乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:7211]
性別:女性
年齢:72歳
病名:乳がん
症状:乳がん

田澤先生、初めまして。

母の乳がん病状及び治療方針について、よろしくお願いします。

2019年1月末に左乳がん、腋高リンパ節転移、鎖骨下リンパ節転移と診断されました。

針生検、CT、PET-CT等の結果(2月上旬時点)
・胸の腫瘤の大きさ: 16㎜、11㎜
・腋高に複数リンパ節腫大、鎖骨下に周囲組織と、境界不明瞭な5cmのリンパ節転移
・遠隔転移は認めず
・細胞の顔つき: 2
・ホルモン感受性: 弱い
・HER2: 2+(→精密検査後:陰性 1.2)
・Ki67: 40-50% 高い
ホルモン感受性の低い、活発なタイプの乳がんです。

術前治療(腫瘍を小さくして手術を行える様にする)
・ホルモン療法: 少し効果があるかもしれない
・化学療法: 術前に行う 中心静脈ポート留置
①タキサン系: 3ヶ月
②EC: 4回 3ヶ月
・放射線治療: 手術を施工した場合に予定

主治医の先生曰く、鎖骨下の腫瘤が大きく手術が出来ない状態なので、
抗ガン剤治療で腫瘍を小さくなったら手術をする、との事です。

2/(下旬)に1回目のパクリタキセルの投与が始まり、今後週1回ペースだそうです。

昨日、2回目の投与の際に鎖骨下腫瘍が更に1cm大きくなっていたそうで、大変心配しております。

①田澤先生はこの治療方針はどう思われますか?
②抗ガン剤治療を始めたばかりですが、腫瘍が1cmも大きくなっており、心配です。
これから効いていくのでしょうか?
③このまま腫瘍が小さくならず、手術が出来ない場合は、癌の進行を食い止めらず、緩和ケアしか方法はないのでしょうか?
④上記の診断結果を見ると、あまり治療が効かないタイプなのでしょうか?もちろん根治とは言いません、ただ少しでも長く生きたいと言う希望はありますでしょうか?

よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

鎖骨下リンパ節が5cm?
鎖骨上の間違いでは?(5cmの鎖骨下リンパ節は、通常ありません:鎖骨下領域=レベル3は非常に狭いのです)

「①田澤先生はこの治療方針はどう思われますか?」
→鎖骨下に5cmであれば…
 手術不能乳癌として「術前化学療法の絶対的適応」となります。

「②抗ガン剤治療を始めたばかりですが、腫瘍が1cmも大きくなっており、心配」
「これから効いていくのでしょうか?」

→慎重に見ないといけません。

 3回やっても縮小しないなら(毎週投与だから、3回で1回分です)、薬剤の変更(アンスラサイクリンへ)が必要となります。

「③このまま腫瘍が小さくならず、手術が出来ない場合は、癌の進行を食い止めらず、緩和ケアしか方法はないのでしょうか?」
→放射線は間違いなく効きます。

 その場合には、「(鎖骨下への放射線照射」→「手術」とすべきでしょう。

「④上記の診断結果を見ると、あまり治療が効かないタイプなのでしょうか?」
→パクリタキセルを1回やっただけで…

 諦めるべきではありません。

「もちろん根治とは言いません」
→鎖骨上リンパ節転移だけで…

 根治を諦める必要はありません。

〇まずは抗がん剤の効果を確認することです。
(抗がん剤が効きにくい際には)期を逸することなく、放射線治療への切り替えを考慮しましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

母の病状について
性別:女性
年齢:72歳
病名:乳癌
症状:

田澤先生

いつも乳がんプラザを拝見させて頂いております。

前回、母の事で質問をさせて頂いて、御回答も頂き、ありがとうございました。

追加で質問があり、よろしくお願いします。

前回、鎖骨下リンパ節が5cmは鎖骨上の間違いではないか、と先生からの回答でありましたが、鎖骨下で間違いないのです。

鎖骨下に「縦4×横6×高さ2cm」の腫瘍があり、大きなコブの様に盛り上がっていたのです。

乳房内や脇は1~2cmなのに、何故この鎖骨下だけがこんなに大きくなったのか…と主治医の先生も首を傾げていて、今まで見た事のないケースだそうです。

治療内容は2/(下旬)~パクリタキセルを2週連続したのですが、変化が無かったので3週間目からアバスチンも追加する事になりました。

その直後は一時的に1cm小さくなったのですが、パクリ9回+アバスチン5回目終了時に、あまり大きな効果が見えない為、こちらから主治医の先生に「抗がん剤を変えて欲しい」と依頼しました。

