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非浸潤から微小浸潤が見つかった場合

[管理番号:5285]
性別:女性
年齢:48歳
はじめまして。
先月末、左乳房温存手術を受けた者です。
告知後はショックで全摘しか考えられませんでしたが、マンモトーム生検で取りきれるほど石灰化病変が小さく、術前結果も非浸潤だったので温存手術を選びました。
ところが術後の病理で一部浸潤が見つかり色々心配になり、この度質問させて頂きました。
浸潤部0.5mm×0.5mm(乳管内進展含む)
リンパ節転移なし
核グレード2
Ki67 2%
HER2発現なし
ER.pgR陽性
pSM(-)10mm
担当医からは、1期だけどほぼ非浸潤みたいなものかな。
一応ホルモン療法するならタモキシフェン5年。
どうする?と聞かれました。
・ホルモン受容体陽性なのにしなくても良いものか、再発の防止や右乳房の予防のために飲まなくても良いのでしょうか。
・放射線は高精度放射線(ハイパック)とか言う最新のを16回薦められていますが少なくはないですか。
断端陰性10mmです。
ガイドラインは
25回になっていて再発が心配です。
・今後の転移、再発リスクは高い方ですか。
・この先もし再発しても、改めて全摘すれば、最初から全摘したのと予後は同じという田澤先生の見解に私は該当しますか。
 
 宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
微小浸潤です。
(担当医のいうように)扱いは「非浸潤癌と一緒」でいいのです。
「・ホルモン受容体陽性なのにしなくても良いものか、再発の防止や右乳房の予防のために飲まなくても良いのでしょうか。」
⇒(私なら)ホルモン療法は勧めません。
 対側の予防と(ホルモン療法をすることによる)有害事象(子宮体癌や副作用など)はバランスしません。
「・放射線は高精度放射線(ハイパック)とか言う最新のを16回薦められていますが少なくはないですか。」
⇒寡分割照射の本来の適応ではない(年齢が)ようです。
 ただし、「限り無く」適応に近いとも言えます。
 問題ないでしょう。
「今後の転移、再発リスクは高い方ですか。」
⇒ほぼ非浸潤癌(遠隔転移再発はほぼゼロ)です。
 ただし「温存乳房内再発」は(通常の浸潤癌どうように)数パーセントはあります。
「・この先もし再発しても、改めて全摘すれば、最初から全摘したのと予後は同じという田澤先生の見解に私は該当しますか。」
⇒この「再発」とは「乳房内再発」のことですね?
 その通りです。