[管理番号:476]
性別:女性
年齢:40代
終わったことですが、この治療でよかったか⇒全摘でよかったか。
他の方法はなかったのか。
全摘でやむを得なかったのか、今も悩んでいます。
これまでの経緯
●市の検診で、レディースクリニックにてマンモグラフィー、触診、超音波、細胞診、MRI(別施設)
マンモグラフィーの結果、乳腺(白い線)が密集化しているところがある。あやしい
とのこと。しこりらしいしこりはない。
針生検はそこではできないので細胞診⇒クラス2(良性由来の乳腺症。アポクリン化生を認める)
●専門の大病院へ。針生検(マンモトーム)で非浸潤がんと診断される。
病理の結果を待たないとわからないが、おそらく非浸潤だろうと。
前院のMRIを見て、広がっているので全摘と言われ、全摘手術。同時再建。
●手術で摘出した部分の病理結果、やはり非浸潤がん。
アポクリンタイプ。リンパ節微小転移(検査中に飛んだ??ものかもしれぬ)
ERマイナス、PgRマイナス
HER2 1+
大きさ 2センチ以下
脈管侵襲なし
⇒無治療経過観察となりました。
何度も先生にきいて、納得もしたのですが
質問は「果たして、全摘は絶対避けられなかったのか」ということです。
●数年前にも絶対乳がんといわれ(マンモグラフィーや超音波の結果)パチンパチンという様式の針生検をして、良性だった。
今回も病理の結果、MRIで病変と思われていたところ全部が悪性だったのではなく、そのほとんど?が良性だった。しかし一部悪性も混じっていた。
⇒数年前も、がんはあったが、針生検で当てられなかったと推測。
今回は、針生検でたまたま悪性部分を当ててしまった。
⇒放置していても、大丈夫だったのでは?(テレビのK医師の影響)
●乳頭は壊死すると言われ、MRIでも乳頭近くまで病変があると見えるので、
とってしまったが、残す方法もあったのでは。
●術前化学療法で小さくしてから切除できたのでは。
(先生の説明では、悪性と思われた広がりは良性部分も多く、そこは良性で薬が効かず小さくならないのだから、やっても効果は確認できず、やるだけ無駄?
だった。との説明)
こちらのQ&Aはたびたび拝読し、質問させていただきました。
先生ならどのようにお考えになりますか。
また
●アポクリンタイプですが(先生はこのタイプにもお詳しそうなので)
アポクリン化生した良性の乳腺症が、がん化したのでしょうか。
がんがアポクリン化したのでしょうか。
とってみないとわからない、広がっていると思われたのは、結果的には狭い範囲だった。良性部分は乳腺症で、その乳腺症の中に非浸潤がんがあった。
これは放射状硬化性病変というもので、がん化しやすい。
というような説明で、納得しつつも、いろいろ考えてしまっています。
●再発について
非浸潤で全摘だから、がんは取りきれたと思われる。
しかし、体内には、まだ目に見えないがんがあることも完全否定できない。
それらが出てきて大きくなって、問題になると、再発ということになり、
治療を考える。新たに見つかったがんは、あくまで再発であり、以前見つかったものと同じタイプ(私の場合、アポクリン)。
しかし違うタイプが出てくることもある。その場合は再発ではなく、新たに別のがんが見つかったということ。
⇒こうした理解で宜しいのでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
いろいろな考え方がある事を実感しています。
一般には「病理結果が予想よりも悪かった」事に、「この病理結果で、大丈夫?」というような方が多いと思いますが。
「病理結果が良かった」事でも、「本当にその治療選択で良かったのか?」と、ただ「乳房を失う(再建されたようですが)」訳ですから、当然の悩みとも言えます。
回答
「果たして、全摘は絶対避けられなかったのか」
⇒(結果論として)MRIで見えた拡がりの大部分が「硬化性腺症」だったとしても、術前診断として「癌の拡がりの可能性」として全摘が安全と考えるのは妥当だと思います。
これが「針生検をして陰性」であれば、「病変全体の外科的生検」の適応となり、結果「全摘は免れた」事になりますが、『針生検で癌と診断された以上、MRIの所見を根拠に拡がり診断を行う』事となります。
「数年前も、がんはあったが、針生検で当てられなかったと推測。今回は、針生検でたまたま悪性部分を当ててしまった。」
⇒その通りです。
「放置していても、大丈夫だったのでは?(テレビのK医師の影響)」
⇒全く賛成できません。
K医師は「自分を信じて、進行した患者さん達(少なからず存在すると思いますが…)から裁判で訴えられる」事は無いのでしょうか?(と、心配してしまいます)
「乳頭は壊死すると言われ、MRIでも乳頭近くまで病変があると見えるので、とってしまったが、残す方法もあったのでは」
⇒「MRIでも乳頭近くまで病変があると見える」のであれば、「乳頭乳輪温存乳房切除」の適応はありません。
「術前化学療法で小さくしてから切除できたのでは」
⇒そもそも「非浸潤癌」には『術前化学療法の適応はありません』
特に質問者のケースでは(コメントから推測すると)放射状(に拡がっていると見える)の病変なので、「小さくなっても、温存は危険」と判断されます。
★ただ、今回は「非浸潤癌」と言う時点で適応外です。
「先生ならどのようにお考えになりますか」
