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石灰化の気になる先生の今のところは心配ないの真意

[管理番号:11914]
性別:女性
年齢:60
病名:右胸石灰化
症状:石灰化
投稿日:2024年07月09日

来年で左胸乳癌手術後10年になり、一安心した中、右胸に石灰化があり、マンモ、超音波検査、血液検査も問題なしでしたが、いつもは次は一年後マンモ、超音波するのに
何か気になるのか半年後に超音波をしますと言われて怖がり心配性の私は心配すべき事があるのかと聞くと「今のところは大丈夫」と言われましたが、今のところというのはこの先ガンの恐れがあると言う事でしょうか?
医師はどんな意味で言われたのでしょうか。
心配で、眠れず質問させて頂きました。回答よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

今のところというのはこの先ガンの恐れがあると言う事でしょうか?
⇒「術後9年」ということは定期的にマンモを撮影していたということでしょうか?
それであれば、(今までになかった、前回撮影が去年なのか一昨年なのか不明です
が)新たに出現した石灰化ということになります。
年齢的に更年期の時期ならば「新たに出現した石灰化が乳腺症などに伴う石灰化であることも多い」ですが、「閉経後に新たに出現した石灰化」となると「癌が原因で起きた石灰化」の可能性は自ずと高くなります。

医師はどんな意味で言われたのでしょうか。
⇒上記の通り。
(もしも癌が原因である石灰化であれば)これから「石灰化が増加」したり「エコーで腫瘤が見えてきたり」する可能性が高いとは思うが「今のところは、ステレオガイド下マンモトーム生検を勧めるほどの所見では無い」という判断なのです。

★「今のところ」というのがポイントであり、「もしも癌であれば、(当然)今も既に癌である」わけなのだから、ステレオガイド下マンモトーム生検を(主治医に)依頼してみましょう。
もしも以下のような際には「確定診断希望メール」してもらえば当院でステレオガイド下マンモトーム生検しましょう。
1.その病院にはステレオガイド下マンモトーム生検の設備がない
2.(もしもあっても)主治医が頑として、やろうとしない

「江戸川病院・メディカルプラザ市川駅での診断」はこちら。

「確定診断(生検)」メールはこちら。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/7/25
***

  

質問者様から 【質問2】

エコーでは、石灰化が見当たらない
性別:女性
年齢:60
病名:
症状:
投稿日:2024年07月26日

先日質問で、ステレオガイド下マンモトーム生検を田澤先生に勧められたので、主治医に半年後にを早めてもらい、行きましたが、前回のエコーでは、石灰化が見つからず、半年後にと、今回も前回以上に丁寧に全体、マンモに映ってる所を何度もしっかり見てもみあたらず、今の状態では問題なしと言われました。次は3ヶ月後に行きますが、それで良いのでしょうか。マンモであって、エコーで映らないのは問題なしなのでしょうか

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

マンモであって、エコーで映らないのは問題なしなのでしょうか
⇒それは全くナンセンスです。

そもそも石灰化はマンモグラフィーの所見です。
もしも「癌が原因である石灰化」ならば、(病巣が大きくなれば)「超音波で見えてくる」のですが、そこまで待つ(エコーで見えるまで待つ)ことはナンセンス!

マンモグラフィーで石灰化の所見を取る意義は(もしも癌が原因である石灰化だとしても)「エコーで見えるようになる前に」早期診断(早期発見早期治療)をすることです。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/8/6
***

  

質問者様から 【質問3】

今やるべき検査
性別:女性
年齢:60
病名:
症状:
投稿日:2024年08月06日

1 今やるべき検査はステレオガイド下マンモトーム検査ですか
2 先生は今の石灰化は癌だと考えていらっしゃいますが、私の淡い願望ですが、癌ではない可能性はゼロですか
3なぜ超音波には映らなかったのでしょうか
3 石灰化で見つかった癌は非浸潤が多いと聞いたことがあるのですが本当ですか
4 石灰化の大きさが変化しない場合はどう判断されますか
たくさん質問しましたが、不安で眠れず自分を責める毎日です
回答よろしくお願いいたします

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

まずは『今週のコラム 457回目 石灰化は経過をみるべき?』を熟読してください。
解答は、そこに全て網羅されています。
   ↑
 で終わりにしようと思いましたが、回答しましょう。(ただし、この回答を読む前に上記コラムを熟読してくださいね)

1 今やるべき検査はステレオガイド下マンモトーム検査ですか
⇒コラムに記載しましたが…

石灰化の原因は(癌以外)殆どが乳腺症であることは事実です。
ただし、(コラムにも記載したように)「その石灰化がもしも癌に伴う石灰化」であったとしても最初のうちは区別はつかないのです。

結局、要点は(コラムから引用します)
「今のところ、(この石灰化所見は)癌の可能性が高いとは言えない。ただ、もしもこの石灰化が癌に伴うものであれば、この段階でST-MMTすれば癌と診断できます。ただ現時点での所見ではその可能性が高いとは言えないので、積極的にはST-MMTは勧めません。無論、以上を理解されたうえで(良性であれば良性を確認できて安心!ということも含め)ご希望であればST-MMTしましょう」

2 先生は今の石灰化は癌だと考えていらっしゃいます
⇒これは勘違いですね。(上記1の回答をご参照ください)

私の淡い願望ですが、癌ではない可能性はゼロですか
⇒これも「大いに」勘違いですね。(上記1の回答をご参照ください)

3なぜ超音波には映らなかったのでしょうか
⇒『今週のコラム 457回目 石灰化は経過をみるべき?』を熟読して理解できましたか?
 例えば症例1(の段階)ではエコーでは全く解りません。
 この段階では(この症例のように)まず非浸潤癌でみつかります。

しかし症例2⇒症例3⇒症例4へと「癌が進展するに従い、徐々にエコーで見えてくる」のです。
★まさに、この質問に回答するために症例1~症例4を載せたようなものです。
★★「エコーで見えない=癌では無い」 ではなく、 エコーで見えない=「癌ではない」or「これから徐々に見えてくる」のどちらかなのです。(但し、現時点でその「どちらなのか?」は画像だけでは判断しようがない)

3 石灰化で見つかった癌は非浸潤が多いと聞いたことがあるのですが本当ですか
⇒よーく考えてください。
 通常「エコーで見つかる癌」というのは上記症例で言えば症例3.4であり(症例1はエコーでは解らないし、症例2は石灰化があるから「何とかエコーで見つけられた」程度であり石灰化が無ければエコー単独では到底見つかりません)
 つまり、この4つの症例で解るように
 (エコーでは見つからず)石灰化所見で見つかる癌は(症例1,2のように)非浸潤癌であり、(石灰化の有無にかかわらず)エコーで見つかる癌となると(症例3,4のように)浸潤癌のことが圧倒的に多くなります。

4 石灰化の大きさが変化しない場合はどう判断されますか
⇒「大きさ」ではなく「数」ですよ。

もしも経過を見ることになれば「数が増加=いよいよ怪しい⇒ST-MMTしましょう」と言われることでしょう。(数が5年も変わらなければ画像だけで「乳腺症など良性病変に伴う石灰化」と判断できます)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/8/14
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