11月11日
1並び。何かいいこと、有りそうです。
「skyrocket company」
今、一番のお勧めFM番組。
「マンボウやしろ」はお気に入りですが、42歳の彼とはたまに世代差を感じることがあります。
★危ない刑事(デカ)
「高山(舘ひろし)、大下(柴田恭兵)」は(当時)我々高校生には、翌日の学校では話題に欠かせない存在でした。
ある日の放送
マンボウ『セクシー大下って、誰だろうね?』『木の実ナナさんも、出ていたから、ナナさんのことかもしれないね。』
おいおいおい。 大下=柴田恭兵は常識だろ?
診療をしていて、「これは!」と思わせる場面に時々(しばしば?)遭遇します。(言い換えれば「これは酷い!」)
Aクリニック医師『先日針生検した右腫瘍ですが癌でした。さっそく大きな病院(B)を紹介するので、早めに受診してください。 それと左にもエコーで「気になる所見」があります。これもB病院できちんと診断受けてください。』
後日 B病院(大学病院)にて
B大学病院医師『MRIを撮影しましたが、限局しているので温存手術の予定とします。』
C子さん『左はどうなのですか? A医師より、左にも「気になる所見」があると言われて来ています。』
B医師『左は大丈夫ですよ。 MRIでも(何も)写っていないし、(技師が行った)エコーレポートでも左は正常となってます。』
C子さん(不安そうに)
『本当に大丈夫なんですか? A医師からは「気になる所見があるから診断してもらうように」と言われてきたんですよ。』
B医師『MRIでもエコーでも写っていないのだから大丈夫です。(もしも何かあっても)右の(薬物)療法で小さくなるんじゃない?』
C子さんに不安が残りましたが、これ以上どうすることもできませんでした。
ここで(このB病院の)技師エコーを見ますと…
「右の癌」や「良性と思われる」腫瘍、(左右の)「正常なリンパ節」まで、(技師らしい)丁寧なエコー検査をして写真を撮影しています。
何故、このとき(この技師は)左の腫瘍を見逃したのでしょうか?
これが、右の癌です。(カラーは血流が豊富に腫瘍に入っていることを示しています。
これらは、(右の)良性所見を捉えています。
丁寧に2方向から撮影したり、測定したり。(仕事だとはいえ、私なら認識したうえで、すぐにスルーします)
これが正常リンパ節
二相性(皮質の黒く薄い殻がありますね?)
こういうリンパ節を「測定」すること自体、まったく無意味。
そして「肝心な左の所見を見逃して」いるのです。
何故なのか??
★私は、こう考えます。
「木を見て、森を見ず」
エコー検査技師
これは(それだけに特化した)仕事だから仕方がありませんが、とにかく(私からみれば)「どうでもいい所見(特に正常リンパ節など)」を丁寧に記録しています。
そのような(どうでもいいから)「スルーしていい所見」の(記録)に拘るあまりに、「本当に必要な所見」が疎かになってしまった「典型的な例(C子さんいとっては、とんだ災難でしたが)」だと思います。
我々(治療もしている)乳腺外科医がエコーをする際には、「手術をする目(癌が隠れていないか?)」でエコーしているので、「どうでもいい所見」は自動的にスルーすることで、どんなに小さい所見でも「これは、良性ではないのでは?」という『癌を疑う所見のみに集中力を注ぐ』ようになるのです。
それは実際に「針生検を数多く行う」ことで、「この所見は、どうでもいい」という経験値から得られる(技師さんには得ようがない)技術なのです。
後日、B病院で右温存手術を2回受けて断端陽性、いよいよ当院に転院しました。
私『了解しました。 深部断端が陽性となっています。 腫瘍の直下(腫瘍床といいます)の部分は大胸筋も切除しながら全摘しましょう。』
C子さん『それでお願いします。』『それと、左(対側)なんですが…』『最初のA医師からは「左も気になる」と言われていたのに、B病院では異常なしとなり(それも技師さんで)主治医は一度も(自分で)エコーしてれないんです。是非、左も見てください。』
私『解りました。それでは左のエコーしますね。』
左のエコーしたところ、小さいながら(7mm)すぐに目につく「怪しい所見」がありました。
小さいながら、「縦長(これを縦横比が高いと表現します)」で「辺縁不整」なエコー像
私『これは… 何故、B病院では見逃したのだろう。』『カテゴリー4。癌の可能性は十分にある。これは当然組織診断すべきです。』
C子さん『やっぱり、所見があるのですね。 是非(針生検)お願いします。』
★結局、その日に行った針生検(より確実性を狙ってMMTEにしました)では「浸潤癌」画像通りでした。
◎ human error
勿論、人間「見落とし」はあります。
特に右に明らかな所見(癌)がある場合には(それに気をとられて)対側(左)が疎かになることもあるでしょう。
ただ、(このcaseでは、B病院からの紹介状があるから、全ての流れが把握できるのですが)一番の問題は「担当医が1度も自分でエコーしていない」ことです。
信じられないことに(彼らには「至極、当たり前」なのでしょうが…)温存手術なのに「術前マーキング」も担当医自らせずに(技師に)「マーキングお願いします」と検査オーダーしているのです!!
♯ 過去に(その病院からの)転院患者さんに「温存なのだけど、主治医は1度もエコーしてくれず、術前のマーキングも技師がやっていました」とは聞いていました。
その時には「まさか!」と半分信じていなかった(患者さんの誤解?)のですが、今回のように持参した資料に「動かぬ証拠」があると…
これは、「東〇大学病院→東北公〇病院」で培ってきた(私の)常識では「1000%ありえない」ことです。
もしも「こんなこと」をしたら、先輩医師から「貴様、患者さんを自分でエコーしないなんで、どういうことだ!! そんな奴に手術はさせない!」となったことでしょう。(冗談抜きで)
「何が、どうなって」C大学病院では自分でエコーもせずに手術をするようなシステムになっているのか「全く」理解できませんが、その大学病院の上に立つ医師自体が「それに疑問をもっていない」ことを露呈しているとしたら、世も末です。
担当医「自身」がA医師からの紹介状「左も気になる所見あり」を見ながらエコーしていたら、(さすがのB医師も)「これは??」と気付いた筈です。
(それらの情報のないまま)右に気を取られながらエコーした、技師さんが起こしたhuman error あなたは責められますか??