⇒(画像所見を見ていないので、推測になりますが)全摘はやむを得ない(非浸潤癌ならば根血となるし)と考えます。
「アポクリン化生した良性の乳腺症が、がん化したのでしょうか。がんがアポクリン化したのでしょうか。」
⇒(後者です) 癌がアポクリン化性したのです。
「放射状硬化性病変というもので、がん化しやすい。」
⇒硬化性腺症の事でしょう。
ただ「がん化しやすい」という内容には反対です。あくまでも「乳腺症」です。
診断が時に困難だから、「硬化性腺症」が「後々がん化した」となっているだけであり、そういうケースでも『最初から癌と硬化性腺症が存在していた』と思います。
「硬化性腺症から癌になった訳ではない」と思います。
「非浸潤で全摘だから、がんは取りきれたと思われる」
⇒「非浸潤癌で乳腺を全摘出」する事は根治です。
非浸潤癌とは「癌細胞が乳管内に留まっている状態」なので「乳腺から、外へ出ていく事はできません」
つまり、「理論上、根治」となります。
♯ただ、質問者の場合「センチネルリンパ節に微小転移を認めた」とすると、「非浸潤癌ではなく、微小浸潤がある」と思います。
病変を5mmスライスで病理検索しても「微小浸潤がみつからない」場合はあります。
「体内には、まだ目に見えないがんがあることも完全否定できない。それらが出てきて大きくなって、問題になると、再発ということになり治療を考える。新たに見つかったがんは、あくまで再発、こうした理解で宜しいのでしょうか。」
⇒それでOKです。
◎実際には「質問者の場合には再発超低リスク」となります。
結果論としては「過剰治療」なのかもしれませんが、「癌の治療は、その逆がおそろしい」のです。我々「癌を治療している者」としては「安全優先の立場」をとります。
御理解ください。
質問者様から 【質問2】
詳しいご回答をありがとうございます。
このような考えは傲慢かと思いつつ、乳房を失うのだから当然とも言えるとのお言葉を、ありがたく読みました。
結果論としては「過剰治療」なのかもしれませんが、「癌の治療は、その逆がおそろしい」のです。我々「癌を治療している者」としては「安全優先の立場」をとります。
とのお言葉、その通りだと思っています。
最後にもうひとつだけ質問ですが
●非浸潤がんはおとなしいタイプのがん、ではなく、早期のがん、ということでしょうか。
アポクリンタイプはおとなしいタイプなの でしょうか。
数年前に、バネ式針生検で良性(悪性をあてられなかった)と書きましたが、それはもう10年近く前。また、20年前(20代)には石灰化を指摘されたこともあります。石灰化はがんではないとのことですが、10年近く前にすでにがんがあったと考えられ、10年後も非浸潤であるということから(微浸潤かもしれませんが)、そのままでもあまり問題なかったのか(?)と考えてしまった次第です。
もともと身体的(外見的)に損傷のある身であり、乳房喪失はできるだけ避けたかったのですが、命には代えられないと言い聞かせています。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
我々治療する側の立場を解っていただいてよかったです。
「中途半端な治療が引き起こす悲劇」を数多く見てきたものとしては、「最優先すべきもの」ははっきりしているのです。
回答
「非浸潤がんはおとなしいタイプのがん、ではなく、早期のがん、ということでしょうか。」
⇒まさに、その通りです。
「非浸潤癌」も時間が経てば「浸潤癌」になります。
「大人しい癌」でも時間が経てば0期⇒1期⇒2期⇒3期⇒4期となります(時間はかかりますが…)
逆に「増殖の強い癌」でも最初は「非浸潤癌」なのです。
「アポクリンタイプはおとなしいタイプなのでしょうか。」
⇒これもその通りです。
アポクリン癌は「トリプルネガティブ」が多いのですが、「予後良好の組織型」として、「他の組織型とは区別して」治療方針が決まります。
「10年近く前にすでにがんがあったと考えられ、10年後も非浸潤であるということから(微浸潤かもしれませんが)、そのままでもあまり問題なかったのか(?)と考えてしまった次第です」
⇒(もし、このままにしていたら、)この後10年後には大変なことになっていたと思います。
癌は(ゆっくりだとしても)確実に進行します。
「K医師の主張」は大変無責任なものであり、我々「乳癌診療を真剣に行っている医師」からすると「大変迷惑」な話であることを付け加えさせてもらいます。
質問者様から 【感想3】
わかりました。
最近は浸潤がんでも温存が可能だとも聞き「非浸潤で全摘」を受け入れることができなかったと振り返っています(やはり全摘にこだわっています)。
アポクリン(比較的おとなしい)タイプでも放置して時間をかけ進行すると、やはり大変なことになるとのこと、これでよかったと思って頑張ります。
本当にありがとうございました。
質問者様から 【質問4 再発について、しこり、痛み、原因など】
以前質問させていただきました。詳しいご回答をありがとうございました。
その際最後の質問と言っておいて恐縮ですが、先週術後一年検診を終え(再発の兆候なしではありましたが)、
またこちらのQ&Aもたびたび拝読し(自分がききたいことと似たような質問が
あり、その回答を読んでいます)病気についてまたあれこれ考えるようになりました。
