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ブログ 2019/5/4 手術から2週間くらいまでは、ある動きをすると肘から上(上腕部後ろ側、肋間上腕神経の過敏症ですかね?)に鋭い痛みが走りました

長かった連休も、あと少しですね。

昔懐かしい「サザエさんのエンディングテーマ」が聞こえてきそう?

ちなみに江〇〇病院は5月6日(月)から通常診療が始まります。

月曜日は手術日なので(外来とは違って)良かった!(休み明けに「外来」が待っているのと「手術」が待っているのでは大違い ←「外科医あるある」です。)

 

それでは2日連続で「長文」いってみましょう!

年齢 40-49歳

入院期間 3日間

痛み 4(術後すぐ)、1(翌日)

『〇月〇日に手術して頂きました、〇〇です。

その節は田〇先生をはじめ、看護師の方々、皆様に大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

痛みは術後3時間位は痛かったですが、その後はとても楽になっていきました。吐き気は安静解除直後お手洗いに行った時、下を向いてかがんでしまってから軽めの車酔いのようになりました。その後吐気止めを点滴して頂き、5時間後くらいには治まっていたと思います。術後3時間くらいに先生が来られて、腕を耳まで上げることができました。注 1 )痛みがまだ残る中の術後たった3時間で、スッとここまで上がるとは、本当に先生の手術すごいねと、その場にいた主人と話していました。

2泊3日の入院期間は、まだ小さい子供がいる私には本当に有り難かったです。1週間、2週間の入院だったら、子供や家族の負担も大きかったと思います。一方まだ子供に抱っこをせがまれることも多いため、手術翌日の退院に少し不安がありましたが、全然大丈夫でした。気をつけることには、気を付けましたが、お陰様でこんなに短い期間で日常生活に戻ることができました。抱っこも健側の腕で退院当日からしていました。手術から2週間くらいまでは、ある動きをすると肘から上(上腕部後ろ側、肋間上腕神経の過敏症ですかね?)に鋭い痛みが走りました 注 2 )が、それも2週間くらい経つと急に痛みが軽くなりました。術後1か月経った今はその痛みはありません。

私は、他院で乳がんと診断されてから始まった、脇のしこりに伴って起こっているであろう症状(と、自分で思っていました。)に不安が大きくなっていった手術待ちの間に、超ご多忙な田〇先生に申し訳なく思いながらも、メールでそのことを質問 注 3 )させていただきました。あの時先生からの回答を読んで、どれだけ救われたか分かりません。もし主治医が田〇先生でなかったら、私はあの時どうなっていたのだろう…と、当時も今も思い出してはそう思います。本当に感謝してもしきれないです。

そして入院当日、病室に入ってから自分の気持ちがふっと変わったこと、すごく晴れやかな気持ちになったことは今でも忘れられません。田〇先生に悪いところを全部取ってもらえるんだ!とワクワクした気持ちになり、又何か月ぶりかで穏やかな気持ちになることが出来ました。さすがに手術直前は緊張や不安があるかなと思っていたのですが、当日も本当に清々しい気持ちで手術室に入ることが出来ました。それも先生に手術して頂ける安心感、信頼感 注 4 )があったからだと思います。

乳癌になったことは、本当につらいですが、田〇先生に手術して頂いたことは本当に幸せだったなと思います。患者にとって主治医を心から信頼していることは、患者が前向きな気持ちで病気と向き合うために、とっても大切なのだと身をもって感じました。これから治療が始まります。これからもまたよろしくお願い致します。 』

 

『勝手につけた脚注を解説することで、コメントに替えさせてもらいます。』

 

注 1 )この方は(センチネルリンパ節生検ではなく)「腋窩郭清」症例ですが、腕は問題なく挙がります。

その日の夜の回診時に、(半ば強制的?に)腕を挙げてもらう理由は、「腕は動かした方がいいんだ!」と(頭ではなく)身体で実感してほしいからです。

「より早く」動かすことで(大関節である)肩関節を硬くしないことが鍵なのです。

注 2 )(典型的な)上腕の痛みの原因としては「肋間上腕神経(過敏による)痛み」と「血管炎(所謂モンドール)」があります。

肋間上腕神経の過敏は、部位的に「上腕の内側」であること、更に(一般に)「動きとは無関係」であることが多いので、今回の痛みの原因ではないようです。

それではモンドールか? 典型的な「血管炎」は上腕「後ろ側」ではなく、(逆に)「前側」の血管に起こります。だから、これも違いそうです。

答えは?(あくまでも推測ですが…)

⇒(腋窩郭清をしているので)広背動静脈、神経(は温存していますが)周囲に炎症が起こることによる症状ではないかと思います。

それらの脈管は(実際には)殆ど肩甲骨の裏側に位置しているので腋窩郭清すると「肩甲骨の裏側~広背筋通」となるのです。

注 3 )これは、秘書メールの利点ですね。

乳腺秘書(2名いますが)に仲介してもらっているので若干のタイムラグはご勘弁してもらいますが、いろいろな質問にお答えしています。

注 4 )これはとても重要なことです。

大学病院や大病院などでは(若い医師に経験を積ませるために)「誰が執刀するのかは、当日まで解りません」とか「チーム全体で手術します」となりがちです。

価値観をどこにおくかで病院選びをするべきでしょう。(無論、それらの病院で手術すると「周囲の人達」は安心してくれることでしょう。それを否定するつもりはありません)