[管理番号:12916]
性別:女性
年齢:46
病名:左乳癌
症状:
投稿日:2025年07月23日
質問は初めてさせていただきます。
5月下旬に左胸の張りと痛みがあったので乳腺外科クリニックを受診し、マンモ、エコー後、針生検をして乳がんが確定しました。
この時言われたのが、ホルモン受容体陽性(70-80)、Her2がどっちつかず(2)だったので更に検査に出しています。多分、ステージはリンパ節転移していたら2くらいで癌自体は2cmないくらいです。ただ石灰化の範囲が広いので摘出範囲も広くなるかも?との事でした。
すぐに連携している総合病院に行き、造影CTなどの検査を行いリンパ節がかなり腫れているという事から全身転移を疑ってPET検査を追加で行いました。結果リンパ節までの転移で今だったら取れる位置にある、Her2も陰性だった事から予定通り先に手術をする事になり、6月25日に左乳房全摘出、リンパ節郭清の手術を行いました。そして昨日(7月22日)病理検査の結果が出ました。
左乳腺:Invasive ductal carcinoma,scirrhous type with mucin
production,pT3,f+s,Ly1,V0,病変域=90×85mm,浸潤域=90×85mm,Intraductal
spread(-),fibrocystic change(-)(7-23)(乳癌取り扱い規約第18版).濃染腫大核と好酸性胞大を有する異形上皮が索状、微小結節状に増生し、多数のリンパ管侵襲を伴って、皮膚~脂肪織にかけて広範に増生する(7-23)。10%程度の領域でPAS/ALB陽性細胞外粘液の貯留を伴う(8)。Histological grade Ⅱ(tubule formation:score3,nulear atypia:score2,mitotic counts:score2).免疫染色(No.12):ER PS2+IS1=TS3,PgR
PS2+IS2=TS4,HER2 score 2+(equivocal),MIB-1(+,40%).
リンパ節:n#level-Ⅰ(25/25), n#level-Ⅱ(8/8), n#level-Ⅲ(1/1)。周囲の脂肪織内にも多数の癌の浸潤巣を伴う(1-5,25,26)
ため、切除断端はXと考える。
こちらが所見でした。
ここで主治医からは、現状ステージ3Cと良くない。すぐに抗がん剤を。と言われ明日(7月24日)からddEC4回、ddPTX4回を行う事になりました。
その後、放射線治療5週間とホルモン剤10年+遺伝子検査もBRCA2陽性だったのでベージニオ2年ではなくオラパリブ1年の予定と説明を受けました。
説明の中で、ホルモン受容体がクリニックでは高かったのに今回10以下だったので弱陽性と説明を受けました。この差の理由は説明出来ないが、効くか分からないけどホルモン治療もしようと思う。と言われました。
という事はトリプルネガティブということですか?と質問すると、なんとも言えないが、もし術前の検査でこの数値が出ていたらトリプルネガティブとして抗がん剤を先にしていたかもしれないと言われました。
とりあえず今は目に見える癌は取っているからやる事は変わらないので治療を頑張ろうと言われました。
私としては腑に落ちないところです。
当初ホルモン受容体陽性で80もあったものが急に10以下になるものですか?
トリプルネガティブであれば初動が違ってこの治療で大丈夫ですか?
今更どうしようもないから、やる事やるというのは分かります。
ただ不安でいっぱいです。
トリプルネガティブというワードが更に不安にさせられます。
ステージ3Cでトリプルネガティブ、であれば私はもう何年も生きられないのではないでしょうか?
まだ子供も小さいので死ぬ訳にはいきません。
この治療で任せても良いですか?
他の病院を探した方が良いですか?
先生の病院を受診する事は、こちらは(九州)県と遠いのですが可能でしょうか?
教えてください。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
当初ホルモン受容体陽性で80もあったものが急に10以下になるものですか?
⇒これは、このQA(12000を超えるので全てを見ることは勿論できないでしょう)を1000位見れば、かなり「頻発」の質問であることがわかります。(QAのベテラン閲覧者は今頃「そう、そう」と頷いていることでしょう)
やはり、私が一番考えるのは「針生検は採取した組織をそのまま(遅延なく)、採取した組織に比べ相対的に十分な量のホルマリンに漬ける」=免疫染色の失活が少なく(本来のポテンシャルである)強く染色される
に対し、術中標本は摘出した(この場合は乳腺全体)組織は、その場で直ぐにホルマリンに漬けられることは少なく、暫く放置され、更に(特に全摘標本では)組織量に比べ「相対的に少ないホルマリンで固定される」=免疫染色の失活が起こりやすく(本来のポテンシャルよりも)弱く染色される
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上記の可能性はやはり第一に考慮されるべきでしょう。
トリプルネガティブであれば初動が違ってこの治療で大丈夫ですか?
⇒「トリプルネガティブであれば、術前抗がん剤を勧めていた」と言いたいのでしょうが、そもそも「トリプルネガティブ=術前抗がん剤ありき」と言う考えは私は全く賛成しません。 コラムを幾つか読むとその理由が解りますよ。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/8/8
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