再度の質問ですみませんが、宜しくお願いいたします。
●全摘について
非浸潤で全摘でした。全摘はやむを得なかったと、前回の質問で納得したものの、悪性部分だけを切除することができれば・・・と思ったりもしています。MRIしか撮りませんでしたが、CTを撮ればより詳しく調べることができ、画像上での病変(?)のうち悪性部分はどこなのかわかり、その部分のみ切除できたのでしょうか。
●再発について
全摘したのだから非浸潤である以上、再発は起こり得ないことになるが、とりきれていないがんが体内にあることは完全否定できず、そのがんは術側(再建済)の皮膚もしくは健側に再発として発見されるかもしれない(⇒局所再発というものですか?)。
これは、新たに別のがんが発生したのではなく、前のがんがとりきれず出てきたということである。⇒前回と同じサブタイプである。
で、OKでしょうか。
また、全摘した側も皮膚に再発する(ことがあり得る)と主治医から言われましたが、よく意味がわかりません。
●痛み、しこりについて
・乳がん診断時、所見はマンモグラフィーでみられる乳腺の密集化?のみで、
しこりはありませんでしたが、痛みはありました。
ズキッピキッとするような痛みで、これは全摘後の今も時々感じる痛みです。
全摘したのになぜこのような痛みが起こるのでしょうか。
・しこりはありませんでした。
これはしこりを形成しないタイプだからでしょうか。
しこり形成以前の段階(早期)だからでしょうか。
●アポクリンがんについて
乳がんの原因は生活習慣や食生活の変化が考えられる、また女性ホルモンと関係している、とのことですが、女性ホルモンと関係するのは、乳がんの中でもホルモンタイプの乳がんのみ、と解釈しています。違うでしょうか?
アポクリンがんというのは、原因は何なのでしょうか。
●非浸潤がんについて
術前針生検(マンモトーム)でも、術後病理診断でも、非浸潤とのことでしたが、センチネルリンパ節には微小転移(600コピーといわれました)がありました。
やはり浸潤していたということでしょうか。
それであれば(アポクリンでトリプルネガティブなので)化学療法を行うことも考えられるのかもしれませんが無治療です。先生の前回及び他の回答を読み、無治療で大丈夫だろうと思っています。
病理結果では(非浸潤とのことで)Ki値は示されていませんでした。
しかし他の方の質問をみると、非浸潤でもKi値が記されている場合もあるようです。
本来病理結果で(非浸潤でも)Ki値は示されるものなのでしょうか。
・良性の乳腺症の中に非浸潤がんがあり、この乳腺症は放射状硬化性病変とのことでした。
先生のご回答で アポクリン化生の良性腫瘍⇒がん化してアポクリンがん
ではなく、がん⇒アポクリン化してアポクリンがん ということでした。
ただ、針生検前の細胞診では 良性由来の細胞像(アポクリン化生を認める)
との報告(二相性の保たれた乳管上皮細胞の集塊とアポクリン化生細胞を認める)。
素人考えでは、良性のアポクリン化生細胞?が広範囲にあり、その一部にがんがあったということで、アポクリン⇒がん化 かと思ってしまうのです。
がん⇒アポクリンだと、良性のアポクリンは何なのか?という疑問が湧きます。
どちらでもいいといえばいいのですが、アポクリン⇒がん化 であれば、結果的には大部分?が良性だったのに全摘であっても(残しておいてもそれはがん化しやすいため)予防効果があったと考えられ、より納得できるのです。
長くてわかりにくい文章ですみませんが
どうぞ宜しくお願いいたします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
非浸潤癌で全摘した方ですね。
回答
「MRIしか撮りませんでしたが、CTを撮ればより詳しく調べることができ、画像上での病変(?)のうち悪性部分はどこなのかわかり、その部分のみ切除できたのでしょうか」
⇒無理です。
病変の「拡がり診断」でCTがMRIより優れている事はありません。
「とりきれていないがんが体内にあることは完全否定できず」
⇒完全否定できます。
「非浸潤癌は乳腺内に癌細胞が留まっている」ので「乳腺を全摘した」以上、「癌細胞は体内にはありません」
だから、「非浸潤癌での乳房全摘は根治といえる」のです。
「術側(再建済)の皮膚もしくは健側に再発として発見されるかもしれない」
⇒ありません。
「非浸潤癌は皮膚にも、健側にも」でることは決して無いのです。
また、結構な方が勘違いされていますが、「対側乳腺とは全く繋がり」はありません。
乳癌(浸潤癌)が局所再発するとすれば「術側の乳腺や皮膚、リンパ節」であり、「対側乳腺にでることは決してありません」
○「対側乳腺に転移」することは「遠隔転移以上」に珍しい事なのです。
♯ごく稀に、乳癌を皮膚転移するまで放置していた場合に、皮膚転移を介したり、リンパ管を介して「対側乳腺に転移」することもありますが、「通常の状況」ではありません。
「前のがんがとりきれず出てきたということである。⇒前回と同じサブタイプである。で、OKでしょうか」
⇒(非浸潤癌で乳腺全摘をすれば)局所再発することはありませんが…
局所再発は、「そう言う事」です。
「全摘した側も皮膚に再発する(ことがあり得る)と主治医から言われました」
⇒非浸潤癌で「乳腺を全摘したのに」皮膚に再発することはありません。
