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トリプルネガティブ化生癌の抗がん剤治療の効果と転移・再発について

[管理番号:11781]
性別:女性
年齢:42歳
病名:左乳癌(化生癌)
症状:
投稿日:2024年05月07日

初めて質問致します。
先生のQAを拝見し、日々勉強させていただいております。
先日病理検査の結果が出たのですが、針生検結果との想定外な違いと悪さにショックを受け、質問をさせていただきます。

<これまでの経緯>
2023/12中旬 健康診断受診(乳腺エコー)⇒約1か月後、要精密検査の結果
2024/02上旬 乳腺外科での精密検査(エコー・マンモ・針生検など)にて乳がんの診断      
2024/04上旬 左乳房部分切除

<針生検結果>
組織型:浸潤性入管癌StageⅠ
リンパ節転移:なし
浸潤径:最大部18mm
ER:陽性
PgR:陰性
HER2:陰性
Ki67:53%

<病理結果>
組織型:浸潤癌 特殊型(化生癌)StageⅡA
リンパ節転移:なし
浸潤径:最大部24mm
ER:-
PgR:-
HER2:1+
Ki67:48%
核異型度:3
脈管侵襲:軽度

主治医からは、今後放射線+抗がん剤治療を提案されています。
(期間やどういう抗がん剤を使うかなど具体的なことは聞いていません)
また現在妊孕性温存対応中のため、治療開始を遅らせています。
そこで、以下についてご教授いただきたいです。

①この結果に不安を抱いているですが、先生のご経験から抗がん剤はどの程度効果が期待できますでしょうか?(化成癌は未知な部分多いとは聞きました)
また、先生であればどのような抗がん剤治療を提案されますでしょうか。
 
②と言いつつ…抗がん剤には抵抗があり、抗がん剤をしない選択肢はありえますでしょうか。
また、抗がん剤以外の治療方法はあるものなのでしょうか?(HER2:1+は何か考えられますか?)

③当初6月初めまでに治療開始できればとの話だったのですが、この結果の場合一刻も早く治療を始める方がよいでしょうか。

④この場合、早期と言えるのでしょうか?
先生のご経験から、転移や再発可能はどの程度で考えられるでしょうか?
 
お忙しいところお手数おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①この結果に不安を抱いているですが、先生のご経験から抗がん剤はどの程度効果が期待できますでしょうか?(化成癌は未知な部分多いとは聞きました)
また、先生であればどのような抗がん剤治療を提案されますでしょうか。

⇒そもそもの問題として「CNB病理との乖離」がありますが…
今回は、それについてのQがないようなので(そこには目を瞑り)化生癌、トリプルネガティブとして話を勧めますが…

★ステージ2A(24mm)であれば
無治療で再発率が10%だとすると、治療効果は5%程度と想像されます。
 
②と言いつつ…抗がん剤には抵抗があり、抗がん剤をしない選択肢はありえますでしょうか。
⇒シンプルに…
トリプルネガティブに対する薬物療法は「抗癌剤のみ」なので、「抗癌剤をしない=自己責任」ということです。

また、抗がん剤以外の治療方法はあるものなのでしょうか?(HER2:1+は何か考えられますか?)
⇒ありません。
 HER2 1+は陰性なので「術後補助療法として」抗HER2療法の適応は一切ありません。
ただし再発治療の場合には「1+=低発現」としてエンハーツの適応となります。
(術後補助療法では無論適応外なので質問者には当て嵌まりません)

③当初6月初めまでに治療開始できればとの話だったのですが、この結果の場合一刻も早く治療を始める方がよいでしょうか。
⇒術後半年以内がいいでしょう。

④この場合、早期と言えるのでしょうか?
先生のご経験から、転移や再発可能はどの程度で考えられるでしょうか?

