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乳癌ホルモン療法中の卵巣摘出について。

[管理番号:11780]
性別:女性
年齢:48
病名:
症状:
投稿日:2024年05月07日

はじめまして。
現在スペインに住んでおります。
2023年の4月にスペインで乳癌のため左胸全摘手術をし、その後5年のホルモン療法となりタモキシフェンを飲んでいます。
タモキシフェンは飲み始めてから来月6月で1年になります。

今年の2月、下腹辺りになにか硬いものがあるのに気がつき病院で調べたところ、子宮筋腫が沢山できているということで、手術で子宮を全摘した方が良いと言われました。
子宮筋腫はおそらくタモキシフェンを飲むより前にあったものだろうとのことでした。

子宮全摘は仕方がないとして、婦人科の先生には私の年(48歳)が閉経に近づいていることと、ホルモン陽性の癌ということで、卵巣も全摘出することを進められました。

私としては卵巣を摘出した方がいいのかしない方がいいのか悩んでおります。
卵巣を残して術後も今まで通りタモキシフェンを飲み続けるのと、卵巣を摘出して術後の薬がアナストロゾールに変わるのとどちらが良いのか分かりません。

タモキシフェンは今のところ大きな副作用も感じることく飲めています。
薬がアナストロゾールに変更されたら副作用がどのように出るか心配です。
身近にアナストロゾールを服用している方がいますが、様々な副作用で普通の生活に支障が出るくらい辛いおもいをされています。
人によって副作用の出方は違うと思いますが、私も薬の副作用がひどく出るかもしれないと考えると、卵巣は温存して、タモキシフェンを続けた方がいいのではとも思います。

今の時点で卵巣がどういう状態か分かりませんが、問題無いのなら卵巣を摘出する大きなメリットはあるのだろうか?と考えます。

卵巣を摘出してアナストロゾールを飲む場合と、摘出しないでタモキシフェンを飲んでいる場合と乳癌の再発などに大きな違いが出るのでしょうか?

田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願い致します。

現在48歳(今年の5月で49歳)

《病理検査結果》

浸潤性小葉癌
ルミナールA
腫瘍の大きさ1.4cm(pT1c)
癌のステージ : 1B
グレード : 2(3+3+1)
リンパ節への転移 : 無し

※センチネルリンパ節生検は微小転移(450コピー ARNmCK19 pN1mi-sn)ということでリンパ節郭清は無し。

Ki67 10~15%
Her2 : 陰性
ホルモン感受性の有無 : 陽性
(RE 90-100% , RP 90-100%)
脈管侵襲なし

病理検査の結果はLOW RISK
Mama Print Index : +0,289
(Low Risk Range : 0.001-1.000)
治療を受けない場合の10年間の再発リスク 10%

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私も薬の副作用がひどく出るかもしれないと考えると、卵巣は温存して、タモキシフェンを続けた方がいいのではとも思います。
⇒無論、それでいいのです。

婦人科医は(日本でもそうですが)「ホルモン陽性=卵巣は無い方がいい」と考えているようですが、卵巣が無くなっても(脂肪からエストロゲンが出るので)結局ホルモン療法が必要なので「そのために」卵巣もついでに取った方がいいという考え自体ナンセンスなのです。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/5/15
***

  

質問者様から 【質問2】

タモキシフェンとエストラジオール値について
性別:女性
年齢:50
病名:
症状:
投稿日:2025年09月09日

以前、乳癌ホルモン療法中の卵巣摘出についての質問[管理番号11780]の際には大変丁寧なご回答ありがとうございました。
その後は結局、子宮摘出のみで卵巣は残しタモキシフェンを飲み続けることにしました。

今回また質問がありますのでよろしくお願いします。

今年の5月にスペインを出て現在パラグアイに住んでおります。

まだ定期的な検診が必要な為、今日パラグアイの腫瘍学の先生に初めて会いに行きました。

血液検査の結果により、エストラジオールの値(551.0pg/mlでした)が高いということで、タモキシフェンの効果が出ていないと言われ、タモキシフェンを飲んでいればエストラジオールの値が10~28pg/mlにないといけないということでした。
そこで、リュープロレリン注射を打つか卵巣を摘出するかのどちらかだと言われました。

ここで、私が疑問に思うことがあります。
タモキシフェンは抗エストロゲン薬でエストロゲンの分泌そのものを減らす薬ではないと、自分なりにも調べてみましたし、スペインの腫瘍学の先生からもこのような説明をいただいた記憶があります。

そうなると、タモキシフェンを飲んでいても、卵巣からのエストロゲン分泌量は変わらないのではないでしょうか?

エストラジオールの値が551.0pg/mlでしたが、もし血液検査をした時が排卵期であればこの値でもおかしくないのではないでしょうか?
そうであれば、卵巣摘出はもちろん、リュープロレリン注射もする必要はないのでは?と思います。

もう一つ肝機能の数値で、間接ビリルビン(0.89mg/dlでした)と総ビリルビン
(1.28mg/dlでした)が正常値より少し高かったので、こちらの先生に何故数値が高いのかが気になると言われました。

タモキシフェンを飲んでいることと何か関係があるのでしょうか?

田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願い致します。

現在50歳

2023年の4月にスペインで乳癌のため左胸全摘手術をし、その後5年のホルモン療法となりタモキシフェンを飲んでいます。
タモキシフェンは2023年の6月から飲み始めました。

《病理検査結果》

浸潤性小葉癌
ルミナールA
腫瘍の大きさ1.4cm(pT1c)
癌のステージ : 1B
グレード : 2(3+3+1)
リンパ節への転移 : 無し

※センチネルリンパ節生検は微小転移(450コピー ARNmCK19 pN1mi-sn)ということでリンパ節郭清は無し。

Ki67 10~15%
Her2 : 陰性
ホルモン感受性の有無 : 陽性
(RE 90-100% , RP 90-100%)
脈管侵襲なし

病理検査の結果はLOW RISK
Mama Print Index : +0,289
(Low Risk Range : 0.001-1.000)
治療を受けない場合の10年間の再発リスク 10%

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

タモキシフェンを内服してもしていなくてもエストラジオールが高値であることは単純に「閉経前」というだけの話です。
♯タモキシフェン内服中にエストラジオールが低値となれば、それが閉経なのです。

閉経前だからと言って、すべての人がLH-RHagonistで月経を止める必要はありません。
〇無論、ホルモン療法の目的は月経を止めることではないのです。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/9/26
***