もし、そのようなことを危惧するのであれば「手術で乳腺を完全に取りきっていない(乳頭乳輪温存とか)場合のみ」です。
「全摘したのになぜこのような痛みが起こるのでしょうか。」
⇒もともと「癌」が痛みの原因ではなかった筈です。
術後の疼痛でしょう
「しこりを形成しないタイプだからでしょうか。しこり形成以前の段階(早期)だからでしょうか」
⇒「しこり形成以前の段階(早期)だから」です。」
それは、「最終的に、しこりを形成しない進行癌は存在しない」ことから解ります。
「女性ホルモンと関係するのは、乳がんの中でもホルモンタイプの乳がんのみ、と解釈しています。違うでしょうか?」
⇒そう思います。
勿論、証明する事はできませんが…
エストロゲンが上昇する事で、増大するのは「ホルモン受容体を持っているタイプだけ」の筈だからです。
「アポクリンがんというのは、原因は何なのでしょうか」
⇒もともと癌(乳癌にかかわらず)は細胞分裂の際の「DNAのエラー」の蓄積です。
「生活習慣やホルモン環境とは関係無く」癌はおこるのです。
アポクリン癌は「特殊型」とはなっていますが、それは「特別な乳癌」と言う意味ではありません(単に頻度が少ないだけです)
乳癌の細胞が「何らかの影響で(諸説ありますが)アポクリン化生した」だけの話です。
「センチネルリンパ節には微小転移(600コピーといわれました)がありました。やはり浸潤していたということでしょうか」
⇒その通りです。
非浸潤癌は「乳腺内に留まっている」ので(微小転移であれ)リンパ節転移はありえません。
病理検査で(5mmスライスで)発見できない「微小浸潤がある筈」となります。
まさか「乳腺全体を1mmスライスで隈なく検査をする」事は不可能なのです。
「本来病理結果で(非浸潤でも)Ki値は示されるものなのでしょうか。」
⇒測定する意味がありません。
これはHER2も同様です。
つまり、「Ki67」は「ルミナールタイプで抗がん剤を追加するべきか?」のために行うものであり、「非浸潤癌である時点で化学療法の適応はない」のに『行う意味がありません』
同様に「HER2」も「非浸潤癌ではハーセプチンを含めた化学療法の適応は一切ない」のに行う意味が無いのです。
♯ただ、「免疫染色」をすれば「非浸潤癌」でもカウントできる事は事実です。ただ「やる意味がない=保険適応がない」だけの話です。
「がん⇒アポクリンだと、良性のアポクリンは何なのか?という疑問が湧きます」
⇒質問者がそのように考えることも「理論的には」了解できます。
ただ、実際は「正常細胞も癌細胞も」アポクリン化生することは「決してめずらしくは」ありません。
特に「乳腺症」の組織像を注意深くみると「アポクリン化生が如何に多いか?」解るのです。
質問者様から 【質問5】
すみません。先ほど送信しましたが、一点失念しておりました。
●術前化学療法について
先生のご回答で、「非浸潤がんは術前化学療法の適応なし」ということを知りました。
(進行した)浸潤がんのほうが「(術前化学療法により)小さくして温存を狙える」のは何故なのでしょうか。
化学療法の副作用が強いからなのでしょうか。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
■回答
「非浸潤がんは術前化学療法の適応なし」『(進行した)浸潤がんのほうが「(術前化学療法により)小さくして温存を狙える」のは何故なのでしょうか。』
⇒なかなか「いい発想」だと思います。
しかし、本来「化学療法」は「術後再発予防」に「(副作用が強いが)やむを得ず使用する」ことから始まっています。
「術前化学療法」もあくまでも「術後化学療法と同等の再発予防効果がある」から始まってます。
本来「化学療法の適応がない=化学療法をすべきではない」癌に対して、(いくら温存目的だからといって)「(体に負担のかかる)化学療法をすべきではありません」
♯我々の考え方ではあくまでも「癌の制圧」>>>「整容性」なのです。
このあたりは「形成外科医」とは考え方が違うとは思います。
「非浸潤癌に抗がん剤の適応」はあり得ないのです。
質問者様から 【質問6 針生検結果待ち 江戸川病院での受診について】
性別:女性
年齢:50歳
4年前、非浸潤がんで全摘、同時再建術を受けました。
その際も質問させていただきました。
ありがとうございました。
[管理番号:476]
性別:女性
年齢:40代
その後経過観察を続けていましたが、先日の超音波検査で健側に病変?が見つかりました。
針生検を受け、結果待ちです。
医師からは良性悪性は五分五分と言われました。
(前回の超音波は昨秋で、その時は異常なし。
ただ、今回の超音波は制度上?二人の医師が診察。
それまではずっと一人だったため、見落としがあったのでしょうか)
以前はマンモグラフィで広範囲にわたる微細な石灰化?が見つかり、
MRIでがんの疑い濃厚でしたが細胞診では良性。
針生検(マンモトーム)で悪性の診断を受けました。
主治医からはまた同じタイプのがんが健側にもできる可能性が高いというようなことを言われてはいました。
今回は、超音波で横長のひらべったい二等辺三角形のようないびつな病変を描出。
マンモグラフィ、触診は異常なし。
〇やはり、一度悪性が発見されるともう片方も
乳がんとなる可能性は他の方より高いのでしょうか?
