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乳房温存術の後の治療

[管理番号:9935]
性別:女性
年齢:35
病名:乳癌初期
症状:
投稿日:2021年12月8日

こんにちは、乳癌初期で35歳の海外に住んでいる女性です。

乳房温存術の後の治療について質問があり先生にお尋ねしたくてメールを送ります。

手術前に病院で放射線治療、5年間のホルモン療法を勧められました。

診断書(翻訳したものです)ではこの様な状況です。

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病理学的-解剖学的診断中等度に分化した浸潤性乳管癌/浸潤性癌
NST、G2(ElstonEllisスコア3+ 2 + 1 = 6)を伴う4-5時の左乳房のコアスタンスと腺管内腫瘍成分(DCIS)中間グレード(G2)ソリッドタイプ-B5b。
免疫表現型:ER:90%(IRS 12)、PR:90%
(IRS 12)、Her2 / neu:スコア1 +、Ki67:5%8500/3

ーーーーー-------------------------

その後の手術ではセンチネルリンパ節には転移は全く無く、癌は全て取り除いたと先生が仰っていました。

再発や転移の可能性があるから治療はした方が良いと思っています。
もともとPCOS、子宮内膜症(チョコレート嚢胞)などもありますが子供がまだ居なくて欲しいと思っていて、色々悩んでいます。
チョコレート嚢胞も今8cmで近々手術を検討しています。

先生に質問です。
私みたいな状態で放射線治療とホルモン療法をしなかった場合、再発率、転移率はどのようなものですか?
もし治療はせずに定期的に検査をしてまた再発した場合に全摘や治療をするという考えはどう思いますか?(その時は抗がん剤治療でしょうか?)
定期的に検査の間、再発の発見の前に転移をする可能性は高いでしょうか?
今子供が欲しい場合どの治療法で進めるんが良いと思いますか?

ーーーーー-------------------------

病院でもらった診断書を翻訳したものです。

病理学的-解剖学的診断中等度に分化した浸潤性乳管癌/浸潤性癌NST、G2(ElstonEllisスコア3+ 2 + 1 = 6)を伴う4-5時の左乳房のコアスタンスと腺管内腫瘍成分(DCIS)中間グレード(G2)ソリッドタイプ-B5b。
免疫表現型:ER:90%(IRS 12)、PR:90%
(IRS 12)、Her2 / neu:スコア1 +、Ki67:5%8500/3

評価:4時の左側に悪性腫瘍が疑われる限局性所見。
右目立たない発見。
カテゴリ5左、1右評価レベルD。
検査は正常です。
左側の4時の粗い触知可能な所見。
超音波検査で正しい皮膚および皮下組織。
乳腺
症に典型的な沈着物を伴うエコーに富む腺実質。
4時に左、不規則に
構成された、縁がぼやけた、低エコーの血管新生病変、17 x 16 x13mm。
病理学的な音響影または疑わしい腋窩リンパ節の証拠はありません。
乳房造影的に正しい皮膚および皮下組織。
密な腺実質。
左側の3-4時cmMA、16 x16mmの棘状病変。
グループ化された疑わしい微小石灰化の証拠はありません。
病理学的腋窩リンパ節の証拠はありません。

3~13mmの長さの組織シリンダー。
PAS反応と偏光光学系を使用します。
次の抗体による追加の免疫組織学的検査:CK5、ER、PR、
Her2neu、E-カドヘリン、Ki67。
顕微鏡所見。
腫瘍組織の20%。
中等度の核異型。
免疫組織化学的に残存筋上皮はなく、ERに対する腫瘍細胞の強力な核発現。
とPR。
Her2 / neu免疫組織化学は、腫瘍の浸潤部分の腫瘍細胞の10%未満で、弱く、部分的な膜結合免疫反応性のみを示します(結果:陰性-スコア1+)。
膜上での強力なE-カドヘリン発現。
増殖細胞/増殖画分(Ki67)の割合は約5%です。
mm?あた
り4つの有糸分裂の検出。
さらに、中等度の核異型を伴う固形腫瘍細胞の腺管内増殖。
病理学的-解剖学的診断中等度に分化した浸潤性乳
管癌/浸潤性癌NST、G2(ElstonEllisスコア3+ 2 + 1 = 6)を伴う4-5
時の左乳房のコアスタンスと腺管内腫瘍成分(DCIS)中間グレード
(G2)ソリッドタイプ-B5b。
免疫表現型:ER:90%(IRS 12)、
PR:90%(IRS 12)、Her2 / neu:スコア1 +、Ki67:5%8500/3

