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治験参加の術後の治療法について

[管理番号:2761]
性別:女性
年齢:51歳
以前、治験参加の治療についてご相談させていただいた者です。
その節はありがとうございました。
*「管理番号」が不明とのことですので、新たな「管理番号」にしました。 ホームページ管理者 
(管理番号:1891 「治験参加を含めた治療方針の選定」 ?)
本日は今後の治療法についてご相談させてください。
初発でカドサイラ、パージェタを3週間ごとに6クール投薬し、リュープリン、タモキシフェンのホルモン治療も同時並行して効果を確認するという治験ですが、薬がよく効いたようで、4クール終わったところでのエコー、造影MRI、触診の結果ではしこりが消失していて、マンモトーム生検では以下の結果が出ました。
『炎症と線維化を伴う乳腺組織です。
腫瘍消退後の線維化として矛盾しません。
一部の乳管内で濃染核を有する細胞が充実性に増生しています。
残存癌と判断します。
観察される範囲内で浸潤癌は指摘できません。
分裂像は0/5HPFです。』
ER陽性率70%
PgR陽性率30%
HER2 3+
Ki67 中等度(5-20%)
このまま順調にいけば、あと2クール終えてからの手術となりますが、今度は全摘か温存か、また術後の治療法をどうするかについてを決めなくてはいけません。
術後については手術での詳しい検査結果にもよると思いますが、私が今思いつく選択肢は大まかに以下の5つです。
田澤先生
でしたらどのような治療法を推奨されますか?ご意見とメリット、デメリット、もし他にも推奨される治療法などがあればお聞かせください。
①全摘→術後抗ガン剤+ハーセプチン1年+ホルモン5年
②全摘→ハーセプチン1年+ホルモン5年
~①②共通で乳房自家再建~
③温存→放射線+術後抗ガン剤+ハーセプチン1年+ホルモン5年
④温存→放射線+ハーセプチン1年+ホルモン5年
⑤温存→ハーセプチン+ホルモン5年
また、現在がんセンターで治療中ですが、手術だけを田澤先生にお願いするということは、治験参加ということからも非現実的でしょうか?無理を承知で伺わせてください。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
治験で効果があるようで何よりです。
「田澤先生でしたらどのような治療法を推奨されますか?
ご意見とメリット、デメリット、もし他にも推奨される治療法などがあればお聞かせください。」
⇒術式に関しては…
 (抗がん剤をする前の)もともとの「腫瘍の拡がり」を参考に決めるべきです。
 注意点としては、(抗がん剤終了後の状態で)「小さいから温存」とは決めつけない事です。(腫瘍がもともと点在しているようなタイプでは、点状に残存することも考えられるため、そもそも温存にはリスクが伴うのです)
⇒術後補助療法については…
 それこそ「治験」なので「エビデンス」がありません。
 (術前術後トータルで抗がん剤+ハーセプチンを1年間が原則として)一般的に考えれば…
 ハーセプチン単剤で8カ月(術前にカドサイラを4カ月行っているため)でいいと思います。
 
「また、現在がんセンターで治療中ですが、手術だけを田澤先生にお願いするということは、治験参加ということからも非現実的でしょうか?」
⇒治験中なので、難しいと思います。