⇒上記(①★)を参照のこと

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/5/20
***

  

質問者様から 【質問2】

トリプルネガティブ化生癌の抗がん剤治療の効果と転移・再発について
性別:女性
年齢:42
病名:
症状:
投稿日:2024年06月09日

先日はご回答ありがとうございました。
色々考えまして、今月下旬から抗がん剤治療(2週間ごとAC療法×4,パクリタキセル×4 )を始めることとなりました。

前回の先生の回答で、
>そもそもの問題として「CNB病理との乖離」がありますが…
>今回は、それについてのQがないようなので(そこには目を瞑り)化生癌、トリプルネガティブとして話を勧めますが…

といただきましたが、実は私もそこには少し引っかかっていたのです。

最初針生検と病理結果がかなり違うことにとても驚いたのですが、主治医曰く「このような違いが出ることはある」「その場合は病理結果の方を正とする」とのことでした。
自身でも、乳がん細胞は不均一であることを調べて知り、針生検(2本採取)では一部分しか採れてないだろうと思い納得したのですが、やはり結構な乖離に改めて不安になり始めまして。。
改めて追加で質問をさせていただきたく、よろしくお願いいたします。
※術前針生検・病理結果は前回記載の通りです。

1. 乳管癌→化生癌 、ER陽性(感受性少ないわけではなかったそうです)→ER陰性(画像上ほんの僅かですが染色されている細胞もあり完全に0ではなさそうでした)のような性質が大きく変化することはよくあるのでしょうか?
その他、先生の所感はございますでしょうか?

2. 2か月程度で18→24mm はかなり増殖が早い(悪質?)タイプなのでしょうか?

3. 針生検(ルミナルb)→病理(トリプルネガティブ)となった場合でも、抗がん剤治療のみで良いのでしょうか?
ホルモン剤も加えるとより効果が高いというようなことはありえるのでしょうか。
その他、考えられる治療法があればご教授いただきたいのと、先生ならば具体的にどういった治療法を推奨されますでしょうか?

4.ちなみに、今主治医から言われているのが(2週間ごとAC療法×4,パクリタキセル×4)なのですが、その薬剤自体になのか付随して投与する薬剤になのか、高ステロイドの薬剤が含まれると聞きました。
 私は普段眼圧が高めなのですが(一応正常範囲内のようで特に病名をつけられたことはありませんが、母と祖母が緑内障です)、その場合の注意点があればご教授いただきたいです。

どうぞ宜しくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

1. 乳管癌→化生癌 、ER陽性(感受性少ないわけではなかったそうです)→ER陰性(画像上ほんの僅かですが染色されている細胞もあり完全に0ではなさそうでした)のような性質が大きく変化することはよくあるのでしょうか?
その他、先生の所感はございますでしょうか?

⇒サブタイプはともかく…
組織型は病変全体での評価となるので手術病理が正しいとは思います。
ただ化生癌と言っても扁平上皮癌や紡錘細胞癌、基質産生癌などがありますが「そこまでの」記載はあるのが普通ですが…

2. 2か月程度で18→24mm はかなり増殖が早い(悪質?)タイプなのでしょうか?
⇒測定誤差では?

3. 針生検(ルミナルb)→病理(トリプルネガティブ)となった場合でも、抗がん剤治療のみで良いのでしょうか?
ホルモン剤も加えるとより効果が高いというようなことはありえるのでしょうか。
その他、考えられる治療法があればご教授いただきたいのと、先生ならば具体的にどういった治療法を推奨されますでしょうか?

⇒針生検標本で「明らかに」陽性であれば、(少なくとも)陽性の部分が存在するわけだから(質問者自身が)希望すればホルモン療法の追加もいいのでは?

4.ちなみに、今主治医から言われているのが(2週間ごとAC療法×4,パクリタキセル×4)なのですが、その薬剤自体になのか付随して投与する薬剤になのか、高ステロイドの薬剤が含まれると聞きました。
 私は普段眼圧が高めなのですが(一応正常範囲内のようで特に病名をつけられたことはありませんが、母と祖母が緑内障です)、その場合の注意点があればご教授いただきたいです。

⇒特にありません。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/6/18
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