そこで、5/(中旬)~エビルビシンとエンドキサンに変わり、5回投与後の現在は鎖骨下の大きな腫瘍が縦横はさほど変わらないのですが、高さがほぼ無くなる程低くなりました。

そして脇の腫瘍も母曰く、自分で触ってもわからない程度に小さくなったそうです。

8月上旬に主治医の先生に「今の抗がん剤は心臓に負担が掛かるので、あと1回程度しか出来ない。8月下旬に手術可能か、検査をしましょう」と提案があり、造影CTやMRI、血管超音波検査などを行いました。

その結果「乳房内や左脇の腫瘍は無くなってはいないが、小さくなっている。
鎖骨下は骨の周りに腫瘍がついているが、境界はある様に見える。
私の上司が甲状腺手術などの経験もあり、これなら取れるだろうと言ってるので8/(下旬)に手術を行いましょう」となりました。

念願の手術まで辿り着けたのはうれしいのですが、色々不安があり質問させて下さい。

①「鎖骨下郭清の手術は経験が必要」と以前の回答で読んだ気がするのですが、現在の市民病院では年間20件程度で心配です。
大丈夫でしょうか?
何か事前に主治医の先生に確認や依頼しておいた方が良い事はありますか?

②主治医は全摘も部分切除も乳腺は取るので、再発率は変わらないと言うので、部分切除を選択しているのですが、全摘しなくても大丈夫でしょうか?

③抗がん剤のパクリ+アバスチンを途中で止めたので残り1~2回は手術後、追加で投与した方が良いのでしょうか?

④先生はこのタイミングでの手術について、どう思われますか?

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①「鎖骨下郭清の手術は経験が必要」と以前の回答で読んだ気がするのですが、現在の市民病院では年間20件程度で心配です。大丈夫でしょうか?」
⇒私に判断はできませんが…

 鎖骨下郭清の経験について聞いてみるといいでしょう。(週に何件とか)

「全摘しなくても大丈夫でしょうか?」
⇒確かに「乳腺とリンパ節」は別です。

 ただし、鎖骨下郭清の場合には広い視野が必要なので全摘の方が(傷が大きいので)有利だとは思います。

「③抗がん剤のパクリ+アバスチンを途中で止めたので残り1~2回は手術後、追加で投与した方が良いのでしょうか?」
⇒中途半端となるよりは、その方がいいようにも思います。

「④先生はこのタイミングでの手術について、どう思われますか?」
⇒手術可能であれば、時期を逃さないようにすべきです。(実際にみていませんが、今がその時期なのでは?)

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

手術後の治療方針について
性別:女性
年齢:73歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生 こんにちは。

母の病状でご相談させて頂いております。

いつも『乳がんプラザ』で勉強させて頂いており、この様な場を提供して頂き、本当に感謝しております。

前回の質問で書いた様に、8/(下旬)左乳房の部分切除、腋窩リンパ節、左鎖骨下リンパ節の手術を受けました。

元々4時間の予定でしたが、6時間で終了しました。

予定より出血量が多かったらしく、輸血の可能性もあったそうです。

胸と脇は全て取り切れたのですが、残念ながら鎖骨下が骨と静脈の周り(?)のガン細胞が取り切れず残ってしまった、と言われました。

手術後、幸いな事に痛みはほぼ無く、左手は浮腫んではいますが、肩くらいまで上げる事が出来ております。

病理結果は2週間後に出るそうです。

主治医の先生曰く、今後の治療方針は1ヶ月後から放射線治療(左乳房、左鎖骨下)をする。

術前に途中になった抗がん剤は、病理結果を見て判断する、だそうです。

質問① 田澤先生の場合、術後の治療方針はどう提案されますか?
やはり根治は難しいのでしょうか?

