こんにちは。田澤です。
最近の診療で感じている疑問
患者さんに尋ねると『(前医では)リンパ節転移、3個位怪しいと言われています』
(しかし)実際に診察エコーしてみると「レベル2~3まで(おそらく)10個位は転移がありそう」
★どうして、こんなことが起こるのか? (彼らは)レベル2とか3のエコーしていないのだろうか?
『乳癌手術のブログ 2020/8/11 夢の昇華』 から抜粋
新たにレベル3鎖骨下までもガンが進行しているのをエコーで発見してくださいました。今まで信頼していたBクリニック主治医も同じようにエコーしてくれていたのに。同じお医者様でもこうも違うのかと愕然としました。
これは、私自身よく覚えています。
紹介状を読んだ際には、
『腋窩リンパ節(レベル1だけ)か。センチネルリンパ節生検しかやってないし、楽勝だな 注 1 )』
と、思いながらいざエコーすると「レベル3まで明らかに腫大」している。
『(レベル2や3を)認識していない? エコーで見えていないのか? 何故だ?』と、大いに疑問に思ったものです。
ただ、冒頭のように「レベル2や3を明らかに認識していない」医師からの紹介が(最近)立て続けだったので、それが例外ではないことに(否が応でも)気付かされたのです。
注 1 ) レベル3郭清となると大胸筋を割って、(深い部位での)大血管(腋窩静脈)から小胸筋を外しながらの操作となるので、やはり緊張感は(通常の腋窩郭清とは)異なります。(今は随分慣れてしまいましたが、かつては「いろいろ」術前にシュミレーションしたものです)
それは何故なんだろう?
手術をしない乳腺外科医(手術を覚えないまま、早期に開業した医師に多い)の場合には「リンパ節がどこまで転移を疑うので、どこまで郭清すべきか?」みたいな概念時代が無いことは、今までも「薄々」感じていたんだ。
だけど、それが「どんどん」一般化して、普通に手術している医師でさえ「レベル2以上の転移の評価」に無頓着になってきていると考えるべきかな?
なぜ、(自分でも手術をする彼らが)リンパ節転移の範囲に無頓着となっているのか?
ここからは(私の)推理です。
おそらく、彼らの選択肢は「リンパ節転移がある=術前抗がん剤」
術前抗がん剤後の手術では(術前抗がん剤前の時点でリンパ節転移がどこまであろうが)腋窩郭清(レベル1+α)しかしない。(あとは放射線でいいのさ)ってことかな。
だから「リンパ節転移がどこまであるのか?」(彼らには)全く関係ないともいえるのでは?(私の推理です)
なるほど。
(リンパ節転移の状況とは無関係に)彼らのやることは「一律」だから、「何処まで転移があるのか?」に無頓着なんだね。
それって、とっても怖いことだと思う。
今年に入って「腋窩鎖骨下再発」で当院に転院して手術する患者さんが増えていることと、(それらの)医師が増えていることは無関係ではないだろう。
本来「腋窩鎖骨下郭清されるべき患者さん」が、(それらの医師の治療により)不十分な手術を受けて将来再発する。
それでも、(その再発の原因が)自分の手術にあることの自覚がない。
抗がん剤の治験を主導している医師が学会で偉くなる、そんな状況ではなかなか改善されないことともいえる。
40-49歳
入院期間 3日間
痛み 1
血性分泌に関する乳癌プラザのQ&Aで「自分の身は自分で守りましょう」との回答に背中を押されました。北〇道在住ですが、検査を経て手術をして頂きました。手術当日は先生への信頼から全く緊張も不安もありませんでした。術後すぐは痛みがありましたが、痛み止めで治まりました。
家族への説明も解りやすく丁寧に話してくださったと聞いております。身体から不安の種を取り除いていただきスッキリしています。本当にありがとうございました。