食生活など特に気を付けていませんでした。
〇今回のがんは、やはり前回とは違うタイプでしょうか。
超音波で発見された点が、前回とは違います。
前回は非浸潤で全摘術後は経過観察のみ、
分類上トリプルネガティブですが比較的おとなしいタイプとのことでした。
今回はもっと悪性度が高いのではと心配です。
また、今回の針生検はパチンという音がするものでマンモトームではありませんでしたが問題ないでしょうか。
(当初は細胞診を勧められましたが、以前細胞診良性で針生検に至ったため最初から針生検を希望しました)
〇また手術となると、一週間の入院が必要ですが、それだけの間不在にすることが困難です。
江戸川病院ではもっと短期間(2泊3日など)の入院が可能でしょうか。
同時再建、乳頭再建、以前(他院で)入れたインプラントの定期チェック(今年から年に一度必要と言われました)もお願いできるのでしょうか。
ひとつもふたつも同じ?と全摘には抵抗ありませんが傷が残りやすい体質です。
できるだけ残らないようにと。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「江戸川病院ではもっと短期間(2泊3日など)の入院が可能でしょうか。同時再建」
⇒同時再建は…
6泊7日となります。
☆再建なしの全摘ならば、50歳代前半までは「例外なく2泊3日」です。
質問者様から 【質問7 ki値】
性別:女性
年齢:50歳
何度か質問いたしました(管理番号476)。
ご多忙の中、丁寧なご回答を
ありがとうございます。
改めて質問させていただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
このたび針生検で(もう片側も)乳がん確定し
全摘同時再建術を受けました。
(針生検の結果が分かった日の翌週、手術可能日があると言われ早いほうがいいと流れにのってしまいました。
痛みや出血が最小限で済む
田澤先生の手術を受けたかったと悔やまれます)。
病理結果が出たのですが、紙ではもらっておらず口頭説明、
今わかっているのは以下のみです。
・硬がん
・腫瘍径(浸潤径?)約2センチ ステージ2a
・脈管侵襲あり(程度は1のようです)
・術中センチネルリンパ節生検で微小転移あり。
7個とって3個転移あり。
微小転移のため郭清省略。
・ホルモン受容あり、ER PgRごとの数値は不明
・Ki値不明(測定しない方針。Ki値によって治療法が変わることはないとのこと)
・ハーツーは陰性
・増殖のスピードは1(核異型不明、グレード不明)
・術後治療として化学療法(薬剤の種類は不明)6ヶ月、ホルモン療法5年 放射線はなし
(微小転移と脈管侵襲から再発リスクがあり、これを下げるために化学療法を行うとのこと)
Ki値がわからず、ルミナルAなのかBなのかわかりません。
Ki値測定を依頼していますが、かなわないかもしれません。
先生のQ&Aで以下のように理解しておりますが、勘違い等ないでしょうか。
〇センチネルリンパ節の微小転移は予後に影響しない、郭清省略OKはもちろん
3個転移があったがすべて微小なので「転移なし」とみなす。
〇脈管侵襲は術後治療方針に影響を及ぼさないし、心配しなくてよい。
〇Ki値測定の結果「ルミナルA」とわかれば、術後治療はホルモン療法のみとなる。
〇術後治療法を決めるため、サブタイプ確定のために、Ki値測定は必要である。
(それとも、測定するまでもなく、今わかっていることから化学療法が必要でしょうか?
