祝!一周年
こんにちは。田澤です。
「今週のコラム」を始めてついに1年経ちました。
思い起こせば2015年11月9日が第1回でした。
前院長からの提案「コラム何かどう? 閲覧者も定期的だと読んでくれるのでは?」そんな風に始まりました。
特に「ビジョン」があったわけでもなく、何となく「プライベートが少し(?)入ると、いいかな。」というイメージはありました。
それと、比較的早い時期から「診療で感じた事」や「勘違いされがちな事」を載せたい(皆さんの役にも立つかな)とも思い、2部構成(冒頭+本文)を守ってきました。
♯ダイナースの「SIGNATURE」の中で伊集院静の連載エッセイ「旅先でこころに残った言葉」、があるのですが、私はそれが好きで「本文中の一文を題名にする」アイディアはそこからの完全にパクリです。
○Oncotype DX
高額な費用なので「国民皆保険である日本」では「保険収載」は(度重なる日本乳癌学会からの働きかけにかかわらず)難しそうです。
逆に、(個人保険である)アメリカでは(保険で賄われるため)「高額な化学療法を回避できる」という意味もあり積極的に行われています。
今回紹介するデータはドイツのグループによる大規模臨床試験(n=3198)でのものです。Journal of Clinical Oncology(July 2016)で発表されています。
★注目は「Ki67と(Oncotype DXの)RSの関係」です。
「一体、Ki67は(グレーゾーンが広すぎるが)幾つだと化学療法が必須なのか?」という命題に対する「回答」です。
(論文中のグラフ クリックすると拡大しクリアーになります)
luminal AとBの考え方と共に登場したKi67
その当時AとBの境界は「Ki67=14」と言われていました。
でも、実際は…
Ki67(20~29)でもhigh riskは20%以下
Ki67 (30~39)でも過半数で「RS≦30(low, intermediate risk)」となります。
以上より(私は)Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。