お返事お待ちしております。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「私みたいな状態で放射線治療とホルモン療法をしなかった場合、再発率、転移率はどのようなものですか?」
⇒用語を整理しましょう。

「局所」と「全身」に分けて「局所再発率(温存乳腺、リンパ節)」と「全身(骨、肺、肝など)遠隔転移再発率」に明確に分けてください。

放射線をしないことは、上記「局所再発率」を3倍とします。
ホルモン療法をしないことは、上記「全身遠隔転移再発率」をおそらく10%程度上昇させます。

「もし治療はせずに定期的に検査をしてまた再発した場合に全摘や治療をするという考えはどう思いますか?(その時は抗がん剤治療でしょうか?)」
⇒局所再発の場合には再手術(全摘)となり、全身遠隔転移再発の場合には「抗がん剤+ホルモン療法(どちらが先かは状況による)」となります。

 
 

 ,

質問者様から 【質問2 】

乳房温存術の後の治療
性別:女性
年齢:35歳
病名:乳癌
症状:治療法
投稿日:2022年2月6日

こんにちは、田澤先生。

返信有難うございます。

質問があり、再びお問い合わせします。

11月末に乳癌の手術後の診断書は以下の通りです。

cT1c cN0 M0 G2
ER 90%PR 90%Her2 / neu陰性Ki67:5%

-および付随するDCIS
影響を受けるLKpre-CHTの数:Pre-OP FK from
付随するDCIS(pTis、G2 /中級グレード):20mm、R0(2.5mm
基礎)

– and accompanying DCIS
Number of affected LK pre-CHT: Pre-OP FK from Accompanying DCIS (pTis, G2/intermediate grade): 20mm , R0 (2.5mm basal)

質問ですが、
主治医にステージ1だけDCISもあると言われましたがよくある事ですか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
タモキシフェンとチョコレート嚢胞について質問です。

部分摘出手術の後に卵巣癌の可能性があったのでMRIを撮りました。

MRIで見たところ、左右の卵巣にチョコレート嚢胞、膀胱と子宮筋腫の間に子宮筋腫(計3つ)があり、右のチョコレート嚢胞が今6cmで手術は急ぐ必要はなく、乳癌の放射線治療とホルモン剤をいつ始めるのかが優先だと言われました。

質問1.
チョコレート嚢胞がある状態でタモキシフェンは本当に安全でしょうか?
チョコレート嚢胞(10cm)もタモキシフェン(2年)も癌のリスクがあると聞いたので心配です。

再発率ついて質問ですが、
12月にアシスタント医師と話したところ手術のみだと再発率は20%で放射線、ホルモン療法をすればもっと低くなるが100%の人に効果があるのではないと聞きました。

子供が欲しいのであれば最低限の治療でホルモン剤を1年間飲む様に言われました。

田澤先生が前回解答していただいた
放射線をしないことは、上記「局所再発率」を3倍とします。
?ホルモン療法をしないことは、上記「全身遠隔転移再発率」をおそらく10%程度上昇させます。

質問2
手術後の患者のうち再発する可能性がある20%の治療効果率の事だと理解して良いのでしょうか?

下の様な統計の事でしょうか?