似た方で化学療法を受けている方の過去Qを拝見したように思います)
〇Ki値の結果次第で、ルミナルBであれば化学療法必要でしょうか。
微小といえどリンパ節に転移があったこと(しかも3個)、浸潤径2センチが
リスクとして心配ではあります。
”この中で①-a「ルミナールA」だけが、基本的に「抗がん剤の適応がない」のですが、
唯一『リンパ節転移4個以上の場合には、このタイプでも抗がん剤の適応がある』
と考えていただいて結構です。”
というご回答を読みましたが、微小転移3個は転移0個と考えてかまわないのでしょうか。
ルミナルAでも化学療法が必要(効果あり)の場合があり、それは「リンパ節転移4個以上」のみでしょうか。
4個以上にこだわらないとのご回答を拝見しましたが「ルミナルA微小転移3個でも化学療法適用あり」ということでしょうか?
今週のコラム143回目 「リンパ節転移無」においては51歳以上ではRS26から、50歳以下ではRS21から化学療法によるbenefitがあるも拝読しましたが(理解できておりません)、私も当てはまるのでしょうか。
上乗せが1パーセントでもあれば、化学療法受けようと思っています(術後治療は最大のチャンス、
後悔しないように。
半年間やるべき治療を頑張り、その後おだやかな心情でに生活したい)。
管理番号3桁の頃のことですが「理論的に言えば、その通りだと思いますが、実際には
(例えばluminal Aでも)化学療法は「劇的ではないにしろ」効果がある事の方が多いのが事実です。」とのご回答も拝見しました。
しかしルミナルAであれば、効果がないどころか、再発率が微増する(2パーセントと過去Q&Aで読みました)ということで
Ki値もわからず苦しい精神状態状態が続いています。
化学療法を受けるのはKi値を測定してからでもよいですよね。
測定すべきですよね。
現院でKi値を測定してもらえなければ、転院も考えております。
手術は終わってしまいましたが、田澤先生に診ていただきたいのです、可能でしょうか。
Ki値測定からお願いできるものでしょうか。
ただ人質があります(同時再建したものの感染症を発症、エキスパンダーを一旦除去しました。
落ち着いてから(⇒半年くらい とのこと)再度エキスパンダーもしくは可能ならシリコンを直接入れてもらいたいという希望があります)。
こちらの手術も貴院でお願いできるものでしょうか。
(あるいはこの形成手術のみ現院で受けられるのか、たぶんかなわないと思います)
数年前にも乳がんに罹患し、現院で全摘同時再建済です(この時もKi値は調べられず、
非浸潤だったのでそれでよしと先生のご回答で安心しておりました)。
田澤先生の乳がんプラザを知ったのはこの手術の後でした。
Ki値がわからない状態での質問ですみません
(Ki値もしグレーゾーンならまた「Oncotype Dx(高額)」を受けたほうがよいと思われまた悩ましいところではあります)。
前回はのんきにしていましたが、今は悪い想像ばかりしています。
長文乱文で恐縮ですが何卒、よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
QandA再開後「3番バッター」です。
いまだに「リンパ節転移を化学療法と結びつける」施設が多いことを残念に思います。
「局所治療の仮を全身治療に負わせざるを得ない」ような事情も見え隠れしています。
「〇センチネルリンパ節の微小転移は予後に影響しない、郭清省略OKはもちろん3個転移があったがすべて微小なので「転移なし」とみなす。」
→「微小転移は予後に影響ない」ことは正しいですが、「転移無し」とみなすわけではありません(治療方針には影響しませんが、ステージには反映されます)
「〇脈管侵襲は術後治療方針に影響を及ぼさないし、心配しなくてよい。」
→その通りです。
「〇Ki値測定の結果「ルミナルA」とわかれば、術後治療はホルモン療法のみとなる。」
→その通りです。
「〇術後治療法を決めるため、サブタイプ確定のために、Ki値測定は必要である。」
→その通りです。
「リンパ節に転移(微小といえど)があるから化学療法」という考え方は、まったく無意味です。
「(それとも、測定するまでもなく、今わかっていることから化学療法が必要でしょうか?」
→全く、そんなことはありません。
「〇Ki値の結果次第で、ルミナルBであれば化学療法必要でしょうか。」
→その通りです。
「微小転移3個は転移0個と考えてかまわないのでしょうか。」
→そもそも抗がん剤とは無関係です。
「ルミナルAでも化学療法が必要(効果あり)の場合があり、それは「リンパ節転移4個以上」のみでしょうか。」
→実際は…
リンパ節転移4個以上は「抗がん剤をやっても許される」とは思いますが、(実際には)「抗がん剤をすべき」とは思ってはいません。(実際にOncotypeDXをすれば、それに従うべきでしょう)
「4個以上にこだわらないとのご回答を拝見しましたが「ルミナルA微小転移3個でも化学療法適用あり」ということでしょうか?」
→全く違います。
「私も当てはまるのでしょうか。」
→OncotypeDXをすれば、当て嵌まります。
「現院でKi値を測定してもらえなければ、転院も考えております。」
「手術は終わってしまいましたが、田澤先生に診ていただきたいのです、可能でしょうか。」
