土曜日、爽快というより日差しに当たると暑いくらい。もう11月なのに!
ヒレステーキは薄くして野菜たっぷりと。
〇 本文
今回は少々、悩みました。
ちょっと前に「今週のコラムに書きますよ」と予告していた「抗がん剤中の腫瘍マーカー」
途中、TS-1に2回邪魔されて、いよいよ登場か!(外来患者さんからも軽く催促されました)
だったのですが…
心、動く方(ほう)へ
市川外来
事前に外来患者さんのリストが作られていて、新患の場合には受診(予約)経緯などが記載されています。
そこに記載されていたのは、「他院で1年前手術、脇のシコリと痛み」
この段階での第1印象
(腋窩)術後の瘢痕かな? 「痛み」とあるから副乳をきにしているのかも?
そして、実際に診察する前に持参した診療情報提供書(セカンドオピニオンとなっていましたが)に記載があったのは…
患者さんが気にしているのは血腫や瘢痕のようだと。
リンパ節転移(再発)の可能性については一切言及なし。
これを読んでの印象は…
どうやら本当にシコリがあるようだ。
血腫(術後の血腫が1年もあるかいな?)や瘢痕(手術に伴うちょっとしたトラブルか?)
と、ここで患者さん(Aさん)が入室、看護師に脱衣し横になるように言われた際に(その看護師に対して)発した言葉『ガーゼを外した方がいいですか?』
ここで…
ガーゼを外す?
と、いうことは皮膚を破っている?
単なる「血腫」や「瘢痕」ではないんじゃないか?
そして実際に一目見て…
これは、「全く」普通ではない。
再発だろう。(腋窩だからリンパ節再発)
腫瘍以外に、皮膚を破る事なんてありえない!
(と、思いながらも診察中には患者さんへはコメントはしません)
まず、その腋窩の盛り上がった硬いシコリをエコーしながら触診し、
『血流も明らかだし、これはどう考えても(増大した)リンパ節だろ!(心の中)』
そして更に驚くことに…
(今度は腕を下して)レベルⅡ~Ⅲを見た時、そこには複数の明らかな転移したリンパ節があったのです。
どういうことだ?
主治医が腋窩のシコリを血腫と勘違いしたとしても(それも、ちょっと信じられないけど)レベル2~3の転移に気が付かないのか?
逆に言うと…
腋窩のシコリ自体をリンパ節転移と認識できなかったとしても、レベル2,3は明らかな転移だから、この腋窩のシコリもリンパ節転移であると結論できるわけです。
それがなぜ「セカンドオピニオン」なる診療情報提供書に記載がないのか??
診察終了後、結果をお話しした際に その「謎」が氷解?しました。
2~3か月前から「脇のしこりと痛み」を訴え続けていたのに、一度もエコーしていなかったのです!
エコーもせずに「再発では無い」と決めつけて、セカンドオピニオンとして紹介する?
ここで最初の記載『今回は少々、悩みました。』に戻ります。
早く伝えなくてはならない。そう思ったのです。
セカンドオピニオンとして紹介されている以上(市川外来ではそもそもセカンドオピニオンは受けていないので、通常の診察をしたとはいえ)そのまま転院は制度上できません。とその場ではお伝えしました。
手続きとして…
私がその担当医へ「セカンドオピニオン」としての見解を返事として送る。
その結果を担当医が見た上で診断なり治療なりを再度患者さんと相談する。
その上で、(そこで再度提示された内容に不満、もしくは自分がやってほしい事との間に相違があった場合に)『私が納得できる診断治療である(江戸川病院へ)転院します』となり、ここで漸く転院が成立するのです。
↑
確かに、手続き上はその通りなのですが…
セカンドオピニオンの精度上「ああ」は言ったけど…
でも(今回は)急いだ方がいい!
そう結論して今回のコラムに至ったのです。
もしも、このコラムを見ているのであれば…
手術相談メールしてください。
腋窩リンパ節も大きいけど、鎖骨下まで転移があるので「腋窩鎖骨下郭清」が必要となります。
(診断の経緯の問題は抜きにしたとしても)その病院で鎖骨下郭清(しかも再発手術)がまともににできるのか?
もしも手術したとしても「途中まで(レベル3まで手がつかずに)」で終了し、「あとは抗癌剤(放射線)ね」となるのではないか?
と、いろいろ心配した結果、急遽今回のコラムとなったのです。
勿論。
主治医との関係性、また地元じゃ、負け知らず 注1)のその病院との関係性を重視する選択もあるでしょう。
チョットお節介だったかもしれません。
ただ、現状を見てしまうと(たとえここまで数か月かかったとしても)ここからは迅速にすべきだと、そう思うのです。
注1)言わずと知れた「青春アミーゴ」