り絞って)「物事を難しくしたがる」そういうことです。
「グレードは3ですが、ki67は18と、素人感覚では乖離」
⇒質問者の場合には「2つの論点」があります。
 1.グレード3の中身
   質問者の場合には『Grade: 3 (核異型スコア→3 核分裂スコア→2)』となっています。
   この「核分裂スコアが2点」に注目しましょう。
   核分裂スコアは顕微鏡の10視野でカウントされる「実際に核分裂をしている癌細胞の数」で決まります。(質問者の場合には10視野で「分裂像が5-10個認めた」ということですが、もしかして「ギリギリ5個」かもしれません)
   更に言うと、「10視野」に入る癌細胞の数自体が症例によって異なることも想像してみてください。
   つまり、(腫瘍全体に線維化が強く、癌細胞がまばらだと)当然「10視野に入ってくる癌細胞の総数が少なくなり過小評価となる」わけで、「細胞の多いタイプでは、その逆に過大評価となる」理解していただけましたね?
 2.核分裂とKi67で評価していることが「微妙に」異なる。
   どちらも「細胞分裂」をみていることは共通ですが
   「Ki67」細胞分裂期にある癌細胞の割合(%)に対して「核分裂」は「実際に細胞分裂をしている癌細胞の数」なのです。
   ☆上記を詳しく解説すると
    細胞は「細胞分裂を行っている(細胞分裂期にある)細胞」と「分裂を休止している細胞(G0期といいます)」に分けられます。
    細胞分裂を行っている細胞はG1(DNA合成の準備)⇒S(DNAの複製)⇒
G2(分裂の準備)⇒M(有糸分裂の時期)に分けられ、実際に分裂を行っているM期は短いのです。
    グレードで見ている「核分裂」は、これらの内「M期」の細胞のみをカウントしているのに対し、Ki67は(G0期以外の)「G1+S+G2+M」期全ての細胞の割合を見ているのです。
     ♯この点でも差異が生じると思います。
「・Fish陽性の時に、抗がん剤+分子標的薬治療をした場合としなかった場合(ホルモン療法のみ)、私の場合は、転移再発率、および生存率はどのくらいですか?」
⇒単純に考えましょう。
 HER2陽性乳癌に対し、抗HER2療法は「再発率を半分」に減らし、「死亡率を33%減ずる」ということです。
「甲状腺のこと」「先生のご意見をお伺いしたい」
⇒PETは大して参考になりません。
 超音波で見て大丈夫なら大丈夫、「何か結節があれば、細胞診すべき」 物事は単純に考えましょう。





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