[管理番号:4553]
性別:女性
年齢:36歳
はじめまして。
左胸に8ミリ程の小さな線維腺腫があり、2年まえから乳がん検診をしているクリニックに通っています。
今年の2月に右胸の胸の付け根辺りにしこりらしいものが触れたので、医師にてエコーをしてもらいました。
その際エコーにしこりとしてはうつってないので、「乳腺症だと思うという事で様子見でどうですか?」と言われ次の検診は1年後位になっていました。
(左胸の線維腺腫は大きさかわらず)
それから1ヶ月後、自己検診をしたところ今度は右胸にしこりらしきものが、脇と胸の付け根にできていました。
1ヶ月前には恐らくできおらず1ヶ月の間に1センチ位の触れるものができて不安になり再度クリニックに行き、場所も確認してもらいエコーをしてもらいました。
こちらも「エコーにはっきりしこりとしてうつってないようで、乳腺か乳腺症によるしこりかな」と。
私は婦人科疾患があり、3年ほど薬で生理を止めています。
それでも乳腺症として、しこりになったりするのでしょうか?
特に痛みなどはありません。
エコーにはっきりしたしこりを確認できない場合、組織検査などは不要ですか?また悪いものではないので安心してよろしいでしょうか?
クリニックの医師は様子みたのでいいんじゃないか?との事です。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
患者さんが、「しこりを自覚」した場合は通常
1.腫瘍(癌を含む)
2.嚢胞(乳管が詰まって内容液が貯まったもの)
3.乳腺症(線維化を起こして乳腺が硬くなっているだけ)
4.過誤腫(腫瘍のようであるが、実は腫瘍でもない)
上記となります。
しかし、時々(確かに、「シコリ様」に触知するのに)「正常乳腺(周囲の乳腺と全く区別つかない)」であることがあります。
これは「広義の乳腺症」といえます。(因みに結節様に触知する場合に「乳腺症結節」と呼ばれることもあります)
♯つまり乳腺症とは「狭義」では(正常)乳腺が「線維化」を起こして「乳管が閉塞」して結果として「嚢胞(内容液が貯留)」や「乳管拡張(乳管が詰まることで内容液で押し広げられる)」を画像上認める場合に用いますが…
「広義」では(エコー像では上記特徴を備えず)「線維化」による「硬さ(硬いのでシコリとして触知)」や「疼痛」がある場合にも乳腺症と表現するのです。
○乳腺症とは(病気ではなく)「線維化」を起こすことで起こる「変化」をもとものの「総称」なのです。
「私は婦人科疾患があり、3年ほど薬で生理を止めています。それでも乳腺症として、しこりになったりするのでしょうか?」
⇒上記通りです。
「生理を止める」ことと(卵巣から出る)「女性ホルモンによる乳腺への刺激」は直接関係ありません。
乳腺は「ホルモンバランスの不均衡」などで「線維化」を起こし、「乳腺症と呼ばれる状況」を引き起こすのです。
「エコーにはっきりしたしこりを確認できない場合、組織検査などは不要ですか?」
⇒不要です。
「癌を疑う要素が全くない」状況で「組織検査は不要」です。
「また悪いものではないので安心してよろしいでしょうか?」
⇒その通りです。
「正常乳腺(広義の乳腺症)」であれば、「癌とは全く無関係」なのです。
「クリニックの医師は様子みたのでいいんじゃないか?との事」
⇒私は「あいまい」にして「様子をみる(万が一誤診だった場合に備える)」のが嫌いです。
「正常なものは正常」それでいいのです。(様子を見る必要もない)