[管理番号:12917]
性別:女性
年齢:45
病名:
症状:
投稿日:2025年07月23日
トリプルネガティブ乳癌と診断されました。
PET検査で、肺に1箇所、肝臓に6箇所の転移がみつかりました。
現在ステージ4で、同じ状況の方では1年から2年で亡くなる方もいらっしゃいますと言われ、手術はできないし、もう癌が完治することはなく、延命治療となりますといわれました。
それでも、抗がん剤もすごく効くこともありますからということで、現在キイトルーダを3週に1回とナブパクリタキセルを週1回のペースで受け始めました。
効果は3か月くらいたたないとわからないということで、それまで検査もしないということなのですが、もし1年しか生きられないとしたら、そのうちの3か月はかなり長いものだと思うのですが、抗がん剤の効果がわかるかをそれほど待つ必要があるのでしょうか。
また、この治療はいつまでするのかと聞いたところ、一生できるのがベストと言われたのですが、長く生きられないといわれているような気がしましたし、一生抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬を受ける自信がありません。
この治療で本当に良いのか、また完治する可能性は本当にないのでしょうか。
先生の意見をお伺いしたいです。
よろしくお願い申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
この治療で本当に良いのか、
先生の意見をお伺いしたいです。
⇒まずは、pembrolizumabを使用していますが、「PD-L1抗体(22C3)」が陽性と調べた上での治療であることを確認してみましょう。
もしかするとですが、担当医はPD-L1が陽性でなくてもpembrolizumabが使えると勘違いしている可能性があります。
詳細するとpembrolizumabの適応は以下となります。
1.トリプルネガティブ乳癌で術前抗がん剤として使用する場合には、「PD-L1抗体の有無は問わない(そもそも検査自体不要)
2.転移再発乳癌で使用する場合には、必ずPD-L1抗体(pembrolizumabの場合にはその中でも22C3)が陽性であることが条件
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質問者は2に相当するので当然PD-L1抗体(pembrolizumabの場合には22C
3)が陽性であることが適応条件として必須なのです。
ただ、トリプルネガティブで術前抗がん剤ばかりやっている医者は「トリプルネガティブでは無条件にpembrolizumabが使える」と勘違いしているリスクがあるからです。
是非、ご確認を。
また完治する可能性は本当にないのでしょうか。
⇒その可能性はあります。
まずはKey drug であるanthracycline, taxane(この場合にはbevacizumab併用) で
cCRを狙いましょう。(cCRあって、はじめて根治の可能性が開けるのであり、
cCRを目指すことを第1目標とすることです)
Anthracycline, taxaneの次にはsacituzumab govitecan,さらには(PD-L1 2
2C3が陽性ならば)pembrolizumab, (PD-L1 SP142が陽性ならば)
atezolizumabも控えており、更にはeribulinもあります。
抗癌剤の効き次第ですが、十分にcCRを狙い、それを維持できる可能性はあります。(無論、保証するわけではありませんが)ただ、「求めない限り、それは得られない」それが大事です。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/8/8
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