放射線しなかったら 35/100
したら   19/100

しなかった人38/100
ホルモンした人25/100

再発した場合、勿論今以上に苦しいかも知れませんが、治療をしなくても80%は再発しない事もある(特に初期の場合)と理解しています。

質問3
治療が辛くて途中でやめた方もいると思いますが、その方も20%に含めているのでしょうか?

先生達が考える癌の原因は色々で(ホルモン、ビタミンD不足、ウイルス)
癌の原因がわからない中、
ホルモン剤などでの発癌リスク
(PCOSで10年間ピルを飲んでいましたが今までの先生達には乳癌のリスクの話を聞いた事が無かったです…)や
今放射線治療をしたら、再発した時に同じ部分には出来ない、
などを考えたら再発も心配ですが発癌リスクがある治療やお薬より運動をして肥満にならない様にする方も努力してQOLを考えていますが、診断書をみてこの場合の再発率はどうでしょうか?

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

「主治医にステージ1だけDCISもあると言われましたがよくある事ですか?」
⇒「極めて」よくあることです。

「チョコレート嚢胞がある状態でタモキシフェンは本当に安全でしょうか?」
⇒卵巣嚢腫はtamoxifenで増大する可能性があるので、(そのリスクを避けたいので
あれば)最初からLH-RHagonist併用するといいでしょう。

「再発率ついて質問」
⇒前回の回答を必ずしも理解されていないようです。

放射線をしないことで「局所」再発率は10年で3%⇒9%程度となります。

ホルモン療法をしないことで(おそらく10%程度再発率が上がると思いますが)
ホルモン療法を行った状態での「遠隔転移」再発率を知りたいのであればOncotypeDXを是非してください。(私が回答することはできません)

診断書をみてこの場合の再発率はどうでしょうか?
⇒上記(OncotypeDXで判断してください)

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

乳房温存術の後の治療
性別:女性
年齢:35
病名:乳癌
症状:痛み
投稿日:2022年2月14日

返信有難うございます。

LH-RHagonistについて質問です。

卵巣嚢腫はtamoxifenで増大する可能性があるので、(そのリスクを避けたいので?あれば)最初からLH-RHagonist併用するといいでしょう。

と書かれていましたが、

*併用する場合副作用などもありますか?
(手術後3ヶ月以上経ってから飲み始めても大丈夫ですか?)

細胞診の後、手術後の痛みについても質問があります。

10月の細胞診の後に毎日
一日に3-5回、数分間蜂に刺された時の様な痛み(チクチク、ズキズキ)が今も続いてます。

*細胞診後にも後遺症の様に痛みが続くケースもあるのでしょうか?
(何か検査をした方が良いのでしょうか?)

手術後の痛みは横長に切開した部分の2cmぐらい下にそって平行に
(左乳房の下の境目)小さいボコボコがあり時折痛かったり、触ると痛いです。

関係のない左乳首もチクチク痛かったりします。

*ストレッチはしていますが、マッサージなども必要でしょうか?

センチネルリンパ節生検の部分はストレッチの際や手枕をすると突っ張って痛いですが、6ヶ月後には良くなると聞いていますが,

*痛みや突っ張りが良くならない場合何か物理的に出来る事はありますか?

返事お待ちしています。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

*併用する場合副作用などもありますか?
(手術後3ヶ月以上経ってから飲み始めても大丈夫ですか?)

⇒LH-RHagonistは(飲み薬ではなく)皮下注射です。
 関節痛などの副作用が加わるとは思います。

細胞診後にも後遺症の様に痛みが続くケースもあるのでしょうか?
⇒いずれ軽減するでしょう。

(何か検査をした方が良いのでしょうか?)
⇒何の検査?
 「全く」不要です。

関係のない左乳首もチクチク痛かったりします。
⇒女性ホルモンによる刺激症状です。(乳癌とは1000%無関係)

「痛みや突っ張りが良くならない場合何か物理的に出来る事はありますか?」
⇒時間だけです。