「Ki値測定からお願いできるものでしょうか。」
→実際に…
全く同様の理由で転院して「標本を取り寄せて、当院オーダーでOncotypeDXを行った」ケースもあります。(いまだに、理路整然とした術後治療の方針を示せない医師が多いのが実情なのです)
「こちらの手術も貴院でお願いできるものでしょうか。」
→勿論、可能です。
当院形成外科は(手術枠の関係上、同時再建が入りにくい状況にあることもあり)2次再建はかなり多いのです。
質問者様から 【結果8 セカンドオピニオンを経て】
性別:女性
年齢:50歳
病名:乳がん
田澤先生の診察:[診察あり]
田澤先生の手術:[手術なし]
〇月〇日、田澤先生のセカンドオピニオンを受けました〇〇と申します。
その節はありがとうございました。
公開されている経歴で推定される年齢よりもはるかにお若く、驚きました。
ポイントは化学療法の必要性についてでした。
こちらのQ&Aで関連する部分はだいたい読んだのですが、個々のケースによって多少異なる部分もあると思われ、実際に画像等ご覧になっていただきお話を伺えればと思っておりました。
おききしたいことはまとめておりましたが、他にあれこれとお尋ねしたいこともあり、その場ではアワアワしてしまい大変失礼いたしました。
前院はki値を測らない方針でしたが、測っていただき、グレーゾーンではなく低値だったのでホルモン療法のみでいいのではと思えたのですが、微小といえどリンパ節転移3個がやはり心配でした。また、レアケースである感染症を自分自身が発症したことで、元来のんきである私も自分がレアケースに該当するのではとの強い不安を感じるようになってしまいました。そのためごくわずかでも可能性があれば、化学療法を受ける意味もあるのではと悶々としておりました。
先生に低リスクとおっしゃっていただき、安心いたしました。また、リンパ節転移については局所再発の可能性(リスク)があることから、先生ご自身によるエコーを3ヵ月ごとのホルモン処方時にしていただけることになり、心強く思っております。
オンコタイプDXも受けられるよう、手術標本の取り寄せをありがとうございました(受けるかどうかまだ迷っております…)。
今回の手術を受ける際、江戸川病院にも電話したのです。田澤先生に手術していただいていたら、不安にさらされることはなかったとふり返っています。
転院し、先生に診ていただけることを大変幸いに感じております。これから先生の患者として、治療を頑張って続けていきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
<Q&A結果>
質問者様から 【結果9 】
転院ののち(長文)
性別:女性
年齢:50歳
病名:乳がん(異時性両側)
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
ID 41〇〇〇9 〇〇
お世話になっております。長文ですみません。
転院ののち
数年前に非浸潤がんが見つかり、某院で手術を受けました。
以降、対側も要注意と半年ごとのエコー(技師さん)、年一度のマンモグラフィーを受けていましたが
昨年対側にも発見され、即手術。おそらくは腋窩に微小転移(1000コピー程度、3個)があったことから、
Ki値も調べられず化学療法を提示されました。
「乳がんプラザ」を読んでいたのでその方針に疑問を感じ、セカンドオピニオンを経て江戸川病院に転院。
前院に籍を置いてのセカンドオピニオンという形でしたが、受け入れてもらえるなら転院しようと決めていました。
Ki値は結局前院で測定してくださり、10.9といわゆるグレーゾーンではありませんでしたが、
高額で迷ったものの前院から手術標本を取り寄せていただき、オンコタイプDXをお願いしました。
Rs値は5で、化学療法を受けると再発率はむしろ上がる(プラス3%)との結果が出て
化学療法は受けなくてよいと安心できました。
転院してすぐノルバディックスを処方していただき、無治療の不安がなくなるとともに
田澤先生に腋窩のエコーをしていただきました。
その感触?は、以前の技師さんによるエコーとはまったく違い、先生の目も真剣そのもの。
そして両方の腋窩に病変?を見つけていただき、またびっくり。
細胞診の結果(明らかな)悪性ではないとのことでした。
腋窩は局所ということで、もし悪性でもそれはとり残しであり、先生に手術してもらえれば大丈夫だと思いましたが、
やはり長期間放置しておくとよくないとコラムで読んでいましたので、結果がわかるまで心配でした。
転院したのは、Ki値も調べられず提示された化学療法への疑問と抵抗があったから、
そしてもうひとつ、田澤先生の定期的なエコーを受けたかったからです。
前院では、対側にもできる人が多いからと半年おきのエコーを設定してくださったのですが
分業制でエコーは技師さんによるものでした。
見つかったときはエコーで1センチ。増殖のスピードは遅いと言われたので、
病変が見つかる半年前のエコー写真もさかのぼって確認してくださいましたが、写っていなかったとのこと。
でも、プロープの角度など変えれば、田澤先生であれば、もっと早く見つかったのではないか、、と思ってしまったのです。
