[管理番号:4068]
性別:女性
年齢:47歳
ステージⅢc
術前化学療法FEC2クール効果なく、パクリタキセルトータル4クール施行し11月(中旬)日右乳房切除、腋窩かくせい実施。
パクリタキセルは4クールでの評価で効果あり、2クール追加後評価で効果なく手術となりました。
術後病理結果、浸潤経90mm、リンパ節転移48、脈管侵襲強、組織学的
悪性度grade3、ER陰性、HER2陰性、Ki67 80%、病理学的治療効果
判定grade1、組織型浸潤性微小乳頭癌
今後、放射線療法を予定しています。
質問です。
浸潤性微小乳頭癌であることで治療が変更されること、影響することは何かありますか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
浸潤性微小乳頭癌は、治療方針には影響ありません。
組織型が治療方針に影響を与えるのは「超低リスクとしての 腺様嚢胞癌と管状癌、
粘液癌のみ(その中でも腺様嚢胞癌は別格扱いです)」です。
その他の組織型は「化生癌も含め」治療に影響ありません。
質問者様から 【質問2】
いつも学ばせていただいております。
よろしくお願いいたします。
以下が経緯と相談です。
2016年3月、ステージⅢcと診断され、腫瘍が大きく固定され、胸骨傍リンパ節にも転移がある状況でした。
遠隔転移はありませんでした。
3月より術前化学療法FECを開始し2クール行いましたが効果なく、パクリタキセルとアバスチンをトータル6クール施行し11月に右乳房切除、腋窩かくせい術を行いました。
12月より放射線療法30回行っています。
2月よりゼローダ開始し、現在4クール目にはいりました。
パクリタキセル+アバスチンは4クールでの評価で効果があり、追加で行いましたが2クール追加後効果がなく、腫瘍が大きくなってきたため手術となりました。
2013年3月の検診で左乳がんの疑いを指摘され、定期検診は毎年もしくは半年に1回、乳腺科を受診し、細胞診やマンモグラフィ、エコーをしていました。
2015年の検診でも問題は指摘されていませんでした。
2015年の年末に右乳房の腫瘤に気が付き、年明けに乳腺科に電話し予約が2月となりましたが、2016年1月より腫瘤の痛みがでてきて、気のせいかもしれませんがどんどんと痛みと腫瘤が大きくなり、受診時には5cm位となっていました。
気のせいかもしれませんが、12月に気が付いたときは指2本で触知したような感じで小さかったように思います。
2月の受診時に細胞診し、クラス5でしたので、MRIと生検で乳がん確定し総合病院を紹介され治療開始となりました。
術後病理結果は、浸潤経90mm、リンパ節転移48/49、脈管侵襲強、組織学的悪性度grade3、ER陰性、HER2陰性、Ki67 80%、病理学的治療効果判定grade1、組織型浸潤性微小乳頭癌
3月より、手術部位と腋下、右上腕(特に後面)の違和感や軽度の痛みが出てきました。
リンパ浮腫は術後に出現があり、スリーブ使用と自己マッサージ(毎日)を行っていいました。
上腕のリハビリとしてストレッチをすると気持ちがよく動きも良くなっていたいので続けていましたが、違和感が強く出てきてからは苦痛となり、気持ちがいいと感じるときだけ現在は時々行っている状況です。
4月になり上肢痛が強く、眠れないことがあり、来週にCTと骨シンチを予定しまいます。
再発であれば、次回の受診で今後の治療についての話があると思いますが、今後の治療選択について事前に知っておきたいと思い、再発の場合、の治療について教えていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「再発の場合、の治療について教えて」
⇒化学療法としては通常は「ドセタキセル」が第1選択となります。
ただし「eriblin」も候補には挙がるでしょう。
ただ再発が「局所」の場合には「局所療法(放射線)も見当されるべき」です。
♯もしも「上肢痛=上腕骨転移」の場合には「照射は必要」となります。
質問者様から 【質問3】
よろしくお願いします。
先日、CTと骨シンチを行い、縦隔リンパ節と対側のリンパ節に転移があり治療が変更になります。
多発性肺転移及び癌性胸膜炎疑いもありとなりました。
術後には放射線療法も行いましたが早期の再発となり、ちょっとへこんでおります。
現在まで、治療時のみ時間でお休みをいただき(手術時は3週間弱)働いておりましたが、今後いつまで今まで通りに働けるかも心配です。
治療はEriblinを来週から予定しています。
ゼローダ内服中の再発で、
ゼローダは昨日より中止となっています。
今後の治療について教えていただきたいのでお願いします。
また、今後注意すべき症状もあればお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「今後の治療について教えていただきたいのでお願いします。」
⇒術前化学療法でpaclitaxelで効果があまり無かったということは承知していますが、bevacizumab + paclitaxelは視野に入れておきましょう。
「また、今後注意すべき症状もあればお願いします。」
⇒もしも「自覚症状」や「腫瘍マーカー」を指標として効果判定を行いながら治療することです。