質問② 取り残したガン細胞がとても心配です。

最後の抗がん剤が8/(上旬)だったので、放射線後は2ヶ月以上あいてしまいます。

元々活発なガンと言われているので、大きくなったり、転移を引き起こす事になりますよね?
主治医には放射線や抗がん剤治療後も再手術は出来ない、と言われてしまいました。

どうしたら良いのでしょうか?

質問③ 取り残したガンは、再発したガンと同じ様に考えて良いのでしょうか?
それとも体内に存在している時間が長い分、もっと深刻に考えないといけませんか?

質問④ 左手の浮腫みはリンパ節を取ったからですか?
手術翌日からリハビリをしていますが、良くなりますか?弾性着衣も早々に準備した方が良いですか?

質問⑤ 術後の合併症は他にどんな可能性がありますか?それはいつ頃まで、気にしていた方が良いでしょうか?

質問⑥ 鎖骨下に6cmの腫瘍は田澤先生の経験でありますか?
乳房や脇のシコリは小さいのに、なぜ鎖骨下のみ大きくなったのでしょうか?

お忙しい所申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

どうしても鎖骨下リンパ節の5cmというのは(実際に見ない限り)鵜呑みにはできないのはご理解ください。(普段から鎖骨下までの手術をしないような医師のリンパ節の診断は眉唾なのです)
Rotterなら5cmくらいは見たことがありますが…

鎖骨下リンパ節への最大限のアプローチは
1.広い視野(全摘の方が視野が確保できる)
2.小胸筋を合併切除(鎖骨下リンパ節は小胸筋の奥にあるので、テーピングして引っ張り出しても無理な際には、小胸筋を切除することで視野が更に拡がる)
3.大胸筋も(一部)合併切除(大胸筋がある限り、その外側から覗き込むようにしか視野が取れないが、これを切除することで「真正面から」視野が取れる)『今週のコラム 180回目 乳癌診療の基本Ⅱ vol.4 「大小胸筋の両方を合併切除する」全摘→(小胸筋のみ切除する)Patey→(両方とも切除しない)Auchinclossへシフトしていったのです』をご参考に。

お気づきでしょうか?
上記1から3を行うのが、(20年以上前までは)主流であった「Halstedの手術」なのです。
現在は2も3も行いません。(行わなくても通常は鎖骨下まで郭清できるからです)

ただし、(通常ではアプローチできないのであれば)当然Halstedもありなのです。

「質問① 田澤先生の場合、術後の治療方針はどう提案されますか?」
⇒主治医と同じです。

「どうしたら良いのでしょうか?」
⇒主治医の言う通りです。
 一度手術をした部位は癒着となるので、再手術はリスクが高すぎてできません。
今週のコラム 186回目 腋窩再発vol. 2 内側アプローチの肝(キモ)は、癒着していない奥(レベルⅡ)から郭清することで再手術であることの欠点(risk)の回避なのです』をご覧ください。
 再発手術はレベル1程度ならば「内側からのアプローチ」で可能ですが、3まで行っているのであれば、アプローチしようがないのです。

「それとも体内に存在している時間が長い分、もっと深刻に考えないといけませんか?」
⇒考えすぎ

「質問④ 左手の浮腫みはリンパ節を取ったからですか?手術翌日からリハビリをしていますが、良くなりますか?弾性着衣も早々に準備した方が良いですか?」
⇒長時間の手術のようだから…

 術後の影響では?(後遺症としてのリンパ浮腫はそんなにすぐに出るものではありません)

「質問⑤ 術後の合併症は他にどんな可能性がありますか?それはいつ頃まで、気にしていた方が良いでしょうか?」
⇒それは、どのような精度での手術なのか、私には解りようが無いので…

 主治医に確認しましょう。 (常識的には、特にないと思います)

「質問⑥ 鎖骨下に6cmの腫瘍は田澤先生の経験でありますか?」
⇒Rotterならありますが…
 本当に鎖骨下?

「乳房や脇のシコリは小さいのに、なぜ鎖骨下のみ大きくなったのでしょうか?」
⇒それは不明です。





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