経過観察の診療中も、前院の主治医の先生は技師さんの撮ったエコー写真を見ながら「ここもあやしいんだよね~」
「こことか…」「でも、おとなしいタイプだから、見つかったらその時点で対処すれば大丈夫だから」と、
私もそうか~とのんきにしてしまいましたが、ここで主治医がエコーしてくれていたら。
いや、そもそも診察室にはエコー設備がなく、この時点で私が田澤先生のエコーを受けていれば。
と思ってしまうわけで、結果前院で見つけてくださった際は、エコーで1センチ、病理の結果約2センチで前回は非浸潤でしたが
今回は浸潤、見つかったのは半年おきのチェックがあったからこそなのかもしれないのですが
乳がんプラザを読んでいても、1センチ未満や非浸潤で見つかっている方もけっこうみられ、
(非浸潤なら術後治療はなし、それがやはり望ましい)
私もミリ単位で見つけられらなかったのか?との思いも抑えられませんでした。
私も非浸潤のときの術後には過去のエコー写真を見ながら「放射状硬化性病(乳腺症?)」といわれており、
これはがん化しやすいのだとの説明を受けていました。
「あるあるQ(乳腺症が癌化?)」を読んで深く納得です。
オンコタイプを受けず、Ki値を根拠にホルモン療法のみでいくことも考えられましたが、
当時はKi値とRs値は完全相関するわけでなし、自分はレアケースなのではと堂々巡りに陥っていたので、
先生の勧めもあり、オンコタイプを受けてよかったです。
過ぎてから「果たしてこれでよかったのか」と振り返るたちなので…
先生はおそらく低リスクと出ると言われましたがその通りでした。
このような専門的な内容についてわかりやすく書かれているサイトは実にありがたく
私でも病気や治療について理解できました。
特別体に気を遣っているわけではありませんが不摂生もしておらず、
どちらかといえば健康な方のつもりでいたのに異時性両側乳がん、ショックも不安もありますが
手術こそ先生にお願いできなかったものの、ホルモン療法と田澤先生のエコーを受けて、
無事の経過をたどれるとの思いを強く持ちつつ、
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
<Q&A結果>
質問者様から 【質問10 (質問7 結果感想3)】
今週のコラム 269回目 について
性別:女性
年齢:53
病名:異時性両側乳がん
症状:
投稿日:2021年4月25日
田澤先生
ID○○ の○○です
いつもありがとうございます。
2018年6月に2度目の乳がん手術(異時性両側乳がん)、9月に江戸川病院へ転院してから
毎朝のノルバディックスと3か月ごと(ノルバディックス処方時)の田澤先生のエコー、
半年ごとの血液検査を続けて無事を確認しつつ、早3年近くがたとうとしています。
乳がんプラザからも遠ざかってしまっていましたが、先日、最近のQ&Aからの遷移で以下のコラムを拝見し、次の受診日が少し先なので、すみませんが質問させていただきます。
「今週のコラム 269回目 Rx PONDER (中間解析) その解釈」
・2018年6月手術当時、50歳閉経前 ルミナルタイプ 微小ながらリンパ節転移3個あり(pN1)
オンコタイプDxを受けてRs値は5でした。
1)Rs値もさることながら、化学療法を受けると再発リスクはむしろ上がる(プラス3パーセント)と出て、
化学療法は受けなくてよいと安心できたのですが、この率にかかわらず、pN1だと「推進派」にとっては化学療法
選択も「あり」なのでしょうか。
2)手術当時閉経前(生理は定期的にきていた)でしたが、ノルバディックス服用後、こなくなりました。
しかしその後も3~6か月に1度くらいきています。
閉経前ということですね(直近では2021年3月です)。
そうすると私も卵巣の働きを抑制する注射(LH-RHagonist?)を受けたほうがよいのでしょうか。
「OncotypeDXのRSの解釈について迷った方は、これをご覧ください。」を読みますと、ノルバディックスのみでよいかとも思いますがこれは「pN0」の場合でしょうか。
田澤先生から 【回答10 (質問7 結果感想3)】
こんにちは田澤です。
質問者のように…
既に治療方針が決まり実際に治療中に、「エビデンスが新たに出た」としても、時計の針を逆回しにして治療方針を変更することは(原則として)ありません。(現場に混乱が起こるため)
★「原則として」と記載したのは、患者さんの強い希望があれば「話し合いの余地はある」ということです。
「1)Rs値もさることながら、化学療法を受けると再発リスクはむしろ上がる(プラス3パーセント)と出て、
化学療法は受けなくてよいと安心できたのですが、この率にかかわらず、pN1だと「推進派」にとっては化学療法選択も「あり」なのでしょうか。」
⇒RSが「極めて」低値であることと、「微小転移(複数なのかは無関係)」であることから(私的には)無です。
「2)手術当時閉経前(生理は定期的にきていた)でしたが、ノルバディックス服用後、こなくなりました。
しかしその後も3~6か月に1度くらいきています。
閉経前ということですね(直近では2021年3月です)。
そうすると私も卵巣の働きを抑制する注射(LH-RHagonist?)を受けたほうがよいのでしょうか。」
⇒これも強くは勧めません。(RS=5だと殆ど差は無い筈)