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今週のコラム 457回目 石灰化は経過をみるべき?

暑かった!

だけど、屋上へ

YEBISU対決    MEISTER vs Premium

やっぱりMEISTERだけど…

瓶はゴミ出しの時に大変だなぁ。。

カレーに見えて?実は「ビーフシチュー」

セブンイレブンの「金のビーフシチュー」というのが、(以前から)気になって気になって…

遂に食べてみました!

ただ、ご飯にかけて(しかも)ほうれん草タップリ(250g)だと味がちょい薄でした。

○本文

動画配信 石灰化は経過をみるべき?(フーちゃんさんからの熱いリアクションありそう)

動画配信では時間が短いので、少々説明不足となりがち。やはり補足は必要かな?

管理番号 11914   石灰化の気になる先生のいまのところは心配ないの真意

右胸に石灰化があり、マンモ、超音波検査、血液検査も問題なしでしたが、いつもは次は一年後マンモ、超音波するのに
何か気になるのか半年後に超音波をしますと言われて怖がり心配性の私は心配すべき事があるのかと聞くと「今のところは大丈夫」と言われましたが、今のところというのはこの先ガンの恐れがあると言う事でしょうか?
医師はどんな意味で言われたのでしょうか。
心配で、眠れず質問させて頂きました。回答よろしくお願いいたします。

私が気になったのは「今のところは大丈夫」と「この先ガンの恐れがあると言う事でしょうか?」という2つの言葉

これらの言葉は、私が最も嫌いな言葉である(そして「ある種の人達」にとっては逆に「最も都合のよい言葉」である)「癌化(本当は、そんなものありません。良性は未来永劫良性であり癌は最初から癌なのです)」が存在するかのように使われているのです。

それを説明するのが以下の図となります。

 

 

 

 

 

今のところは大丈夫」という、その石灰化が癌に伴う石灰化であれば、まさにこの段階となります。

癌が石灰化を起こして、ようやくそれが認識される時期

この段階では(原因が癌ではない)乳腺症などに伴う石灰化とは(画像上)全く区別ができない。

無論、エコーでも所見はありません。

ただ、この段階で「ST-MMT」すれば当然(もしも癌に伴う石灰化であったならば)癌と診断ができるのです。

癌なのだから、無論「今のところは大丈夫」は誤りなのです。

⇒これを正確に表現するとすれば

今のところ、(この石灰化所見は)癌の可能性が高いとは言えない。ただ、もしもこの石灰化が癌に伴うものであれば、この段階でST-MMTすれば癌と診断できます。ただ現時点での所見ではその可能性が高いとは言えないので、積極的にはST-MMTは勧めません。無論、以上を理解されたうえで(良性であれば良性を確認できて安心!ということも含め)ご希望であればST-MMTしましょう

ちょっと長ーい文章となりましたが、これが正解です。

 

 

 

 

 

石灰化の原因が癌であれば、いずれこのように増加していきます。

ある程度以上増加して、「癌を強く疑う(category Ⅳ)~癌だな(category Ⅴ)」と段々(画像上)はっきりしてきます。

そうなってから「今のところは大丈夫」⇒「いよいよ癌化した!」みたいに言い換えるつもりなのでしょう。

★しかし、その「今のところは大丈夫」という段階で診断をしていれば…

(経過観察をして無駄に進行させたがために)不幸にも将来再発でもしたら…

今のところは大丈夫」ではなく、実は「今だったら大丈夫」だったのかもしれないのです。

ステージが上がるごとに「再発のリスクも上がる」

そんな簡単なことに思いを馳せない(想像力がない)ようでは、患者さんが可哀想!

超早期発見は(早期発見に興味の無い医師からは)『何も、そんな程度の所見で針なんて可哀想』みたいに言われるかもしれませんが、そうではない。医師側からこそ積極的に導くべきでは。

そう思います。

症例1

拡大しても、解りにくいですが…

エコーでも見えない段階であれば、

(無論)ST-MMT一択となり 診断DCIS

 

 

 

症例2

2年前(石灰化なし)左

1年前(石灰化出現)中央

2年前(石灰化増加)右

ここまで(石灰化増加)来るとえこーで見えてきます。

 

 

 

 

 

 

 

但し、(石灰化の部位を)マンモグラフィーから想定し、「この辺に所見がある筈!」という心の目を以って見ないと間違いなく「見逃されてしまう」程度の軽微な所見です。

ST-MMTだと予約が取り難いのでUS ガイドでMMTEしましたがDCISの診断

この程度ならば「再発は100%無」と(私なら)言い切ります。

症例3

 

 

 

 

 

 

2年前(石灰化なし)左

去年(石灰化出現)中央

今年(石灰化増加)右

同じ「石灰化増加」でも、この位増加すると(画像では見にくいとは思いますが…)

 echoでも、このようにmassとして認識できる

エコーガイド下MMTEにてIDC

 

 

 

 

この症例の標本マンモ

石灰化は非常に狭い範囲ですが、このように十分なマージンをつけて切除しています。

ただ浸潤径が小さいとはいえ浸潤癌なので症例1や2のように「100%再発はありません」とは言い切れません。(95%以上だとは思いますが…)

 

 

症例4

 

ここまで増加させてしまうと…(検診受けていなかったので初診時ですでにこの状態でしたが…)

 

 

 

 

 

 

 

 

エコー像では、かなり広範囲の腫瘤形成となります。

 

石灰化もエコーで(黒の中の)白い点々として容易に解るようになります。

まとめ

要点がぶれてしまうのを避けるために、敢えて石灰化には「癌とは無関係な(ほとんどは乳腺症に伴う)石灰化」が大部分であることは、まず頭に入れておいてください。

石灰化=癌ではありません。

ただし、「どこまで画像所見が癌を疑うまで、待ってしまうのか?」がその患者さんの予後を決定的に変えてしまう可能性に心を馳せないのは罪深いと言えるでしょう。